迷路のような路地に、個性的な店がひしめく街“シモキタ”。今や若者の街としてすっかり定着しているが、駅から10分ほど歩くと、昔ながらの住宅街が残っているのに気が付く。
『現代HEIGHTS』は、そんな静かな住宅地で異彩を放つカフェ&ギャラリーだ。エントランス近くには蛍光灯に照らされた「Gallery Den.ST」、カフェの奥にはやや広めの「Gallery Den」と、2つのギャラリーを用意。映像や彫刻、リトグラフなどの多彩な現代アートを展開している。
カフェとギャラリーの間を仕切るものは、何もない。カフェのイスに座って遠くから眺めるのも、ドリンクを手にしたままギャラリー内を歩き回るのも自由。ここではアートは特別なものではなく、ごく当たり前のものとして日常に溶け込んでいるのだ。
「アートを鑑賞するためにわざわざ出かけるのではなく、たまたま来たら何か面白そうなことをやっている。そんな場所でありたいと思っています」。そう話してくれたのは、店長の藤井教子さん。まだ日本にギャラリーが少なかった時代から、独自の表現をしている作家たちに発表の場を提供してきた。展覧会の予定は、数ヶ月先まで常にいっぱい。内容は2週ごとに変わるから、何度訪れても飽きることはなく、新たな発見がある。
「ゆっくりと過ごせるように」との心遣いから、メニューも充実。150種類のドリンクをはじめ、有機野菜を使ったカレーライス、手づくりのスイーツなどが揃い、“ちょっと一杯”から“きちんと食事”まで対応してくれる。なかでもコーヒーは、専門店顔負けの味わい。ペルーから取り寄せた豆を店長自らブレンドしたコーヒーは、その名も“ふじ・ブレンド”。毎日少しずつ自家焙煎したものを注文ごとに挽くから、いつでも香り高い一杯が楽しめる。
エントランスの手前には、CDショップ「アクアミカンス」も併設している。テーマは、“すごく面白いのに、日本ではあまり知られていない音楽”。東ヨーロッパ系を中心に、日本のメディアではなかなかお目にかかれないものばかりだ。
現代アートとこだわりのコーヒー、そして世界中から集めた音楽。さまざまな出会いが転がっている場所だ。
取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫
1.コンクリート打ちっぱなしの建物を改装。スタッフの手で、シンプルであたたかみのある空間に生まれ変わらせた。
2.カフェスペース内に並ぶボックスにも、数々の作品が展示されている。雑誌「美術手帖」のバックナンバーもずらり。
3.展示内容は2週ごとに変わる。3/26~31には、NPO法人「日本ユーゴ・アートプロジェクト」活動の一環として、ユーゴの映像作家を紹介。
4.CDショップ「アクアミカンス」は、ディストリビューターのロクス・ソルスがプロデュース。一部のCDは試聴もOKだ。
5.「グリルベーコン 焼き野菜添え」735円には、店長の友人が作ったスモーキーワイルドベーコンを使用。塩気をきかせたジュージーな味わいで、「ハートランド」682円にぴったり。
現代HEIGHTS
東京都世田谷区北沢1-45-36
03-3469-1659
13:00~深夜0:00
水
メニューの一例:ふじブレンド(ストロング、マイルド)525円、キャラメルミルクティ630円、カクテル650円~


