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2009.08.18UP

ヘトヘトなフランス旅、六日目七日目。

さて、お立ち会い。

ヘトヘトなフランス旅、六日目である。明日はパリへ戻るという島の最終日。

昨晩の雨と風が残っていて、お天気が悪い。こういう日は、宿でうつらうつらだろうと期待していたら、雨が上がってしまった。進撃である。とほほ。

隣のラ・フロッテ村まで自転車で行く。ここもフランスの美しい村に選ばれているそうだ。ロクでもない村100選というのも、あるんだろうかね。

距離にして、4Kmほど。追い風もあって、すぐに着いてしまった。
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町を歩いていたら、12世紀市場という看板があった。900年くらい前からここに市場が立っていたのでしょう。たしかに、石畳は擦り減っている。柱も好い感じ。でも、ラ・フロッテの村そのものが昔からあるのだろうから、とりわけの特別感はない。パン屋、八百屋、チーズ屋、お総菜屋、肉屋、貝屋、スパイス屋と、ひととおりの店があった。
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ラディッシュがうまそうだったので、思わず一束買ってしまった。
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港のほうに戻って、島いちばんと評判の塩キャラメルアイスを食べさせる店へ。私、ふつうのバニラアイスのほうが好き。
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食べていたら、ザァーッと雨の音。降ったり止んだり忙しい。
港に面した、魚屋がやってるレストランに移動して、昼食。
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今日は私が焼き海老、カミさんが焼きムール貝。昨日のアルスで食べたのより、こっちのほうがうまかった。貝も大きいしね。
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天気が悪いと、気温も低く、夏の支度しか持ってきていないから寒い。私が寒いと思うくらいだから、寒がりのカミさんはたまらないだろう。そのうち機嫌が悪くなりそうなのが、地雷を抱えているようで怖い。

雨が降るといけないので、早々にサン・マルタンに戻ることにした。途中、海水浴場というのがあったので、ちらっと横目で見たけど、泳いでいる人はひとりしかいなかった。たぶん北の国から来ている人だろう。パリジェンヌもいなかった。ほんとに来てるのかね。

サン・マルタンの町で、カミさんの買い物に付き合う。テーブルクロスとか、リネンの布巾とか、そんなものをあれこれ買っている。お土産屋などを覗いていたら、疲れてきた。ホテルへ戻って、一休み。
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晩飯は、昼間から買い食いにしようとカミさんと決めていた。それがいいよ、レストランの食事は連日だとやっぱり疲れるからね。
ラディッシュを買った後に、サラミを1本買い、バゲットも買った。ワインも買ってある。これじゃ足りないかも、というので、近所に出かけて、お総菜屋みたいなところで、キッシュとピザパンとサラダを買ってきた。
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50本近くあったラディッシュはパリポリすべて食べきった。やっぱり、うち飯はなごむ。

明日の移動のために荷物をまとめ、風呂にはいって、お茶飲んで、六日目終了。やれやれ。

続けて、ヘトヘト旅、七日目。この日はパリに戻るだけ。

朝飯の後、タクシーを呼んでもらって、ラ・ロッシェルの駅へ。そこからTGVでパリのモンパルナス駅。駅からタクシーで、最初のホテル〈Hotel de l'abbeye〉へ戻る。
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今度の部屋は、301号室。デュプレックス、日本で言うメゾネットになっている。
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上の階のベッドルームには、
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窓を開けたら、小さなテラスがついていた。
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明日はこのテラスで朝食ね、とカミさん。機嫌が好い。時計を見たら、午後の2時過ぎ。腹が減ったので、出撃。

ホテルを出たら、向かいの帽子屋〈La Cerise Su〉が開いていたので、ちょっと覗いてみた。バンドの色が選べるというのが、ここの売り。薄いグレーのフェルトの帽子をかぶってみたら、いいかも。お値段は110ユーロ。ウサギの毛じゃないので、安い。ホテルの部屋に届けておいてもらうことにする。
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帽子を買ったら、途中の靴屋、J.M.ウエストンへ寄りたくなった。海外に行くと、必ず靴を1足買うことにしていた。今回は、茶の裏革のローファーを買うことにした。同じものを持っているんだけどね。サイズは5E。ジャストのサイズだから、甲のバンドが伸びるまで、またしばらく痛い思いをすることになりそうだ。
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420ユーロ。支払いのとき、貧乏人のくせに、散財してしまったことを、ちょっぴり後悔するけど、旅の記念、ま、いいか。

ビュシー通りのサンドイッチ屋〈Les Cosi〉へ。日本から着いた日に、カミさんの近頃のお気に入りというので、ロケハンしてあった店だ。パリ出張にでかけると彼女、ここのパンを買って帰るのがお決まりになっている。
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生ハムとルッコラのサンドイッチに、パルメジャーノ・レッジャーノをオプションで足してもらった。時間が時間なので、1個をふたりでシェアすることにした。
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食べ終わって、カミさんがお手洗いに立ってすぐに、子供のネズミ登場。カミさんが帰ってくる前に物陰に引っ込んだ。
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ジャコブ、サンペールと通りを歩いて、ボルサリーノの店にはいったり、ウィンドウ・ショッピング。パリは2度目のセール中だけど、どこの店にも客はいない。

カミさんが、友達に頼まれた靴を買いに行くというので、95番のバスで右岸へ。パレ・ロワイアルで降りて、コレットなんかを覗いているうちに時間が思いの外、経過していたようだ。時計を見たら、6時45分。カミさんの顔色が変わった。

走らなくては7時の閉店前に飛び込めない。客がいないと閉店5分前でも店を閉めてしまうパリの店だから、慌てるのももっとも。荷物を私に預けて、カミさん「友情の疾走」である。

私は、ぶらぶら後を追うことにする。パリはこの日、暑かった。

私が店に辿り着いたら、勘定をすませているところだった。間に合ってよかった。カミさんの友達は、私も27年の付き合い。私のゴルフ友達でもある。

お茶でもするか、ということになり、またパリ人、関原さんを呼び出す。関原さんちからフォーブル・サントノレに出る角のカフェで待つことに。イル・ド・レの話とか、あれこれ喋る。

今日の晩飯はどうしようか。今日もテークアウトにしようか。おいら、チャーハン食べたい。じゃ、そこの中華屋がテークアウトやってくれるから買って帰ろう、ということになり、チャーハン、ソース焼きそば、ザーサイ、インゲンのXO醤炒め、水餃子を買い、ビールを買って、ホテルに戻る。
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おされなデュプレックスの部屋で、バクバク喰った。和むね。お茶飲んで、七日目終了。やれやれ。

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立石敏雄
1947年東京生まれ。雑文製造業者。早稲田大学卒業後、絵本の出版社、雑誌『BRUTUS』編集者などを経て、現在は雑誌『Pen』に「笑う食卓」連載中。著書に、雑誌連載をまとめた『笑う食卓』(阪急コミュニケーションズ刊)がある。

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