昭和の香り漂う個性的な店が軒並ぶ新宿ゴールデン街。この街で70年代、80年代の懐かしい音楽を聞きながら、思い切り昔話ができるお店。それがバー・プラスチック・モデルだ。
「曲数で言うと、ここにあるだけでざっと5万曲以上かな。洋楽・邦楽、ジャンルを問わず、オールリクエストでやってます。基本的に80年代って言ってますけど、そこから派生して60年代、70年代の音楽もかけます。昭和50年代のものが多いかな。75~85年ぐらいの。ジュリーの『勝手にしやがれ』もサザンの『いとしのエリー』も、実は70年代後半だったりするし」という店主の関根圭さん。
カウンターにずらりと並んだシングル盤のレコードを、客が自分で探しながらリクエストできるというのもこの店ならではのスタイルだ。レコードはすべて彼自身のコレクション。店に置いてあるのはその一部だという。
「あの当時はもちろんCDなんてなかったんで、自然とレコードばかりなんですけど。どうせなら、その当時に聞いてた音源で聞くほうがいいでしょ。シングル版だとLPと違って手軽に取り出せるし。カセットテープ・バーなんかもできたらいいな(笑)」
ピンクレディーにオフコース、ムーンライダーズ――ジャケットを見ているだけでも、“あの頃”が蘇る。いい意味で“節操なく”流れる音楽が、そこにいる皆の時間を引き戻していく。
「僕が71年生まれなので、80年代は一番多感な頃だったんですよ。しかもその頃って、歌謡曲や日本のロックが一番面白かった気がするし。お客さんとは、音楽を通して“あの頃”の話ができればいいかなと思ってます。例えば、渡辺美里を聞きながら、この曲が流行った頃はこうだったああだったと、みんなで恥ずかしい過去のことを話して、それで清算している感じかなぁ」
いい大人が、かつてオモチャのプラスチックモデルに熱狂した少年時代の顔になってしまう――そんな不思議な店である。客同士で音楽談義に花が咲く光景もそこここで見受けられる。まさに“音楽が主役”のバーなのだ。
取材・文/宮原香菜子 撮影/岡村智明

1.レコード屋のようにシングル盤がずらりと並んだカウンター。8人も座ればいっぱいになってしまう店は、連日立ち飲みが出るほどの盛況ぶり。
2.オープンは5年前。今ではゴールデン街でも知られる名物店に。出版や音楽、映像関係者など業界の人たちも多い。
3.店内奥のDJブースで、関根氏自らがリクエストをつないでくれる。プロジェクターもあり、CMばかりを集めた“当時の最先端な映像”も楽しめる。
4.ハートランド700円。音楽を肴に楽しむ。フードはポテトチップ400円などスナックのみ。チャージが700円、ドリンクは600円から。
Bar plastic model
新宿区歌舞伎町1-1-10
03-5273-8441
月~土20:00~翌5:00、日20:00~翌2:00
不定休
チャージ700円


