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オールディーズ・バット・グッディーズ〜第7回

 iPodみたいなシリコン・オーディを聴いていると知り合いから「なにを聴いているの?」と聞かれる「うん、僕が若いころのヒット曲が多いよ。聴いていると、なぜか元気が出てくるから・・・」と答えると「ふーん、オールディーズを聴いているんだ」といわれる。そのとおりなんだけれど、面と向かって「オールディーズ、聴いているんだ」といわれると、わたしゃ、急にトシをとってしまったような・・・でも考えたら、いや考えなくってもその通りなんだから、まぁ、しゃ〜ないか。

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 一般的に、たとえば競争の激しいアメリカ・ラジオ業界の編成フォーマットの区分けなどから判断すると、1950年代中ごろから60年代前半までの、主にアメリカ製ヒット・ポップスをオールディーズと呼んでいる。エルビス・プレスリー、ニール・セダカにコニー・フランシス、ポール・アンカにリッキー・ネルソンなどなど、嗚呼、いい時代でした。そのあと、ビートルズが超人気者になった1964年ごろから70年代中盤までのヒット・ポップス、たとえばクリーム、ジミ・ヘンドリックス、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、T-レックス、キンクス、クリーデンスなどなどを、クラシック・ロックというジャンルでくくるのが普通の形。クラシック・ロックねぇ、これまた洋楽黄金時代でしたっけ。今の時代、音楽市場はJポップに席巻され洋楽はさっぱりじゃ!

 振り返ってみると、今から50年近くも前、1960年ごろ「オールディーズ」と呼んでいたヒット曲は、そのほんの4,5年前、1955年当時のヒット曲だった。いま2008年だから5年前、2003年のヒット曲になる。03年は「世界に一つだけの花」とか「地上の星」などが流行った年。検索したらこの年、他には朝青龍が横綱になった、「エンタの神様」が放送開始、テツandトモの「なんでだろう」が流行語になった・・・などとある。だったらこれら、もうみんなオールディーズの仲間入りかしらね。

 オールディーズ音楽はオールディーズ・バット・グッディーズ(Oldies But Goodies?古いけど、いいじゃん!)ともよばれる。そうなのだ、古いことは決して悪いことではないのだ。僕がこの言葉を知ったのは17歳ぐらい。1960年頃だ。アメリカの音楽業界誌ビルボードで、そのまんま「Oldies But Goodies」というタイトルのLPが売れ行き良好ということを知った。その内容は、いろいろなマイナー・レコード会社から発売されているちょっと前のヒット曲がたくさん入っているLPとのことだった。そしてその多くは、当時、日本では手に入れにくいリズム&ブルース(R&B)や黒っぽいロックン・ロール曲だった。

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 当時の大レーベル、RCAビクターとかコロムビア、キャピトル、デッカなどは、自分たちが発売したレコードの原盤を他社に貸すようなことはしなかった。でもマイナー・レコード会社は小回りがきく。「お金になるのなら、どうぞ使ってちょうだい」ってなもんだったのでしょう。遠くの日本で、運よくラジオ放送で聴くことができたR&Bヒット曲、でも日本のレコード会社は契約がないので発売の予定はない。だから、なんとか、ぜひとも、このLP「Oldies But Goodies」を手に入れたかった。ところが、発売元のオリジナル・サウンドというレコード会社も、これまた大変マイナーな会社で、いくら買い注文を出してもなかなか届かない。

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 今のようにあちこちに輸入盤を売っている店などほとんどなかった時代。僕の通っていたお店は銀座の日本楽器、輸入盤を扱っていた。洋楽のカタログを見て番号を確認し、注文を出してから3カ月経って連絡が来る。船便で注文を出し、荷物も船便で届くのだ。注文があちらに行くのに一カ月、集荷に一カ月、あちらからこちらまでが一カ月、合計三カ月。

 いま考えればウソみたいな時代。多分月に一度位か、何人もの注文が納められた荷が店に届いて、その中に自分の注文した品が入っていなければ「残念でした」ということになる。なんというサービスじゃ!だからなんども注文を出しなおし、やっと数年後、注文したLPが届いた時は嬉しかったねぇ。

 このLP、売れ行き好調だったせいか、シリーズものとなり、いまやオールディーズの音盤教科書のような存在になっている。そしてこの企画に続けと、柳の下にどじょうが三匹どころか百匹以上、類似企画が各社から続々発売された。そしてその流れは現在までも続いているのだ。いま、こういった種類のヒット曲寄せ集め企画はオムニバス盤とかコンピレーション盤とかよばれ、大ヒット企画が続々と発売されている。かつては厳しかった各レコード会社間における原盤の貸し借りの融通がつきやすくなったことが、人気企画を生む最大の要因となっているようだ。

 いまやダウンロードで音楽を聴く時代。ITのおかげか、店に行って「この曲とあの曲と、それからあれと…」と、自分の好きな曲を選んで一枚のCDやメディアを作ってくれるサービスもはじまっている。音楽もコンビニでの買い物みたい、お手軽になってきている。そんな時代だからこそ、これからはますますオムニバスやコンピレーション企画に、人気が出てくるようにも思うのだ。

2008/11/ 6 | Comments [0]

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