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2008.05.12UP

FENとNHKのラジオデイズ〜小学校時代(昭和26年〜31年)

asada_pres.jpg 小学校時代の音楽と言えば学校で習う小学唱歌と言われる唄と、当時町に流れていた歌謡曲と、従兄のうちで聞いたアメリカンポップスだった。
当時町に流れていたと言ったがその頃はテレビがなかったから、ラジオは全ての情報の発信基地だったような気がする。僕のうちはラジオはほとんどNHKしか聞かせてもらえなかったので、ラジオでそんなに歌謡曲を聴いた記憶は無いのだが、なぜかあの頃は町を歩いていてもお店の中からラジオが聞こえて来てたような気がする。だから知らず知らずのうちに歌謡曲を覚えていたのだろう。僕が小学校に入学したのが1951年(昭和26年)なのだが当時はテレビもなかったから、ラジオを媒体として多くの人が同じ唄を共有していたという事なのだろう。

 また家でもラジオをよく聞いていたような気がする。三太物語や鐘の鳴る丘と言ったラジオドラマは家中で聞いていて、"鐘の鳴る丘"の「とんがり帽子」などを兄弟で歌った記憶もある。歌謡曲と言うと「リンゴの唄」とか「港の見える丘」とか、「東京ブギウギ」「青い山脈」「リンゴ追分」「雪の降る町を」「黒百合の唄」「高原列車は行く」「お富さん」「南国土佐を後にして」などは記憶にある。

 今思い出すと明るい唄と悲しげな唄が半々だった様な気がする。もしかしたら戦後の開放感と戦後の貧しさや辛さが唄に現れていたのかもしれない。とにかくレコードを買って聞いて覚えた訳ではないので、「お富さん」の歌詞などは意味も知らずに歌っていたし、町のサンドイッチマンのサンドイッチマンて何?と親に聞いたり、高原列車の歌詞を"汽車の窓からふんどし振れば"などと変えて歌ったりしていた。中でも中村メイコの「田舎のバス」などは好きで良く歌った。またこれは後に知るのだがその頃の売れっ子作詞家清水みのる、藤浦洸と言った作詞家の先生達の息子と中学校が一緒になった。

 先に書いた横浜の親類に僕の年上の従兄達がいて、年下の妹しかいなかった僕にとってはあこがれの従兄達だった。小学校の高学年になって電車にも一人で乗れるようになった僕は、時々その親戚の家へ泊まりに行きその兄貴達に遊んでもらった。最初はグライダーとかUコン(手動で動かすエンジン付き模型飛行機)を作ってもらったり、それを作るのを手伝ったりした。当時の模型飛行機はまだバルサや竹ヒゴで作っていた時代で、竹ヒゴをろうそくであぶって曲げるような事も教わった。

 その親戚には古い手回しの蓄音機があってそれも親類に行く楽しみの一つだった。レコードをターンテーブルに乗せてねじをまいて78回転のレコードを良く聴いた。ほとんどが当時のヒットソングだったが、ペレス・プラードの「マンボ」や「seven lonely days」とか「tennessee waltz」「Sixteen tons」「テキサスの黄色いバラ」と言った様な曲が好きだった事を覚えている。

 家ではラジオはNHKと決まっていたのであまりFENは聞かなかったが、従兄達はずっとFEN(Far East Network、進駐軍放送)をかけていたので、僕も知らず知らずのうちに当時のポップスを聴いていた。そこでかかっていた当時のポップス、プレスリーの「ハウンド・ドッグ」や「ハートブレイク・ホテル」、ガイ・ミチェルの「singing the blues」、ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」やパット・ブーンの「I Almost Lost My Mind」と行ったようなアメリカのポップスが好きだった。だから小学校時代の僕の音楽体験は、歌謡曲とアメリカンポップスの邦洋入り交じったものだった。

写真:ペレス・プラード


[近況メモ]


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詳細は:http://www.toms-cabin.com/

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麻田浩(ミュージシャン)
1944年、横浜生まれ。63年明治学院大学入学後、マイク眞木、重見康一、渡辺かおる等とMFQモダンフォークカルテットを結成。カレッジフォークを代表する人気バンドとなる。自身の音楽活動のほか、外国人アーティストの招聘やコンサートのプロデュース、日本人アーティストの海外進出を手がけるなど幅広く活躍。プロモーション会社「トムス・キャビン」代表。
【TOM'S CABIN PROMOTIONAL WORKS】 http://www.toms-cabin.com
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