edays WEB MAGAZINE 一日の終わりに Closing Time

マスターの独り言 ラガー音楽酒場のマスター(実は編集者?)が語る、キリンラガータイアップ記事裏話。

 

豚骨料理にはゆで卵がよく合うのだ

 今回、「味の継承」でご紹介した「とんこつ」。鹿児島の名物、豚骨料理である。これは聞くところによると薩摩武士たちが戦場や狩場で作ったのが始まりらしい。マスターも今回は家で作ってみた。豚のあばらの部分を3センチぐらいに切って煮込むのだが、これは4センチでもいい。細かいことをあまり言わないところが豚骨料理では大事だ。あばらのところをガッツガッツと切り、その包丁の手ごたえと音がいい。大きな鍋に放り込むと。豚骨が鍋におちるときのゴロゴロという重量感のある音がまたたまらなくいい感じだ。どんどん盛り上がってくる。
 しかし、大根などの具材を入れてほっとしていると、急にゆで卵問題に直面した。実は、マスターは卵が大好きなのである。例えばランチタイム、ハンバーグに目玉焼きがのっかっていると、今日はこれからいいことありそうだとな、と。家で作るラーメンはもちろん、おでんには欠かすことがない。もしもおでんにたまごがなかったら、世の中にこんなことがあっていいのかと悲しい気持ちになる。
 で、この豚骨料理にもゆで卵を入れて思う存分煮込みたいと思ったのだ。つるりんとゆであがったムキムキのゆで卵を一緒に煮込んでみたい。豚骨と黒砂糖と味噌、焼酎などで味付けされた汁のなかで、じっと煮込まれたゆで卵。これはおでん並みに、いやそれ以上においしいのではなかろうか? これは家内もすぐに「それは、おいしいわね」と言ってくれると思ったが、「あまりいろんなものを入れない方がいいんじゃない」という返事だった。普段だったら「卵ぐらい入れてくれてもいいじゃん」と我を押し通すのだが、今回に限って「そうだよね」とワラゴマ(笑って誤摩化すの略)するしかなかった。  

 実は近々、私だけ仲間たちと北海道へスキーをしに行くのだ。かなりの出費があるもので、家内とはどんなわずかなことでも波風を立てたくないのでございます。
 しかし、食べたいものは食べたい。で、どうしたか?「何か急におでん食べたくなったぞ」と言い残し、自転車で近所のおでん屋へ。一人前をテイクアウトしてきたのである。パカッと缶ビールをあけて、家内が見ていない隙におでんの卵を豚骨の汁につけて半分がぶっといった。口のなかでは黄身が「ここにいます!」と叫び、ラガーが「おうおうそこにいたのか」とこだまする。残りの半分には汁をたっぷりたっぷりしみこませいただく。思ったとおり、豚骨料理にゆで卵は合う。
 すると「タマゴいれたの?」という声が。取り皿に残されたくずれた黄身が証拠となったのでございます。

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