


「音楽談議」の取材で、神戸の『POLO DOG』のオーナー蔭山秀樹さんと話をしていて、音楽が好きになるきっかけも年代ごとに、やはりこれだというエポックがあるのだと痛感いたしました。蔭山さんは35歳でマスターとは18歳違う。前回のラガー音楽談議でお伺いした広島のバー『冒険王』のオーナー河野“ドラゴン”栄蔵さん(32歳)も言っていたが、DJ小林克也さんのテレビ番組「ベストヒットUSA」は、現在30〜40代の人たちにとってかなり影響を与えているのだ。それはやっぱり小林克也さんという存在感が大きい。
マスターの50代前半はなんといっても「ウッドストック・ミュージック・アンド・アートフェア[1969(昭和43)年]」という人が多い。これはライブがすぐに映画化され、行けなかった多くの日本の若者は劇場でその興奮を味わったのである。
35歳になる蔭山さんは「ウィ・アー・ザ・ワールド」でブルース・スプリングスティーンやスティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンを知る。これが12歳のときだから、マスターの世代にしたらテレビの11PM(1965〜90年まで続いた深夜番組)でビートルズ来日を取り上げたのを見たのと同じような驚きだったろう。
ところで「ウィ・アー・ザ・ワールド」のとき、マスターは30歳であった。この年は阪神タイガースのトラフィーバー、21年ぶりに優勝した年だ。それから高校野球では清原和博選手と桑田真澄選手のPL学園が優勝した年でもある。いやぁ、マスターは昔のことはよく覚えている。ただ昨日とか一昨日のお昼に何を食べたかなどはあいまいだ。ま、それはいいとして今回つくづく思ったのは年代感の違いっていうやつで、若い世代から初めて聞いてみて、あなたたちはそんな風に感じたんだと、なるほどと感心してしまう。(例えばマスターなんかの世代だとスティーヴィー・ワンダーだとすぐに「迷信」でディスコで踊ったことを思い出すが、蔭山さん世代だと「ウィ・アー・ザ・ワールド」で凄い人だと知る、となる)、ここであらためて時代を超えたスティーヴィー・ワンダーって偉大だと再認識してしまう。

で、話はまた野球になるが、1985(昭和60)年の甲子園の優勝投手となった桑田真澄さんは今年40歳で引退。野茂英雄さんも同じく40歳で引退。現役の勇姿、その奮闘する姿はいまだ瞼に焼き付いておりますが、彼らもまた時代を超えたスーパースターだ。野茂英雄さんがドジャースで初勝利をあげたとき、また桑田真澄さんがパイレーツで初めてメジャーのマウンドに立ったとき、マスターはテレビのニュースからだけど「ウィ・アー・ザ・ワールド」級の感激を覚えた。そんなときには必ずラガーを飲んでいるのでありました。