ttle_music09.jpg

2009.10.15UP

三日連続でゴルフしてしまった。

さて、お立ち会い。

日月火と三日連続でゴルフをした。

R0013699.JPG

そんなに遊んでばかりでダイジョーブとカミさんは言うけど、一日目は、カミさんがゴルフ行きたいからというのでお付き合いしたんじゃなかったっけ。カミさんと行くと「三井住友のVISAカードの、のが抜けてたよ」とか「落ち着いて、落ち着いて」とか、なんだかお世話係りみたいになって、ゴルフに集中できない。この日は散々で、97も叩いてしまった。

二日目は、集英社の江口順一君が作家の川上健一さんとゴルフしたいというので、私のホームコースのスタートを取ってあげた。いちおうクラブルールではメンバー同伴という日だったので、ビジターだけで廻ってもらうわけにもいかず、これもお付き合い。

川上さんは、高校野球のピッチャーで鳴らした人らしく、身長が185センチ以上はありそうだった。川上さんのニューヨークのゴルフ場が舞台の小説を読んだことを思い出した。私は、人見知りの激しいジジイなので、初めて会った人と廻るのは、どうも苦手。この日もだらしないゴルフで89。

ラウンドを終わって、江口君にスイングのおかしい点を指摘したら、これからゴルフ練習場に付き合ってくれませんかと言う。電話したら、カミさんはシンデレラみたいに家で床磨きをしているらしいので、早く帰っても邪魔にされるだけだから、練習場へ。コッキングが右手甲側に折れて、左肘が浮き、シャフトがスイングプレーンから外れる点を修正。左右にバラけていたボールが真っ直ぐ飛ぶようになった。

しかし、人のスイングのヘンは見えるけど、自分のヘンは見えないのが困る。いつも一緒にゴルフをしてる永井君は、先日、アドレスの腰つきをちょっといじったら「ものすごく飛ぶようになりました」と報告してくれた(その日は別の組で廻った)。私にはスイングを見てくれる師匠がいない。うらやましい。

話を戻すと、三日目は、ある人を取材することになったけど、私は超絶的にインタビューが下手で、間がもてない。それで、ゴルフしながらではどうです、と持ちかけたら快諾され、3連チャンになった。この日はなんとか82でまとめた。

実は、今週、あと二回、ゴルフの予定がはいっている。我ながら、そんなに遊んでてダイジョーブなのか、ちょっと心配。

R0013702.JPG

そんな心配よりもっとでかい心配が今し方、違うところから降ってきた。私の胃に悪性リンパ腫というのが住みついていて、毎年一回、胃カメラで様子を見ることになっている。お世話になっている〈日本橋大三クリニック〉の斉藤大三先生から先ほど携帯に電話がかかってきた。
胃のほうは今年はセーフだったんだけど、電話は築地のガンセンター病院へ行って、胸のCTを撮るようにという内容だった。血液検査の腫瘍マーカーが高い数値を指している。ひょっとして肺かもということなのだろう。来週の木曜日に胸部CTの予約を入れてくれた。

私は昔からあきらめの早いほうで、24歳のときに丹沢で沢登りをしていて、25メートルほどの岩壁を登っていたら、あと5メートルのところで立ち往生してしまった。岩に両方のつま先と左手の三点でへばりついているんだけど、右手で探っても、次の確保ポイントが見つからないのだ。

そのうち、岩につま先だけかけている足が細かくブルブルと震えてきた。20メートル下は岩だらけ。もう、だめ、これでオイラ死んじゃうのね、と思った。血の気がさーっと引いた。でも、あっさり死ぬ気だった。どうしても頑張って、この場を乗り切るという意思を持っていない自分に、そのとき出会った。

ああ、と思っていたら、岩壁で訓練をしていた山岳部の学生が下から上がってきて、手で踵を支えてくれた途端に震えが収まった。「もう少し右上のほうにポイントありますよ」と言われ、なんとか上まで上って、死なずに済んだ。暢気な私もそのときばかりは、岩壁の上でしばし呆然と座っていた。

胸の話だけど、まだあきらめるのは、いくらなんでも早すぎる。予約がはいっただけで、CTも撮ってないわけだからね。とりあえず一服して、ちょっとお昼寝。

<PREV  NEXT>  

img_profile_music09.gif

立石敏雄
1947年東京生まれ。雑文製造業者。早稲田大学卒業後、絵本の出版社、雑誌『BRUTUS』編集者などを経て、現在は雑誌『Pen』に「笑う食卓」連載中。著書に、雑誌連載をまとめた『笑う食卓』(阪急コミュニケーションズ刊)がある。

tateishibook.jpg
ページ上部へ
新着紹介のRSS ラガー音楽酒場のRSS ラガー音楽酒場 e-days プレゼント&インフォメーションのRSS e-days プレゼント&インフォメーション