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DJを27年間、音楽評論家としては38 年のキャリアになるという大貫憲章さん。「いわば俺の音楽のお父さんはベンチャーズで、お母さんはビートルズ。そこに僕が生まれ、ロック好き人間として育ってきて、今に至るというわけ」と憲章さん。その軽妙な語り口は今も昔も変わらない。
1974年、当時海外でもまだ無名だったQUEENを日本にいち早く紹介したり、SEX PISTOLS、THE CLASHなどのロンドン・パンクを現地取材するなど、憲章さんは洋楽界の時代のキーマンという位置づけでも必ず語られる
人物。「パンクっていうのは、社会的な不満や締め付けに対抗して出て来たもの。時代の摩擦によって、そこに新たなパワーとして生み出された音楽なんだよね」。
1975年、テレビ番組で、SEX PISTOLSの『Anarchy In the U.K.』を観た時の衝撃は今も忘れられないという。いよいよ東京にもアバンギャルドな匂いをはらんだ風がまさに吹き始め、新たな時代の到来に胸をときめかせたあの時代の空気感は、今思い返しても特別なものであった。
そんな時代をともにくぐり抜けた編集
者仲間らと仕事で夜を明かすこともしょっちゅうだった。「徹夜明けっていうと、先輩方に連れられて何故か行き先は必ず焼肉屋さん。まずはビールを体に染み渡らせ、疲れをほどいてね」と言って相好を崩す。今も焼肉を食べたくなると自由が丘の実家からも近い「ミセスハンのお店」へ行くこともある。憲章さんにとって焼肉とは、パワーの源であるとともに、どこかノスタルジーをも感じさせる、味わい深い食べ物のようである。
この「ミセスハンのお店」は、ご主人の韓家に代々伝わる家庭の味を食べさせてくれる韓国料理店。もちろん焼肉は必ず注文しますが、野菜や魚などのヘルシーな料理も数多くあり、食べたい食材を伝えると丁寧に様々な料理を紹介してもらえるのが嬉しいですね。サムギョッサル、砂肝ポックム、サンゲタンなどなど、どれをとっても辛味と旨味が絶妙に絡み合った味わい揃い。どこか和風味も感じられて日本人の味覚にもぴったりです。ピリッとくる唐辛子の辛みにはビール。これはもう切り離せない相性で、ここに来るとついついいつもよりビールもすすんでしまうというわけです。
この店は落ち着いた大人の風情であって、僕たち世代がゆっくり寛げる場所としても最適な場所ですね。

1951年東京生まれ。立教大卒。1971年から音楽評論家として執筆活動スタート。1980年からはクラブDJイベント「LONDON NITE」を新宿のディスコ「ツバキハウス」でスタートさせ、現在も新宿のCLUB WIREで継続中。