
三重県北勢地域、伊勢湾に注ぐ木曽川と揖斐川の河口域にある桑名は、かつて広大な自然の干潟が存在し、豊富な貝類が生息していました。中でも肉厚で身がやわらかく、味のよい蛤は古くより伊勢の名産品として知られ、江戸時代に宿場町とし賑わっていた当時、桑名を訪れる旅人を通して日本中に知れ渡ったと言われています。そして、とりわけ有名なのが『東海道中膝栗毛』にも登場し、弥次さん喜多さんも味わったとされる「焼蛤」。その昔は、松葉や松笠を燃やし松の香りをつけて焼くのが
本来とされ、奈良・平安時代から伝わる調理法として今に伝えられています。また、蛤のむき身をざっとゆで、ゆで汁に味噌溜まりを合わせ、山椒、木くらげ、ショウガなどを加えてむき身を煮詰める「時雨煮」も、焼蛤と並ぶ代表的な郷土の味。味噌溜まりとは、味噌から取る旨味の強い液で、現在の溜まり醤油にあたるものです。
新鮮な蛤の出汁にコクのある溜まり醤油、ショウガと山椒の風味もきいた深みのある古きよき味わいは、メイン料理の風格です。
| あらかじめ砂抜きをした蛤を鍋に入れ、酒少々を加えて火にかける。蛤は口が開いたらすぐに火を止めて取り出し、一つずつ殻から身を外す。 |
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| 1の煮汁にせん切りにしたショウガと木くらげ、山椒の実、溜まり醤油、砂糖を入れ、火にかける。ひと煮立ちしたら蛤のむき身を入れ、2〜3分煮る。 |
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| 蛤に火が通ったら鍋から取り出し、煮汁はそのまま焦がさないよう弱火で煮詰める。 | |
| とろみがついてきたら蛤の身を再び鍋に戻し、強火にして蛤と煮汁をからめる。 |
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