2009.05.26UP
僕の人生に一番大きな影響を与えた楽曲「トム・ドゥリー(Tom Dooley)」に出会ったのが、1958年だ。
いつも聴いていたFENで聴き慣れないイントロで始まるその曲が流れてきた。バンジョーのイントロから語りになってコーラスになる、なんの仕掛けも無いその曲がどういう内容かは知らずに、ただただそのサウンドに魅了された。もちろん全米ナンバーワンヒットになった曲だから多くの人にとっても魅力ある曲、または新鮮なサウンドだったに違いない。元々それがフォークソング(アメリカ民謡)であるという事などもちろん知るはずもない、英語も理解できない中学生が、三角関係の末に処刑されてしまう男の事を歌った曲に惹かれたのはなぜだろう。
それまでのポップスにはなかった単純でアコースティックがバックのサウンドと、繰り返して歌われる ~hang down your head tom dooly~というこれもシンプルな歌詞とコーラス。これだったら自分でも自作自演出来るかもしれない、とこの曲のヒットをきっかけに多くのアメリカの大学生がギターやバンジョーを買い、フォークソングにハーモニーを付けて歌いだしたそうだ。ボブ・ディラン がソングライティングというものをより身近にしたように、「トム・ドゥリー」こそ若者達に、それも音楽的な教育を受けてない若者達に、自分たちも演奏してみたいというきっかけを与えた曲であったのかもしれない。
もちろん、そのキングストン・トリオ以前にもフォークグループはいたし、 彼らがバンドをやろうと思ったきっかけになった1950年に「Goodnight Irene」というナンバーワンヒットを出したウィーバーズというフォークグループや、「バナナボート・ソング」というカリプソの曲で有名になったタリアーズ、また、もうちょっとポップな感じのフォーク風な曲「マリアンヌ」のヒットを出したイージー・ライダース等がいた。でもその若さ、ルックス(ストライプの半袖シャツにコットンパンツ)、 躍動感溢れる演奏スタイルは、これぞ若者の代表といった感じで、それがウィーバーズのファンより遥かに若い世代に受け入れられたという事は確かだ。また同時に、それまでプロのものであった音楽を演奏するということをアマチュアのものにした最大の功績はこの曲であったと思う。
僕も彼らの髪型や服装にはすごく影響を受けたが、それは後に彼らのビジュアルが雑誌や新聞で取り上げられてからであった。最初は演奏しているバンドについては全く知らなかったが、ただ曲そのものにまいってしまったのだ。その後も相変わらずFENでベスト40を聴いたり、カントリーもハワイアンも聴いたりしていたが、多分半年くらいたってからだと思う。東芝から出た25センチ版のキングストン・トリオのアルバムを買った。それを以来、僕のフォークソングへののめり込みが始まったのだ。
5/27からダン・ヒックス & ホットリックスのJapan Tourが始まります。
札幌や福岡にも行きます。
ぜひ当代随一のピップスターのショウを観に来てください。
http://www.toms-cabin.com/Dan2009/
