


| 写真:大腰和則 |

POLO DOG
075-331-3945
神戸市中央区三宮町1-3-21 K-BLD2F
12:00〜24:00
年中無休
JR三ノ宮駅西口南出口より南へ徒歩3分
『ウィ・アー・ザ・ワールド/USAフォー・アフリカ』
イギリスで活躍のミュージシャン、ボブ・ゲルドフの提唱によって実現したバンドエイド。アフリカの貧困層へのチャリティ、そのキャンペーンソングとして作詞・作曲はマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが担当。参加ミュージシャンはポール・サイモン、スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロス、レイ・チャールズ他アメリカの45名の人気アーティトが参加した。

お店に入るとすぐ年季の入ったカウンターテーブルに目がいく。そして奥の丸テーブルが並んだスペース、壁のいたるところにアメリカから買って来たナンバー・プレートや歴代ミュージシャンのピクチャー・プレートが飾られ、ロード・ムービーにでも出てきそうな、懐かしいアメリカの雰囲気を醸し出している。
80年代にはこういったパブがアメリカにはあった。ロサンゼルスからサンフランシスコへクルマで移動し、道の途中ホットドッグでも食べようかと何気なく入ったお店、そんな感じだ。
「創業者はアメリカが好きで、旅行してはいろいろなものを買って来てお店に飾っていました。僕は客として最初ここへ来たとき、それを見て感激してましたもん」と、蔭山秀樹さんは当時を振り返る。ライブ演奏ではカントリーやブルーグラスなどを、またBGMではビートルズ、プレスリー、西海岸のロックなどが流れていたという。蔭山さんはいつのまにかここで働いていた。お客は神戸在住の外国人、旅行者、地元のファンでいつも賑わい、地元の高校生はランチ・タイムにソフトドリンクとポテトで、この雰囲気と音楽を楽しんでいたそうだ。
1995年神戸震災後、間もなくすると創業者が年齢的にも引退したいという話になり、蔭山さんに「受け継がないか?」と。それは彼が24歳のときだった。
「僕は高校を出てすぐ飲食の世界に入ったんですよ。で、ここで仕事を始めたのはやっぱり僕も音楽が好きでしたから。引退したいって聞いたとき、僕はここの雰囲気のなかにずっといたいし、何とか残したいと思って、それで受け継ぐことにしたんです。お客さんも一杯いたし、ラッキーですよね。でも最初は銀行さんも相手にしてくれないし、子ども扱い。必死で経営を覚え、創業者の苦労は自分でやってみて初めて分かりましたね(笑)」
ここでマスターは深くうなずきながらも蔭山さんのしっかりとした物腰に「お若いのに」と感心する。いや、人間は歳ではないな。やる気のある人だからこそバトンタッチされたのであろう。お客のなかには開業時から通う常連も多く、先輩のお客たちが「頑張れよ!何かあったら教えたるわ」と励ましてくれた。これがまた心の支えになった。