edays WEB MAGAZINE 一日の終わりに Closing Time

マスターの独り言 ラガー音楽酒場のマスター(実は編集者?)が語る、キリンラガータイアップ記事裏話。

 

アイビー・ファッションとジャズの関係

 「ラガー音楽談議」の取材で名古屋のジャズバー「jazz inn LOVELY」のオーナー河合勝彦さんにお会いした。1944年(昭和19年)のお生まれだから、今年64歳。この好きな道一筋45年という凄さに頭がさがるのだが、お話を伺っているうちにマスターは自分のジャズ喫茶体験を思い出していた。
 河合さんたちの青春時代はアイビーブーム(昭和39年頃)の第一期世代で、マスター世代は第二期になる。(昭和48年頃)で、アイビー・ファッションの若者たちがジャズ喫茶へ行くというのは、第一世代も第二世代にも共通することなのである。それはアメリカかぶれということにつきるのだが、例えばプルオーバーのボタンダウン・シャツにコットンパンツ(ベルトは2色のリボンベルト、靴はコインローファー)のいでたちは、やっぱりジャズ喫茶に似合った。ちょっと薄暗い木目調の店内、そこに飾られたジャズのレコードジャケット、なぜか古い柱時計などもあり、そんなところでちょっと分厚いマグカップなんかでコーヒーを飲むといい感じになったもんです。
 そういえばジャズ喫茶は話をしてはいけないという暗黙の決まりがあった。誰もが黙って、なかには目を閉じて聴き入る者もいた。僕はジャズをわかって、只今凄くいいところなのだという感じで体を揺らす者もいた。もちろんアイビー・ファッションじゃない男もいた。これまでマスターが見たなかで忘れない男がいる。そのジャズ喫茶は店内に大きなテーブルがどーんとあって中央に山のような大きなロウソクが置かれていた。これまで燃やしたロウソクがたれてたれて山になっていた。その目の前でその男はオツな感じでノっていた。大学を受験し続け三浪ぐらいの風格があった。髪型はアフロともいえるが、大きくふくらんだモジャモジャ系。この男、目を閉じ、体を揺らしているうちにロウソクの火が髪につき、つまり髪が燃えだしたのである。もちろんあわてて消していたが、マスターは笑うことなく、他の客も見てみぬふりをしながらジャズに聴き入っていたのである。とにかく無駄口たたくと客からニラまれたんだから。




 思い出話が長過ぎて申し訳ないが、さてさて実は河合さんからいい話を聞いたのである。
 「ジャズをこれから聴こうという40代、50代のおじさんは、ジャズをどうやって覚えたらいいのでしょうか?」と質問してみたのだ。
 すると「オムニバスのCDを買って聴けばいいんじゃないかな。そのなかから絶対何か好きになるはず。いろいろ聴いて、おもしろいなっと思った物をセレクトしていったらいいと思う」であった。
 オヤジ連中のあいだで、アイビー・ファッションがきている今日このごろ、たまには洋服でも買いに行って、レコード・ショップ(今、なんていえばいいの?)をのぞいてみて、家に帰って冷えたラガーでも飲みながら買ったものを開けてみる楽しさを味わってみてはいかがでしょうか。気分はもう夏、なんちゃって、おじさん。

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