Tune In 電気グルーヴ Denki Groove

PROFILE
前身バンド"人生"解散後、石野卓球とピエール瀧が中心となり結成。1991年、アルバム『FLASH PAPA』でメジャー・デビュー。1997年にリリースしたシングル「Shangri-La」が50万枚の売り上げを記録する。2001年〈WIRE01〉のステージを最後に活動休止。それぞれのソロ活動を経て2004年に活動再開。〈WIRE04〉と〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2004 in EZO〉に出演を果たす。2005年、スチャダラパーとのコラボレーション・ユニット"電気グルーヴ×スチャダラパー"でアルバム『電気グルーヴとかスチャダラパー』を発表。2006年、〈FUJI ROCK FESTIVAL '06〉ヘッドライナーを務める。2007年12月には8年ぶりとなるシングル「少年ヤング」をリリース。2008年4月には8年ぶり通算10枚目となるアルバム『J-POP』を発表。そして同年10月ニューアルバム『YELLOW』をリリースした。
電気グルーヴオフィシャルサイト
http://www.denkigroove.com/

電気グルーヴ『YELLOW』
電気グルーヴ『YELLOW』
Ki/oon Records 2008年10月15日発売
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 8年間ぶりのアルバム『J-POP』から僅か半年のインターバルで、電気グルーヴが最新アルバム『YELLOW』を完成させた。あくまでマイペースな活動、そして常にリスナーの期待の斜め45度上を行くサウンドと言葉遣いはそのままに、ここ最近はシンプリシティまで獲得している彼ら。ますます軽やかに、楽しく、そして深みにハマる新作について、石野卓球とピエール瀧が語り尽くす。

インタビュー・テキスト=佐藤譲 写真=財津はやと

 8年ぶりにアルバムを出し、半年後にアルバムを出す。ここまで無茶苦茶なスケジュールでアルバムをリリースしてしまうのは、おそらく電気グルーヴぐらいだろう。しかも新作『YELLOW』は、前作『J-POP』のアウトテイク集ではない。『J-POP』リリース後に新たにレコーディングされたまっさらな新曲で構成されたアルバムなのだ。では、この両極端という言葉が相応しいスケジュールは彼らの作品にどのような影響を与えたのだろうか。
『J-POP』はやり残したことがあった。
石野卓球(以下、卓球) :
「8年だと、その間に色々あるから考えるところもあるし、意識しないようにしても意識していているところがどうしても出てくるよね。でも、半年振りだと前回出しているってこともあるし、『前回ほど売れない』っていう頭があるから気も楽っていうかね(笑)。プロモーションの規模にしたって縮小されるし。ねぇ? タイアップにしたって『8年ぶり。よーし頑張んなきゃ!』って言ってるプロモーターの人も6ヶ月ぶりだとさぁ、ヤッパそうもいかないっていうかね(笑)」
 前作『J-POP』はジャーマン・ニューウェイヴを基調としながらも、8年ぶりのアルバムとは思えないほどすっきりした音のフォルムと意味がないようで深みのある言葉の連なりで構成された作品だった。一方、今作『YELLOW』ではアシッドハウスをベースにしたシンプルな曲が多く、言葉の数もぐっと減り、ますます磨き抜かれたものに仕上がっている。
卓球:「音は同じ人が作ってて機材も全く同じだから、共通して出てくるところはあると思う。あとは気分的な問題だよね。さっき言ったように、いい意味で責任感や緊張感みたいなものが無かったんで、そういう部分も音のムードに出ていると思う。これが1年空いてアルバム・レコーディングをはじめるってなると、きっと1年の成果を見せようと欲張ったりするじゃない? でも、今作ではそれがまったくないから(笑)。前回と今回のアルバムで人間的に成長してる部分もまったく無いし、むしろ退化している(笑)。で、敢えてそこの部分にスポットを当てたみたいなところがあるからね」
ピエール瀧(以下、瀧) :
「あと、1年後に作業しても出来る保障がないという(笑)。そもそも8年も空けるつもじゃなかった。空いちゃった訳でね」

卓球:「そうそう。で、1年空けてまたやり始めると、エンジンかかるまで時間がかかるじゃないですか。特に電気グルーヴの場合だと、メンバー2人で楽器を持って、セッションしてみて、勘を取り戻していくものでもないので、エンジンをかけ直すのが大変でね。かけ直しても、必ずしもエンジンがかかる訳でもないし(苦笑)。だから、せっかく8年ぶりにエンジンがかかったなら、そのままの勢いでもう1枚ぐらい作ろうって話なんですよ。前作に、ちょっと言葉足らずというかやり残したと思えるようなところがあったんで」
 では、彼らがスッキリとした旨味に満ちたアルバム『J-POP』で「やり残した」こととはなんだったのだろう? そんな問いには彼らは実に「らしい」答えを返してくれる。
卓球:「ふざけ足りない(笑)」
瀧 :「まぁ、前作はまとまっているけど奇怪な雰囲気がちょっとないよね。歪(いびつ)感というか」
卓球:「なんか『仕事』って感じでしょう? 前作は。でも今回は『遊び』って感じだから。前回の方がサービス精神はあったかもしれないけど、その『サービス精神』の多い方がシリアスに聴こえるっていう。不思議な感じだけどサービスしないほうがいいっていうね(笑)」
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