
加藤和彦(guitar/vocal)、小原礼(bass/vocal)、土屋昌巳(guitar/vocal)、屋敷豪太(drums/vocal)、ANZA(vocal)の5人がバンドを組んで突如デビュー。セルフタイトル・アルバムとなる今作は、メンバーそれぞれがソングライティングした曲を持ち寄り、ロック、グラム、パンクなど、様々なUKテイストが溶け込んだデビューアルバム『VITAMIN-Q』を発表。今後要注目のグループ。
VITAMIN-Q featuring ANZA『VITAMIN-Q』
COCP-35209 ¥3,150(税込) 2008年12月3日発売
COCP-35209 ¥3,150(税込) 2008年12月3日発売

そういうロック談義の延長線上にこのアルバムがあるわけですね。そういえば「THE QUEEN OF COOL」のPVはすごいサイケデリックで。加藤さんはブライアン・ジョーンズと同じVOXのギターを弾いてますよね。
加藤 : アレはなかなかお目にかかれないよ。でもレコーディングで僕と土屋くんが使ってるギターとアンプはもっとすごいけどね。ヴィンテージの楽器屋が一軒出来るくらい。おもにはフェンダーのジャズマスターで年代の違うものをいくつか。僕はそれにレスポールとグレッチで全部ヴィンテージ。土屋くんも似てる感じだったね。
土屋 : 僕はグレッチのハンドペインティングのやつ。あれでも若い方で63年のものかな。実はバンド名も楽器に由来していて、ギターに入ってる小さいなパーツがあってそれがVITAMIN-Qって言うんですよ。最初にみんなが集まったのが楽器屋で、そのVITAMIN-Qとかビートルズが使っていたのと同じ年代のVOXのベースアンプってところから会話が広がっていったから。
加藤 : だからバンド名はコンデンサーの名前。もう即決だったね。
ANZA : ホントこういう音楽や楽器の話をしてるときはみんなガキみたいでしょ(笑)。こんなに楽しそうにしてる大人って他にいないんじゃない?
それがロックの持つマジックですよね。みなさん完全に魅了されてる。このアルバムにもそういう普遍性がありますよね。
加藤 : そうだったら良いけどね。
土屋 : 打ち込みやシンセがまったく使われていないのもポイントになってるかな。しかも40年以上も前の楽器を使ってるんだからエコですよ(笑)。で、そのアンプやギターをどう鳴らすか、もっと言えばそれを弾く人間がどうあるべきか。だから結局は人間ってことで、そういう意味では恐ろしくオーガニックなアルバムだと言える(笑)。
今の時代パソコン1台あれば音楽が出来てそれがそのままCDになってしまう。
加藤 : それを果たして音楽と呼ぶかどうかっていうね。僕らもコンピュータは使うけどそれはツールとしてで。だから、僕らの音楽とそういう既製の音楽には、ちゃんと生から調理したものとフローズンフーズくらいの違いがあると思うよ。
土屋 : 便利になったからってみんなそっちに飛びつくけど、便利になった分その何倍か失ったものもある。アルバムを聴いてそういう部分にも気づいてほしいですね。

いちばん聴いてほしいリスナー層は?
加藤 : あらゆる層と言ってしまえばそうなんだけど。世代を問わず、本当のロックを知ってる人がたくさん聴いてくれたら嬉しいかな。ロックって、生き方であり思想みたいなものだから。最近は昔のバンドの再編が盛んでしょ、ザ・フーとかツェッペリンとか。世界的にそういうのがあって、でもそれは単にノスタルジーじゃなくて、みんな一生ロックやってる連中なんだなって。そういうバンドが今も人気なのは、今の時代もまだまだ捨てたもんじゃないなって思うんだけど。流行りのロックがニセモノとまでは言わないけど、命のかけ方が違うよ。
土屋 : 志が違う。僕なんか最初にギターを手にしたときから運命的なものを感じて、絶対にこいつ(ギター)と一生を共にするって思ったし。尾崎豊じゃないけど十五の夜に家出して、バイクは盗まなかったけどバンド組んで…(笑)。だからギターの好きな人には聴いてほしいな。弾けるもんなら弾いてみろ!って。
ANZA : 私も音楽がなかったら人生終わったも同然と思ってるんで。アルバムではめちゃめちゃいろんな歌い方を引き出してもらえたし、土屋さんに書いていただいた「FUN FUN FUN」なんか、私という人間の心の奥の扉を開けられてしまったような感覚で、歌入れのとき思わず号泣してしまったほどで「すげーこれがロックだ!」と思った。お母さんに聴かせたら「私の時代の音楽よ」って興奮してたし、妹は「聴いたことないけど新鮮」って言ってた。だから幅広い世代に聴いてもらえると思うんだけど、私はロックを目指している女性ヴォーカルの人とかにも聴いてほしいかな。なかなか夢を見れなくなってきてる時代だけど、きっかけ、ヒントが数々込められているアルバムだから。若い人からおばあちゃんまで、たくさん聴いてほしいですね。

