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2010.02.12UP

博多豪華グルメツアー、あらナイト。

さて、お立ち会い。

博多グルメツアー、第二夜は、あらナイトである。

ナイトはいいけど、それまで君たち、徳本旦那と島地兄とのジジイ3人組、昼の明るいうちはどうしてたの、という質問に答えます。ナイトまでの時間、特にすることがない。なもんで、映画観に行きました。シネコン発祥の、中州に面したキャナルシティシネマ。ジェームズ・キャメロン監督の3D『アバター』。カミさんに「そんな映画、おいら、観ないよ」と言っておきながら、観てしまった。観といてよかった。飛び出す映画はガキの頃観て以来だけど、映像はきれいだし、昔のちゃっちい3Dと違って、なかなか迫力ありました。

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9時にホテルロビーに集合いたしまして、映画を観る列に並んでど真ん中の席を確保。10時開映の回を観終わって、キャナルシティを通り、川端商店街の〈かろのうろん〉で、ゴボウ天うどん。かろのうろんは、角のうどんのことね。かやく飯のおにぎり2個。第一夜のふぐナイトは、米の飯抜きだったから、ご飯大好き人間の私としては、なんともうれしかった。

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まだ時間はたっぷり。なもんで、今度はキャナルシティを逆に歩いて、川を渡り、柳橋連合市場へ。どんな食材が並んでいるのか、興味津々。

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さすが博多。もつ鍋の新鮮な材料を売っていた。牛の小腸や丸腸が、うまそうだった。

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魚も大小いろいろ、近海物の鮮度高そうなのが並んでました。鯨のコロやサエズリも売っていたな。

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歩いてホテルへ戻り、小1時間ほど、お昼寝。そして、5時半集合で、またぞろ中州の飲屋街を通って、出撃。

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あらを食べさせてくれるのも、ふぐと同じ〈はかた天乃〉。この夜の先頭打者は、ズワイガニの酢の物。カニの味噌が載ってた。

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あらという魚を生まれて初めて食べたけど、美味にびっくりした。まず、刺身。さっぱりとしている。脂ののりが程良い。今夜のあらは、15Kgほどの大きさのものだそうで、キロ1万円だか、もっとだかという高級魚。それだけの味はしていたな。
薄造りで鴨頭ネギを巻いて、紅葉下ろしとポン酢で食べる。たまらない。

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あらの内臓いろいろ。皮、浮き袋、キモとあとひとつは何だっけ? これもポン酢。

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次はあらの焼き物。刺身よりずっと脂の乗った部分だ。

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魚だけ食べていると、口がさっぱりしたものを欲しがる。なもんで、白菜の古漬け。

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あらのキモ焼き。濃厚そうだけど、思ったほどではなかった。

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あらの炊いたの。

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ほかに揚げものがあったように思うけど、思い出せない。そういえば、徳本旦那が教えてくれたんだけど、大相撲の九州場所は、力士たちがあらのちゃんこを食べたいばっかりに巡業をするようになったらしい。へぇ、そうなんだ、である。

そして、締めくくりは、鴨頭ネギがぎっしりはいった卵焼き。

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デザートはまた覆面ミカン。大牟田の〈睦月みかん〉という銘柄だそうだ。島地兄とふたりで各4個ずつ食べた。

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この後〈天乃〉を出た後は、第一夜と同じコース。バー・ヒグチから八ちゃんラーメン。ラーメンの前に餃子とビール。八ちゃんの餃子は焼き餃子なんだけど、親指の先ほどの小ささで、ニンニクが利いて、うまい。

ホテルへ戻って、朝まで爆睡。翌朝〈天乃〉の大将の車で空港まで送ってもらう。徳本旦那は、結局、八ちゃんラーメンを2夜ともパスしたので、どうしてもラーメンを食べたい、というので、朝からラーメン。元祖長浜屋。

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八ちゃんよりスープの濃厚さが抑えられていて、食べやすい。それにしても、朝からラーメンは初体験。ラーメン400円、替え玉100円。博多には朝から替え玉3個なんてラーメン強者がゴロゴロいるらしい。徳本旦那がタテイシサン「生玉」って知ってますかと言う。生卵かと思ったら、違った。茹でない麵のことで、打ち粉がまぶされた生の玉を替え玉として食べる。固茹で麵好きの荒技。これが、生玉の正体だった。世界は、広い。天乃の大将の最近、行きつけのラーメン屋台は、長浜屋の近くにある〈ナンバーワン〉というスゴイ屋号のところだとか。うまいらしい。

かくして、博多豪華グルメツアーは終了した。JALの機内で〈森伊蔵〉のロックを飲みながら好い心持ちで帰ってきた。家へ着いたら、カミさんがいない。携帯に電話したら、美容院にいるとか。彼女が帰ってくるまで、しばしお昼寝。

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立石敏雄
1947年東京生まれ。雑文製造業者。早稲田大学卒業後、絵本の出版社、雑誌『BRUTUS』編集者などを経て、現在は雑誌『Pen』に「笑う食卓」連載中。著書に、雑誌連載をまとめた『笑う食卓』(阪急コミュニケーションズ刊)がある。

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