edays WEB MAGAZINE 一日の終わりに Closing Time

マスターの独り言 ラガー音楽酒場のマスター(実は編集者?)が語る、キリンラガータイアップ記事裏話。

 

ロンドンでの思い出話に花が咲いた伊藤政則さんとの再会

 マスターがロンドンにいた頃に、今回「ラガー探訪ノート」の取材でお会いした伊藤政則さんが遊びにきたことがある。1977(昭和52)年のことだから、もう30年も前の話になる。そのときにロンドンから電車に乗ってリーズという街へコンサートを一緒に観に行った。これがマスターの記憶だとキャメルなんだが、伊藤さんはイエスじゃなかったか?という。そう言われるとこちらも自信がなくなるのだが、その夜コンサートを終えると電車を乗り継ぎながらロンドンに夜中に戻った。
 で、フラットまで帰るにはタクシーしかなく、ビクトリア・ステーションでわずかな人の列にならんでいると、僕たちの目の前にやたらモコモコとふくらんだ綿入れみたいなジャンパーを来ている金髪の若者がいて、背中には大きなリュックサックを背負っていた。
 僕らはそんな格好をしている若者は初めて見たのであった。「どこから来たのですか?」と質問した。すると「カリフォルニア」という返事だった。モコモコのジャンパーはダウン・ジャケットで、リュックサックはバック・パックである。すでに77年はそういったヘビー・デューティなファッションの動きが始まっていた。
 日本では1976(昭和51)年に雑誌POPEYEが創刊され、また前年にメイド・イン・U.S.Aカタログも発売されていたから、そう驚くことではないのだが、僕たちにとっては本物を初めて見たこととなった。
 伊藤さんは「カリフォルニアか、カッコいいねぇ」と言った。当時伊藤さんは相変わらずマキシコート、ベルボトム、そしてロンドンブーツ、マスターはパンクもどき。二人は相当変な日本人だった。
 それから伊藤さんはマスターのアパートに何日か泊まり、ある夜ネズミが出てきたとき、寝ていた伊藤さんは飛び起きたのであった。マスターにとってネズミは初めてではなかったが、伊藤さんは顔面蒼白に驚き、その様子を見たマスターはこんなにたっぷり驚く人も世の中にはいるんだと驚いたのである。誰しも苦手なものがあるが、凄く小さなネズミだったのだが…。




 さて今回は再会を祝しビールと焼肉で昔話に花が咲いた。「オレたちあんときジャムも観てんだよね」と伊藤さん、「そうそうジャムのファンの女のコたちって可愛らしいパンクだったよね。しかし、ポール・ウェラーは凄いね」と。「ところで政則さん、ラジオの番組の選曲ってどうしているんですか?」「黙ってオレについて来いって感じかな。かけたいときが、かけたいときなんだよ。つなぎがうまくいったときなんか全国で5人は泣いているだろうね。ウマっ!この焼き肉。海外のミュージュシャンたちって日本の焼き肉喜ぶんだよね」。なぜか、ビールで焼き肉はどんどん元気が出てくる。やがて今でも大事に持っている2足のロンドンブーツの話になり、ロンドンブーツで何度か転んだ話になり、やっぱり政則さんって面白い。笑い転げながら、一緒にラガーをおいしくいただきました。

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