今回、見つけてきたレコードはジム・ロウが唄う「グリーン・ドア〜みどりの扉」という、よっぽどのポピュラー音楽ファンでなければご存知ないと思われるジミな曲。実はこの曲のB面もすごいんです。アメリカ・ポピュラー音楽界の奇才リー・へイゼルウッドがプロデュース、サンフォード・クラークが歌った「ザ・フール〜ばか者」という唄。製作者へイゼルウッドの初ヒットでしょう。不思議なサウンドを持ったロクンロールです。


「グリーン・ドア」は緑のドアの向こうに不思議な世界があるという、なんだかとっても妙な歌詞の歌。1956年の暮れ、ビルボードのチャートで第1位になっています。
そういえば1970年代中ごろ、マリリン・チェンバーズ主演「ビハインド・ザ・グリーン・ドア」という映画もありました。ワオ!の映画でした、が、これはこの際関係ない。


ジム・ロウという人は、ラジオのDJ。この頃はラジオDJが歌うことが流行っていたのか、ウインク・マーティンデールというテレビ司会者としても人気のあるラジオDJが歌った曲もヒットしていましたっけ。
この曲を探したのは、先日、音楽ライターの保科さんとご一緒にスライ&ザ・ファミリー・ストーンを観に行ってきたからなんです。場所は東京国際フォーラムAホール。その日は東京ジャズ2008イベントの一環、3組のアーティストが登場。最初はロベン・フォード。次にとサム&デイブのサム・ムーア、そしてスライ&ザ・ファミリー・ストーンという、ジャズというより、ソウル&ファンク・ナイトという雰囲気。ほんとに出てくるのかと思ったら、出てきました。それも30分以上もちゃんと声も出て、予想以上によござんした!
そのスライ・ストーン、ファンの皆さんならご存知、その昔、彼は地元サン・フランシスコ・ベイ・エリア、オークランドでラジオ・ディスク・ジョッキーをやっていました。
DJのかたわらレコード・プロデューサーをやっていたことが良かった。ラジオDJとしてヒット曲をたくさん聴くことが出来る。そしてレコード制作で音作りを実践する。スライ・ストーンの強烈な才能の秘密、ここにありだと思います。
ラジオDJから歌い手になった人ってとっても多い。先日亡くなったアイザック・ヘイズも、僕は残念ながら聴いたことがないのですが、名DJだったそうです。あの声でDJをやったら、けっこう身体が反応するでしょうね。グリーン・ドアの裏側でしょうか?
アメリカでは、ラジオ局が大変に多いせいでしょうか、たくさんの人がラジオを自分のキャリアのスタートにしています。
政治の世界でも、レーガン大統領がそうでしたが、共和党の副大統領候補サラ・ぺイリンさんもいまの道へのスタートはラジオ・スポーツキャスターだったとのこと。
歌い手がDJやるのは当たり前ですけれど、最近の話題はボブ・ディランのDJ。2年前以上も前からディランは衛星ラジオでDJをやっているんです。「シーム・タイム・ラジオ・アワー」という1時間番組。いわゆるDJというよりボブ・ディランが自分が影響をうけた歌や好きな歌を紹介するという音楽番組。これが詳しいのなんのって、もうその辺の音楽評論家先生が裸足で逃げ出すほど、音楽に詳しいのだ。一流の歌い手は音楽にも詳しいのです。
残念ながら日本じゃ聴くことが出来ないけれど、この番組、聴きたいねぇ。
自分のことになってしまうのですけれど、DJが歌を歌っても良いのだということを教えてくれたのが、今回のレコード、ジム・ロウの「グリーン・ドア」。この曲がヒットしてから15年後、ニッポン放送「オールナイト・ニッポン」のDJをやっていた僕は、このジム・ロウのことを思いだし、同僚の齋藤安弘さんと一緒に、カメ&アンコーとして歌手デビューするのです。デビュー曲は「水虫の唄」、タイトルがかゆいです。ほんと、いろんなことやりました。僕もラジオが人生のスタート地点だったようです。