edays WEB MAGAZINE 一日の終わりに Closing Time

マスターの独り言 ラガー音楽酒場のマスター(実は編集者?)が語る、キリンラガータイアップ記事裏話。

 

鮭の納屋煮のルーツとは…

 新潟では寒いさなか、三面川(みおもてがわ)に鮭が遡上してきます。で、これが絶品といわれている。鮭といえば北海道の石狩川が有名ですが、三面川のそれも身も厚く、味がいいのです。今回「味の継承」では「鮭の納屋煮」をご紹介したのですが、その鮭にまつわる話をまぁ聞いてください。  江戸時代、川にのぼってくる鮭の権利は、殿様が持っていたんですね。これは大切な財源で、例えば岩手の南部鼻曲がり鮭(雄に限る)がありますが、あれは南部藩の御用船をつとめる前川善兵衛という男が江戸へ売り込むために「鼻曲がり」というキャッチフレーズを用いたそうです。鮭をより売ろうとして、いろいろな苦労があったわけですが、この「鮭の納屋煮」のルーツもしかり。鮭のシーズンになると密漁者が出てくるわけです。で、大切な藩の財源、一尾たりともとられてはならぬと、夜通しの見張り番がいました。今では船の出入りを待ったり、道具を保管したりする場所として納屋が使われていますが、当時は川のほとりにいくつもの見張り小屋が並び、その見張り小屋を納屋と呼んだわけです。納屋で見張りをする番人たちが、お腹がすいたら、どうするか?  これは役得というのでしょうか、それとも内緒というのでしょうか、目の前の川から鮭を捕って、その場で調理ですよ。なんとも豪快だねえ。それに大根、ネギをどばっと入れて、味付けは、越後味噌です。

とろり煮込みながら、「いま、なにか音がしなかったか」「ならば、おぬしみてこい」「いや、おぬしこそ」などと話しながら、熱いのをふうふうしながら、食べるわけですよ。片手に奥方の作ったおむすび、これはさぞや旨かったでしょうね。納屋というのがまたいいですよね。マスターぐらいの年代になると小屋とか納屋とかって凄く憧れるのです。しかし、番人は、煮込まれた鮭や大根とビールの相性のよさを知ることもなかったわけで(日本人がビールを飲むようになったのは明治時代)、マスターは、ビールのある時代に生まれてきて本当によかったと思います。さぁ、おぬしもラガーがなくてはならないのではないか?

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