

97年の結成以来、あらゆるジャンルを呑み込んだポップで中毒性の高い楽曲と、地元横浜に根ざしたユニークな活動スタイルで、ジワジワとファンを増やしてきたクレイジーケンバンド(以下、CKB)。"タイガー&ドラゴン"のヒット以降は、CMソングや番組のテーマ・ソングでお茶の間にも進出。結成13年目を迎えた彼らは、武道館の大舞台すら通過点に過ぎぬとばかりに、ますますフレッシュに広いフィールドで快進撃を続けている。その尽きせぬバイタリティーの秘密とは?
ベスト・アルバム『クレイジーケンバンド・ベスト鶴』『クレイジーケンバンド・ベスト亀』の話と合わせて、ヴォーカルの横山剣に訊いた。
取材・文: 井口啓子/写真:神ノ川智早

――ベスト盤はオリジナルとしては2004年の『CKBB-OLDIES BUT GOODIES』以来ですよね。
そうですね、もう6年経つので、そろそろまかない切れなくなる時期かなと。とにかく気づいたら11枚もアルバムが出てたんで、どれから聴いたらいいかわからないという人のために入門編が必要だなって。本当は一枚で収めたかったんですけど、収まりきらなくて、やむを得ず二枚に。
――選曲的にもCMソングや映画のテーマ・ソングがズラッと並んだなかに、おなじみのナンバーの未発表ヴァージョンなどコアな曲が入った、ベストらしいベストだなと。
今回は自分のエゴはちょっと捨てて、民意というか風評みたいなものをちょっと意識したところがあって。ファンクラブの人気上位曲とか長者町フライデー(CKBのホームベースである横浜のライヴハウス)のリクエスト・カードを参考にして選曲しましたね。
――エゴというのは、余計なこだわりみたいな?
そうですね。この部分は出さないでくれとか、これ入れるんだったらこっち入れてくれとか、今思うとちょっと自信がなかったんですかね。でも今はこれだけコマが揃ったんで、もうどれ出してもいいよって。子供が成長して社会に出たから、過保護はやめようって。楽曲に対するエゴって親のエゴと一緒で、こっちがどう思ってようとリスナーには関係ないし、マイ・ベストみたいな選曲って、実はリスナーにとっては有り難くなかったりしますからね。まあどんな選曲をしてもクレームはあるけど(笑)、今回はエゴをなくしたにもかかわらず、自分の好きな曲ばっかりが並んだのは嬉しかったですね。

――結成13年目ということで、いい意味で楽曲が一人歩きしてきてる感じはあります?
やっぱり、朝のワイドショーなんかで「俺の話を聴けェ~("タイガー&ドラゴン")」って流れてくると、あ、こんなところまで届いてるんだって嬉しいですよね。CKBをはじめた時、僕はもう36歳でしたから、こういうバンドをやろうとか言わなくても、目指す方向は楽曲が決めるみたいな感じで来たんです。でも、50代でまだバンドをやってるっていうのは自分たちで設定してたメモリをとっくに超えてる。一周して何もかもがよちよち歩きのようでもあり、異次元って感じですね。
――剣さんは、クールス(CKB以前に横山が在籍していたバンド)で一度、ショー・ビジネスの世界をかいま見てからCKBをスタートされたわけで、周りがどうあろうと自分たちのスタイルでやり続けるという根っこは揺るぎようがないと思うんです。それを貫いたうえでも、いまのような広がり方は想定してなかった?
してないしてない。だって、そもそもCKBは、福生の植木屋さんと静岡のクルマ屋さんのパーティーのための即席バンドとして始めただけで、その2本が終わったらウヤムヤになる予定だった。それが、やったら離れられなくなっちゃって。ずっと現在まで続いてる感じで。
1997年の春頃、横浜本牧の伝説的スポット〈イタリアンガーデン〉にてヌルッと発生。〈歌うメロディー・メイカー〉横山剣の脳内に鳴りまくってるゴキゲンにソウルフルな音楽をブレなく再生する事のできる東洋一のサウンド・マシーン!

『クレイジーケンバンド・ベスト鶴』(写真上)
2010年2月24日発売
初回限定盤:UMCK-9322 ¥3,885(税込)/通常盤:UMCK-1349 ¥2,500(税込)
『クレイジーケンバンド・ベスト亀』(写真下)
2010年2月24日発売
初回限定盤:POCS-22004 ¥3,885(税込)/通常盤:POCS-22005 ¥2,500(税込)
※掲載ジャケットは2作とも初回限定盤です。
結成13年目を迎えたクレイジーケンバンド。そのキャリアを総括するベスト・アルバム2枚が同時発売! 両作とも初回限定盤には、ライヴ映像を収めたDVDを封入。
