数多くのライブハウスやクラブ、中古レコード店が並ぶ下北沢。独自のカルチャーを誇るこの街で25年前から営業を続ける老舗ブルースバーが「STOMP」だ。STOMPとは、足でリズムをとるという意味。思わずSTOMPしたくなるようなご機嫌なブルース&ソウルと、それに合う酒が待つ店である。
オーナーはブルースミュージシャンの近藤房之助さん。店内の内装のほとんどが近藤さんの手造り。煉瓦を砕き、荒々しい面をいかした壁、木の床、手造りの木製のチェアとテーブルなどは実に味わい深く、積み重ねた歴史と時間を感じさせる。そんな居心地のよい空間で楽しめるのは、氏がコレクションする4000枚ものアナログとCD。ひとり客が静かに飲んでいる時にはオーティス・ラッシュなどスローなブルースを、グループ客がわいわいと楽しんでいる時はマーヴィン・ゲイなどのファンクをという具合に、店に立つバーテンダーがその日の気分と客層を見て曲をセレクトしてくれる。Frank Frost、Inez & Charlie Foxxなどのレアものをはじめ、名前も聞いたことがないようなミュージシャンのお宝レコードも眠っているのはさすが、である。
オーナーの近藤さんは、東京にいる時はたいてい毎晩のようにふらりと飲みにくるという。月に1度はライブも開催。30人も入ればぎゅうぎゅうという小さな店内で、まさに目の前で近藤さんのライブを堪能、という夢のような体験もできるのだ。
ちなみに店名には「Hip Music & something」というサブタイトルがついている。ごきげんな音楽と “何か”が待っているという意味である。今回の取材にあたり、オーナーの近藤さんが読者へこんなメッセージをくれた。「とにかく飲みに来て欲しい!」。きっと胸をワクワクさせてくれる“何か”に出会えるはずだ
。
取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫
1-2. 煉瓦と木を基調とした温かみのある店内。小さな店故、端と端に座ったゲスト同士でも話しやすく、すぐに親しくなれるとか。モニターではアルバート・キングやリトル・ウォルターなどのブルースミュージシャンや近藤さんの趣味である自転車の映像が流れる。
3. 壁にはゴードン・エドワーズやスティーブ・クローッパーなど、来店したミュージシャンのサインが。
4. アナログレコードやCDは4000枚ほど所有。
5. カリカリっと焼いたチーズに一味唐辛子やバジルをトッピングした「カリカリチーズ」420円はつまみにピッタリ。泥臭いブルースは茶色い酒と楽しむのが一番なので「バーボン」(630円~)を合わせたい。そのほか、近藤さんが漬けた「自家製梅酒」630円、近藤さん伝授のレシピで作る「ペペロンチーノ」840円、「あたりめ」630円などもおすすめ。
STOMP
東京都世田谷区北沢2-11-4 佐藤ビル地下1階
03-3412-4940
19:00~翌2:00、日曜 18:00~23:00 (18:00~20:00はハッピーアワーで飲み物がすべて500円)
無休
チャージ500円、生ビール500円、バドワイザー520円、ギネス840円、あたりめ630円、ペペロンチーノ840円


