70年代初頭、ロックフリークを熱く魅了した六本木のロックバー「ロックショップJAJU」。「REVERSE」のオーナー、小林真吾さんのロックの原体験は、この店に足繁く通い、スタッフとして働くようになった頃に遡る。
「当時ピンク・フロイドが『ダークサイド・オブ・ザ・ムーン』をリリースし、デヴィッド・ボウイが『ジギー・スターダスト』を出した。素晴らしいアルバムがたくさん誕生し、ロックがひとつのピークを迎えた時期なんです。その世代をリアルタイムで過ごした人やその時代に興味がある人が楽しめるロックバーを作りたくて」
「REVERSE」はそんなオーナーの思いから2009年6月にオープン。店舗一画にはアートスペースがあり、貸しギャラリーとしても営業。昼間は主にフュージョンをBGMに絵画や漆器などのアートとこだわりの珈琲を楽しめるカフェバー、夜はアナログレコードをかけるロックバーとして営業している。
「アナログって空気を通した音というか、音に立体感があるでしょ。バンドのメンバーの立ち位置など、空間まで見えてきそうなんです。そんなアナログレコードの素晴らしさを体験してもらいたいんです」
小林さんはジャズのライブハウスでPAの仕事をしていた経験もあり、音響は抜群。スピーカーは30年前のJBL4311Bを使用。石貼りの壁と低めの天井で反響効果も高い。まるで目の前で生演奏が繰り広げられているかのような臨場感が堪能できる。
また71年に催された伝説の野外フェス、箱根アフロディーテをはじめ、モンキーズやディープ・パープルの武道館公演、イエスの共立講堂公演など、壁にはオーナーが青春時代に通いつめたライブのチケットが飾られている。当時のライブについて、アナログの音色について、熱いロック談義を繰り広げたくなる一軒だ。
取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子
1. 店舗デザインは木工芸家の富田文隆氏によるもの。古材をいかした梁や石貼りの壁が落ち着いた雰囲気。富田氏がデザインしたテーブルも味わい深い。広いスペースを利用し、大人数のグループ客が二次会やパーティーに使うことも多いという。
2. アコースティックなサウンドがアナログで聴くのに最適な「POUSETTE―DART BAND」をはじめ、レコードは約1000枚所蔵している。
3. オーナーの小林真吾さん。
4. 壁面にはオーナーが通い詰めた洋楽ライブのチケットが飾られている。それを眺めるのもまた一興。
5. 「チーズフォンデュ」1200円とワイン800円。
REVERSE
東京都中央区銀座8-12-3 SRビルB1F
03-6228-4844
13:00~20:00(カフェタイム)、20:00~深夜(バータイム)
日曜・祝日不定休
チャージ700円、ビール800円、ワイン800円、焼酎800円~、梅酒800円、ウイスキー800円~


