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2009.09.09UP

スパイスの奥深さを教えられたカレーナイト。

さて、お立ち会い。

ぐずぐず暮らしていたら、あっという間に日にちが経ってしまった。先月末の台風が関東をかすめた夜のこと、インドカレーナイトがあった。私も仲間に入れてもらっている「おいしいものを食べる会」の企画。前回はベトナムナイトだったけど、この夜はカレー伝道師の渡辺玲さんが、自ら腕を振るって、おいしいインド料理を食べさせてくれるという。

当日午後、窓から外を見たら、土砂降りだった。この悪天候の中、ほんとにやるんだろうか、私、傘というもの持ってないし、どうしたものかと思っていたら、決行とのメール着信。こんなざんざん降りのなか、出かけるのぉ、と外を見たら、なんとなく雨の勢いが弱くなってきた。

雨が小降りになったところで、合羽を着て、フェルトの帽子を被り、えいやっ、と通りに出たらバスが来た。ラッキー。バスを降りて、駅の階段を上がったら、急行が来た。渋谷の駅を出たら、目の前にタクシーがいて、当日の会場に当てられた、兄貴な石川次郎さんの代官山にある事務所に着いた。ほとんど濡れずに来れたのは、ほんとについていた。

私は、玲さんの料理の手口を盗み見るため、早めに出たのだが、いくらなんでも早すぎたようだ。会は7時からなのに5時前に着いてしまった。準備のために早く来ると言っていた玲さんもまだ来ていない。ジローさんとゴルフやネットショッピングの話をしていたら、ほどなく大荷物を両手に持った玲さん到着。

メニューのほとんどを朝から仕込んできたらしく、ご飯を炊くのと、炒め物と、チャイを作る以外は、温めるだけという準備の良さ。手口を盗みに来た私としては、ちょっとガッカリ。

玲さんがご飯を炊くのを見たりしているうちに、ぽつりぽつりと人が集まってきた。

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さて、当夜のメニューは、これでもかというくらい充実していた。ヒヨコ豆の南インド式スパイス和えココナッツ風味から始まって、

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スパイシーなチキンのピクルス。これはピクルスだけど、酢ではなくて、油に漬けておいたもの、だとか。

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チキンレバーとハツのスパイス炒め。目の前で作ったものだったけど、火の通し方が的確でうまかったな。

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赤タマネギやトマト、ピーマンのスパイス和え(写真、撮り忘れたみたい)。

食べ始めると、写真撮るの、まるで忘れてしまう。まわりのみんなが「写真、写真」と言ってくれたから、他はなんとか撮れたけど、ほんと記録係は私、向いてない。

南インドのチキンペッパーマサラ。これは食べ始めてから「写真っ」と声がかかって撮ったため、料理がすでに半分ない。

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ゴア風ポークカレー(ポークビンダルー)

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南インドのフィッシュ(メカジキ)カレー。

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南インド式ナスとパプリカ入り豆カレー。

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オクラのクミン炒め。

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南インド式スパイシーなポテト炒め。出てきた順番が後だったので、腹がくちくて、あまり食べられなかったのが、残念。

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タイのジャスミンライス。これは自分でもやってみようと思った。葉っぱは、インドのベイリーフ。他に、クローブ、カルダモン、クミン、バターがはいっている。たぶん、ターメリックも。

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チャイ(これも写真、撮り忘れました)というものだった。

ジローさんがインドで買ってきた、フェンネルと砂糖もあった。インド料理屋でキャッシャーの辺りに置いてある、口直しのあれだ。

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こんなにたくさん、誰がつまむんだろうというくらいの、ものすごい量。

インド料理は想像以上に奥が深かった。カレー伝道師とはよく言ったもので玲さん、スパイス使いの達人であり、優れた調理人だと思いました。そういえば彼、最近、講談社から本を出した。

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大全というだけあって、カレーに関するあらゆることが網羅されているんだけど、なるほどな、の知識が随所に散りばめられていて、ベンキョウになりました。レシピも載ってるし、スパイス使いのコツも教えてくれるこの本、カレー好きは、手元に置いておくべきだろうね。

忘れるところだった。忍さん持参の、ベトナム風ヒヨコ豆のつまみもあったな。

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当日の参加メンバーは、左からグラフィック・デザイナーで兄貴な塚野浩資さん、私、制作会社スタジオ・マジック社長の永井俊行君、ジローさんの秘書の臼井利佳子ちゃん、ベトナム料理研究家の伊藤忍さん、ジローさんとこのアルバイト、玉置見帆ちゃん、その後ろが加ト吉の前社長、金森哲治さん、兄貴なジローさん、ビームス副社長の遠藤恵司さん、玲さん、パン屋の月川麻衣子ちゃん、ダイヤモンドのデビアスのCOO大島有美子ちゃんの12人。

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楽しそうでがしょ。うまいものをただ食べるだけだから、当然なんだけど。

で、私の感想ですがーーカレーはカレーだ、と思っていた。カレーという、ひとつの味のように思いこんでいたけど、この夜、食べたカレーは、一皿ごとに味がちょっとずつ違っていた。スパイスの組み合わせ方で、カレーにも、こんなに味のヴァリエーションが出せるのかとビックリし、自分の不明を恥じたのでした。

それにしても、堪能した。いや、ほんとに何もかもうまかった。そして、スパイスの秘めた力量を目の当たりにして、ちょっとスパイスのお勉強でもしてみようかなと思ったのでした。

デザートに有美ちゃん差し入れの甘いスイカを食べ、残ったカレーを何種もジップロックに詰め、ジャスミンライスまで次の日の昼飯用にとお土産にもらって、もう喰えない状態でとっとと家に帰り、速攻で寝床に潜り込んだのでした。

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立石敏雄
1947年東京生まれ。雑文製造業者。早稲田大学卒業後、絵本の出版社、雑誌『BRUTUS』編集者などを経て、現在は雑誌『Pen』に「笑う食卓」連載中。著書に、雑誌連載をまとめた『笑う食卓』(阪急コミュニケーションズ刊)がある。

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