東京 大人の遊び場
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webマガジン e-days(イーデイズ)東京 大人の遊び場BAR

ウイスキー樽のスピーカーから流れる、暖かなジャズボーカルに身を委ねる
BAR SOMETHIN’

 浅草は、地元に住むオーナーバーテンダーの個性が息づくバーの宝庫だ。1987年にオープンしたジャズバー「バー サムシン」も然り。オーセンティックバーながら、オーナー大澄慎一さんの個性が息づく、ジャズファンならず、オーディオファンをも魅了する店である。

 米松の一枚板のカウンター、こだわりのシングルモルトが整然と並ぶバックバー、柔らかな照明と、雰囲気はオーセンティックな大人のバーそのもの。しかしバックバーに置かれたモルトのカスク(樽)が異彩をはなっている。実はこれ、オーナーお手製のスピーカーなのだ。

「ホワイトオークの樽は中で音が乱反射し、音色がとてもいいんです。スピーカーの直径は8cmですが、これは人間が口を大きくあけた時のサイズに近い。ソフトなボーカルの曲を聴くのに一番適していると思います。1本何百万円もするスピーカーを持っているオーディオ愛好家のお客様が、よくこれほどの音がでるねえと誉めてくださるんですよ(笑)」

 店ではレコードとCDを計5000枚ほど所蔵。アン・バートンなど白人のボーカルものやピアノトリオなど、静かなジャズがこのスピーカーから流れる。ウイスキー樽から響く音は壁や天井にうまく反響して、さながらホールにいるかのような臨場感だ。ちなみに音を楽しむための特等席は右から4番目のシートだとか。

 場所柄、落語家などのゲストも訪れるという。浅草の香りをほんの少し感じつつ、静かで粋な大人の時間を過ごせる一軒だ。


取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

BAR SOMETHIN’

1. 6メートルもの一枚板のカウンターに10席のみ。店名はブルーノートのレコード「somethin’ELSE」から。
2. アナログらしさを引き立たせる真空管アンプ。5000枚ほどのレコードとCDを所蔵。リクエストだけでなく、持ち込みもできるのがうれしい。
3. 演奏楽曲とプレイヤーの人形がシンクロして動き、アーティストの演奏を再現するリトルジャマー。店内の一角に置かれ、時々奏でさせるという。
4. シェイカーを振るのは、オーナーである浅草出身の大澄慎一さん。趣ある音色を放つウイスキー樽を改造したスピーカーは手造りだそう。
5. カルバドスをベースにした大人のカクテル「ジャック・ローズ」1500円、「チョコレート」500円。つまみはナッツ、チーズなどが中心。

BAR SOMETHIN’

住所 東京都台東区西浅草2-19-1

電話番号 03-3847-0479

営業時間 19:30~翌2:00

休日 日曜・祝日

金額 チャージ700円


ALTECから流れるジャズと金沢の酒と肴に酔う極日常的社交場
Matt

 オーナーの杉本真人さんはラーメン店や和食店で腕をふるっていた経歴を持つ。そんな杉本さんがジャズバーを開く契機となったのは、ALTECのスピーカーとの出会いだという。

「ALTECは劇場や映画館で使用される劇場用のスピーカー。ボーカルの奥深さや本来楽器が持つ音の良さが際立ち、まさに音に酔える名機なんです。もともとジャズが好きだったので、このスピーカーを使って音楽を聴かせるバーが作りたいと思いました」

 かくして2003年、「Matt」がオープンした。コンセプトは、恵比寿の極日常的社交場。居心地のよい気楽なスペースに、いい音楽と、うまい酒、肴がある。そしていつでも気兼ねなくふらりと訪れ、楽しめるというような意味だ。天井には木の蔦が絡まり、壁には障子を思わせるオブジェと、詩人、坂村真民氏による掛軸がかかっている。和風の温かみのある雰囲気に心がゆるりと時ほぐれていく。

 店内の一角に鎮座しているのがALTECのスピーカー。ここから2万曲のストックがあるというジャズが奏でられる。かけるのは杉本さんが好きなピアノトリオを中心に、ボーカルものや80年代のAORなど。リクエストもCDの持ち込みもOKだ。月1ペースで、この極上のスピーカーを使ったジャズやブルースの生演奏も行われるという。音響は抜群だが音楽はあくまでも脇役、というのも「Matt」のこだわり。

「人がいて、日常があって、傍らに音楽がある、というのが店のポリシー。当店に来ると素の自分になれるというお客様が多いんでよ。お客様同士が親しくなることも多く、オープン以来、うちで出会って結婚したカップルは5組もいるんですよ」

 元料理人だけあって、自身の出身地である石川の魚を使った一夜干しなど、ショットバーとは一線を画したフードも充実。石川の「天狗舞」などの銘酒をはじめ、日本酒、焼酎は100種、ワインやシャンパーニュも豊富に揃う。この春から和食に合うシャンパーニュ飲み放題と金沢の食材を使ったイベント「金沢ナイト」も開催予定だという。

 うまい酒と肴と音に酔いに、大切な仲間と出会いに、足を運びたい恵比寿の隠れ家。


取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

Matt

1. 恵比寿駅から徒歩3分ながら静かな隠れ家のような雰囲気。自宅にいるかのような居心地のよさ。
2. 特製の「手ごね金沢バーグ」1200円。肉汁たっぷりで250gとボリュームも大。ふたりでシェアしたい。「天狗舞」1400円、「加賀鳶」900円、グラスワイン900円~、「Matt自家製サングリア」900円など、酒類は充実している。
3. こだわりのスピーカーALTEC。
4. CDを中心にジャズ、ソウル、ブルースをかける。
5. 木と紙を多用した和風の雰囲気が漂う。

Matt

住所 東京都渋谷区恵比寿西1-3-2 東栄ビル6階

電話番号 03-3770-3556

営業時間 19:30~3:00(LO)

休日 日曜

金額 チャージ800円、ビール800円、切りたてハモンセラーノの生ハム1000円、のどぐろの一夜干し1500円~


70年代の熱いロックとこだわりのアートに酔えるカフェ&ロックバー
REVERSE

 70年代初頭、ロックフリークを熱く魅了した六本木のロックバー「ロックショップJAJU」。「REVERSE」のオーナー、小林真吾さんのロックの原体験は、この店に足繁く通い、スタッフとして働くようになった頃に遡る。

「当時ピンク・フロイドが『ダークサイド・オブ・ザ・ムーン』をリリースし、デヴィッド・ボウイが『ジギー・スターダスト』を出した。素晴らしいアルバムがたくさん誕生し、ロックがひとつのピークを迎えた時期なんです。その世代をリアルタイムで過ごした人やその時代に興味がある人が楽しめるロックバーを作りたくて」

 「REVERSE」はそんなオーナーの思いから2009年6月にオープン。店舗一画にはアートスペースがあり、貸しギャラリーとしても営業。昼間は主にフュージョンをBGMに絵画や漆器などのアートとこだわりの珈琲を楽しめるカフェバー、夜はアナログレコードをかけるロックバーとして営業している。

「アナログって空気を通した音というか、音に立体感があるでしょ。バンドのメンバーの立ち位置など、空間まで見えてきそうなんです。そんなアナログレコードの素晴らしさを体験してもらいたいんです」

小林さんはジャズのライブハウスでPAの仕事をしていた経験もあり、音響は抜群。スピーカーは30年前のJBL4311Bを使用。石貼りの壁と低めの天井で反響効果も高い。まるで目の前で生演奏が繰り広げられているかのような臨場感が堪能できる。

 また71年に催された伝説の野外フェス、箱根アフロディーテをはじめ、モンキーズやディープ・パープルの武道館公演、イエスの共立講堂公演など、壁にはオーナーが青春時代に通いつめたライブのチケットが飾られている。当時のライブについて、アナログの音色について、熱いロック談義を繰り広げたくなる一軒だ。


取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子

REVERSE

1. 店舗デザインは木工芸家の富田文隆氏によるもの。古材をいかした梁や石貼りの壁が落ち着いた雰囲気。富田氏がデザインしたテーブルも味わい深い。広いスペースを利用し、大人数のグループ客が二次会やパーティーに使うことも多いという。
2. アコースティックなサウンドがアナログで聴くのに最適な「POUSETTE―DART BAND」をはじめ、レコードは約1000枚所蔵している。
3. オーナーの小林真吾さん。
4. 壁面にはオーナーが通い詰めた洋楽ライブのチケットが飾られている。それを眺めるのもまた一興。
5. 「チーズフォンデュ」1200円とワイン800円。

REVERSE

住所 東京都中央区銀座8-12-3 SRビルB1F

電話番号 03-6228-4844

営業時間 13:00~20:00(カフェタイム)、20:00~深夜(バータイム)

休日 日曜・祝日不定休

金額 チャージ700円、ビール800円、ワイン800円、焼酎800円~、梅酒800円、ウイスキー800円~

URL http://www.reverse-ginza.com


音に酔うか、料理に酔うか・・・。自分仕様の楽しみ方に出合えるジャズクラブ
JZ Brat

 ジャズクラブといえば“マニアや愛好家が集う閉鎖的な場所”というイメージを持っている人、多くありません? しかしこの「JZ Brat SOUND OF TOKYO」は違います。とにかく門戸が広い。入門編として誰もが気軽に入れる、新世代のジャズクラブなのだ。

 その理由はまず、パブリックな場所であるホテルにあるから。位置するのは、渋谷を大人の街に変えた立役者のひとつ「セルリアンタワー東急ホテル」。基本的に予約制だが、ホテルのラウンジを使う感覚でふらりと訪れても、満席でなければ入れる気安さがいい。さらに音楽の間口も広い。

 毎夜繰り広げられるのは、スタンダードジャズを中心に、フュージョン、クラブジャズ、ジャズファンク、ラテン、ボサノバなど。カルチャーの発信基地である“渋谷発のジャズクラブ” ということを意識し、日本のアーティストを中心に、トレンドを敏感に反映したラインナップを心がけている。とはいえ、大御所アーティストのライブもあるから、長年のジャズ愛好家も満足、というワケだ。

 さらに楽しみ方も実に自由。アーティストとの一体感を味わいたいという方には、ステージとフロアが同じ高さにある、最前列周辺のかぶりつき席がおすすめ。対して、マイペースに酒と音楽に酔いたいなら、サックス型ビールサーバーがセクシーなバーカウンターへ。そして生演奏を聴きながらお食事を優雅に楽しみたい場合は、中2階にあるテーブル席がベストだ(席は予約順に決定)。

 離れたシートでも演奏がよく見えるようにと、カウンター後ろの壁面にはライブ映像が投影され、アーティストの指使いや表情まで分かるという心ニクイ演出も。多彩なシーンで自分仕様の楽しみ方を見つけられる、これぞ、オトナのためのジャズクラブだ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

JZ Brat

1. その日の出演アーティストをイメージしたオリジナルカクテル各1000円。出演アーティストからのリクエストや演奏内容からインスピレーションを受けて作られる。
2. 客席とステージに隔たりもなく、とても間近に演奏を楽しめる。
3. レッド、ブルーを基調としたモダンな店内。
4. 渋谷駅近く、セルリアンタワー東急ホテルの2階にあがると、大人の空間へと誘ってくれるエントランスが現れる。
5. キリンラガー ドラフト 800円~。きめ細やかな泡立ちで絶妙なのどごしが味わえる。
6. 出演アーティストのサインが並ぶ。

JZ Brat SOUND OF TOKYO

住所 東京都渋谷区桜ヶ丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2F

電話番号 03-5728-0168(予約受付平日15:00~21:00)

営業時間  月~木曜日 17:30~23:30 (LO23:00)、金~日・祝日 17:30~23:30(LO23:00/クラブイベント開催時は5:00まで営業)
※公演によって開場・開演時間が異なる場合がございますので事前に必ずご確認下さい。
【ライブシステム】
<入替なし>
OPEN 17:30 LIVE 19:30~20:30/21:30~22:00
<入替制>
OPEN 17:30 LIVE 19:00~20:00
OPEN 20:30 LIVE 21:30~22:30

休日 日曜・祝日(各種パーティー・イベント等、プライベート利用可)

金額 ミュージックチャージ4200円~(イベントによって異なる)

URL http://www.jzbrat.com


真空管アンプから流れるディープなブルースとソウルフルなフードが待つ異色空間
Blue SUnya

 芸者が行きかう花街として栄えてきた四谷荒木町。独特の風情が残るこの街のなかでも、車が通れないほど小さな路地が柳新道通り。そんな隠れ家感たっぷりの地に佇むブルースバーが「Blue SUnya」だ。

 煉瓦と木を基調にしたシックな店内は洗練された大人の空間といった趣。壁にはギターやアナログレコードのジャケットが飾られ、真空管のアンプからライトニン・ホプキンズ、サニー・ボーイ・ウィリアムソン、マディーウォーターズ、ロバート・ジョンソンなどの温かみのある音色が流れている。所蔵するのはアナログレコード約300枚とCD数100枚。壁に設えられた棚からゲストが好みのレコードを選んでかけてもらうなどという、ご機嫌な体験もできる。

 マスターの藤岡善信さんはかなり異色の経歴の持ち主だ。本業はなんとお坊さん。ボクサーからお坊さんに転じ、さらに9年前には同じ荒木町に「坊主バー」をオープン。昼間は浄土真宗本願寺派僧侶として、夜はマスターとして活躍。そしてもうひとつのブルース好きという顔をいかすべく、3年前に「Blue SUnya」をオープンしたのだ。

「苦しみを肯定し、そのまま歌うのがブルース。苦しみと向き合い、そのまま受け止める仏教と同じだと僕は考えているんです。ブルースが根本に持っている感情のマグマみたいなものがすごく好きなんですよね」と藤岡さん。禅寺を思わせるミニマムな空間でディープなブルースに身を委ねていると、心が浄化されるような気分になるから不思議だ。

 日本のソウルフードである玉子かけご飯をアレンジしたものなど、ユニークなフードメニューも魅力のひとつ。なかにはコオロギやカイコサナギを盛った「昆虫の三種盛り」や20年ものの「ハブ酒」など、超珍メニューも待っている。ディープなブルースとソウルを鷲摑みするような酒とつまみ。そんなひと味違った体験が待っている。


取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子

Blue SUnya

1. 柳新道通り沿いに隠れるように佇む。客層は40代のサラリーマンやカップルが中心。圧倒的に男性客に人気が高いという。
2. 壁にはギターやアナログジャケットが飾られている。
3. 温かみのある音を奏でる真空管アンプ。40、50年代を中心に、デルタ、シカゴ、アーバンブルースを流す。
4. マスターの藤岡さん。月に1回、藤岡さん自らマイクを握るブルースライブも開催される。
5. パセリや生ハム、トマト、バター、玉子を混ぜたイタリアンテイストの「玉子かけご飯」700円。ピオーネを使った「フレッシュフルーツのカクテル」900円。後ろにあるのは秘蔵のハブ酒。

Blues BAR Blue SUnya

住所 東京都新宿区荒木町9 正起ビル1階

電話番号 03-3358-0188

営業時間 19:00~翌3:00

休日 日曜・祝日

金額 チャージ500円、フレッシュフルーツのカクテル900円~、アンチョビオリーブ500円、プロシュート生ハム700円

URL http://bluesunya.com


ジャズライブから落語、文学トークまで。ディープな大人の遊びが満載
KENNY'S BAR

 池袋に93年にオープンしたジャズバー「ケニーズ バー」。木の温もり溢れる店内は、ピアノとウッドベースが置かれたステージ、マスターと言葉を交わせるカウンター席、ゆったり座れるスツール席などから成る。JBLD131のスピーカーから流れるのは1000枚ほどのアナログとCDからセレクトしたジャズ。特に50~70年代、ハード・バップ以降のジャズが中心で、リクエストも受けつけてくれる。濃密な雰囲気ながら、肩肘張らず、気楽に過ごせるのがこの店の魅力である。

 「ジャズバーやジャズ喫茶って敷居が高いイメージがありますよね。でもうちは違う。ジャズを知らないお客様も気軽に楽しめ、一日の疲れを癒せる。そんな場所にしたいんです」

 マスター片倉健さんのそんな思いが手伝ってか、「ケニーズ バー」は単なるジャズバーにはとどまらない魅力に溢れている。その証拠に、様々なアーティストや文化人がこの店に集ってくるのだ。常連客のなかには金原亭馬遊、柳家喬太郎などの落語家も。その縁あって、年に4回は「kenny’s寄席」を開催。さらに早大教授・講師や文芸批評家による「小林秀雄論」「ヘンリー・ミラーとジョージ・オーウェル」など、文学トークライブも開かれる。

 もちろん本業のジャズライブも充実。「スウィングジャーナル」誌批評家投票ボーカル部門第一位にも選ばれた丸山繁雄氏をリーダーとするジャムセッションをはじめ、ライブは定期的に開催。常連客で作ったバンドのライブなども催される。

 ジャズと落語と文学。一見異なるようで、ディープでマニアックな世界は、どこか大人を魅了する共通点があるのだ。客層はひとり客が圧倒的に多いという。自分の好きな愉しみ方を見つけたい。「ケニーズ バー」はそんな大人にとって居心地のいい遊び場なのだ。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子

KENNY'S BAR

1. 落ち着いた雰囲気の店内。月に数回ライブを開催。ジャムセッションは参加自由で、ピアノ、ドラム、ベース以外は楽器を持参する。このセッションを通して仲間が増え、常連客同士でバンドを組むことも。そのほか貸切りライブもできる。また店ではCD「米田正義クインテット/オン グリーン ドルフィン ストリート」を製作・発売し、彼らのライブを毎月開催。
2. マスターの片倉健さん。背景の絵は自身の作品。
3. ランプやロゴ入りミラーなど、味わい深い調度。
4. アナログレコードとCDは約1000枚所蔵。
5. ハムとサラミ盛り合わせ」500円と「ウイスキー」600円~。メニューの内容は日替わり。

KENNY'S BAR

住所 東京都豊島区池袋2-63-6 パレスガーデンミラノ1階

電話番号 03-5391-1073

営業時間 19:00~翌1:00

休日 日曜・祝日

金額 チャージ500円、ライブチャージ1500~3500円、チーズ盛り合わせ500円~、ハムとサラミ盛り合わせ500円、ハイネケン600円、生ビール500円

URL http://www.kennys.jp/


気取らない雰囲気とプライスが魅力。六本木のど真ん中にあるジャズバー
JAZZ CAFE LONDON

 六本木交差点からすぐ。驚くほど便利な場所にある一軒のバー。それが、『JAZZ CAFE LONDON』だ。英国のバーを手本にデザインされた、シックで重厚な内装。落ち着いた大人の雰囲気に、テレビモニターから流れるスポーツ中継が適度なざわめきを加える。

 品があるのに、格式張っていない。だからこそ、この店にはリピーターが多い。ある人は待ち合わせに、ある人は1人で飲むために、またある人は〆の一杯をたしなみに。日常のひとコマを過ごす場所として、気軽に足を運んでいるのだ。

 大人を満足させてくれる小道具も、ひととおり揃っている。まずはお酒。シングルモルトやブランデーはもちろん、イギリスから取り寄せた“禁断のリキュール”、アブサンも用意。モエ・エ・シャンドンなどの高級シャンパンも、六本木のど真ん中とは思えない手頃な価格で楽しめる。

 BGMはもちろん、ジャズが中心。スタンダードから現代まで約2000枚のコレクションがあり、自在にリクエストができる。深夜になると、マイケル・ジャクソンや矢沢永吉、寺尾聡の曲がかかることもあるとか。遊び慣れた大人ならではの、自由な選曲が楽しい。

 愛煙家のためには、葉巻が用意されている。ここでは、十分に熟成させた葉巻をスイスより直輸入している。種類は常時2~3種と少ないが、珍しい葉巻との出会いも期待できるだろう。

 不定期でジャズやR&B、ポップスのライブも行うが、チャージやサービス料はいっさい不要。いつでもリーズナブルに過ごせる安心感が、訪れる者の足取りを軽くする。こんな店を知っていれば、六本木の夜がもっと楽しくなるに違いない。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

JAZZ CAFE LONDON

1-3. 重厚な椅子が並ぶカウンター席のほか、円形のテーブル席、ゆったりとしたソファ席と、座席の種類が。人数や用途に応じて選べるのが嬉しい。
4. 1本1本職人が手づくりした葉巻を輸入し、ヒュミドールで厳重に保管している。キューバ産の「COHIBA」をはじめ、世界の逸品を提供。
5. 「宮城県女川産の最高級生ガキ」1300円(3ピース)は冬季・週末だけの限定メニュー。1ピース(450円)から注文できる。銅のマグカップに入った「モスコミュール」1200円は、生のしょうがを使った女性に人気のカクテル。

JAZZ CAFE LONDON

住所 東京都港区六本木4-9-5 ISO六本木ビルB1

電話番号 03-3401-7474

営業時間 18:00~翌6:00(日曜・祝日は~深夜3:00)

休日 1/1~3のみ

金額 モエ・エ・シャンドン(グラス)1200円、アブサン(ショット)2000円~、シングルモルト1200円~、ベルヴェデール1100円~

URL http://www.jazzcafelondon.com/


50年代の名盤を特注スピーカーでプレイ。下町の路地裏に佇むジャズバー
La Cuji

 根津の路地裏には、昭和が息づいている。戦災を免れた古い民家、昔ながらの商店に並ぶ金ダライ、静けさの中に響く子供たちの声……。時が止まったかのような通りを歩いていると、モダンな町家が視界に飛び込んでくる。2007年にオープンしたばかりのジャズバー『La Cuji』だ。

「かけるレコードは、ジャズの黄金期と呼ばれた1950年代のものが中心。いわゆる名盤中の名盤が多いですね」と話すのは、マスターの坂井さん。5代続いた老舗すき焼き店のオーナーから転身し、若い頃から夢見ていたジャズの店を開いた。前職での経験を生かし、家庭料理をはじめジャンルにこだわらない料理を提供。“安くて美味しい”を基準に選んだワインや焼酎、バーボンなど、酒の種類も豊富だ。

 「ジャズはあくまでBGMで、主役はお酒。お酒のつまみとして、ジャズを楽しんでいただければ」と話すが、音質へのこだわりは強い。スピーカーユニットは、「1950年代のジャズを楽しく聴けるような音を作って欲しい」と、職人に作らせた特注もの。「みんなでお酒を飲んでバカ話をしながらも、心のどこかに音楽が引っかかってくれたら嬉しい」との言葉に、ジャズを愛する男の矜持が見える。

 建築物としても、一見の価値がある。まだ新しいのに風格が漂っているのは、隅々まで“ホンモノ”にこだわっているから。カウンターテーブルはもちろん、ボトルが並ぶ棚やトイレの洗面台にもチークの一枚板を使用。椅子とテーブルの高さや角度は、客が心地よく座れるよう計算しつくされている。2500枚以上あるレコードをあえて棚の中に隠すなど、威圧感を感じさないための工夫もニクい。

 場所柄、地元の常連客が多いため、最初は躊躇するかもしれない。だが、遠慮は無用。「下町の人は気さくだから、初めての人でもすぐ仲良くなれますよ」とマスター。下町の雰囲気に満ちた店で、心ゆくまでジャズに酔いたい。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

La Cuji

1. シンプルな中にも重厚感が漂う内装。店内の絵画やオブジェは、マスター自ら地元の展覧会を巡り、買い集めた。
2. スピーカー作りの名人に注文したスピーカー。アルテックのスピーカーユニットに、JBLの高音部を組み込んでいる 3. 気さくな人柄で根津の人々に親しまれているマスター。「たまに店を閉めると、お客さんに怒られるんですよ」と笑う。
4. 町屋をイメージした建物。不忍通りから一本入った、静かな路地にある。
5. 飲むと誰もが“沈没”すると評判の『タイタニック』700円。アブサンとグレープフルーツ果汁にブルーキュラソーを加え、船をかたどった氷を浮かべた力作だ。入手困難なイベリコジョータの生ハム『チョリソイベリコ』は550円。

La Cuji

住所 東京都台東区谷中1-2-18 マツダフラット1F

電話番号 03-3823-4015

営業時間 17:00~23:00、(土・日曜15:00~21:00)

休日 火曜・祝日

金額 グラスワイン550円~、バーボン500円~、カクテル600円~


足でリズムをとりたくなるような、ご機嫌なブルースと“何か”に出会える
STOMP

 数多くのライブハウスやクラブ、中古レコード店が並ぶ下北沢。独自のカルチャーを誇るこの街で25年前から営業を続ける老舗ブルースバーが「STOMP」だ。STOMPとは、足でリズムをとるという意味。思わずSTOMPしたくなるようなご機嫌なブルース&ソウルと、それに合う酒が待つ店である。

 オーナーはブルースミュージシャンの近藤房之助さん。店内の内装のほとんどが近藤さんの手造り。煉瓦を砕き、荒々しい面をいかした壁、木の床、手造りの木製のチェアとテーブルなどは実に味わい深く、積み重ねた歴史と時間を感じさせる。そんな居心地のよい空間で楽しめるのは、氏がコレクションする4000枚ものアナログとCD。ひとり客が静かに飲んでいる時にはオーティス・ラッシュなどスローなブルースを、グループ客がわいわいと楽しんでいる時はマーヴィン・ゲイなどのファンクをという具合に、店に立つバーテンダーがその日の気分と客層を見て曲をセレクトしてくれる。Frank Frost、Inez & Charlie Foxxなどのレアものをはじめ、名前も聞いたことがないようなミュージシャンのお宝レコードも眠っているのはさすが、である。

 オーナーの近藤さんは、東京にいる時はたいてい毎晩のようにふらりと飲みにくるという。月に1度はライブも開催。30人も入ればぎゅうぎゅうという小さな店内で、まさに目の前で近藤さんのライブを堪能、という夢のような体験もできるのだ。

 ちなみに店名には「Hip Music & something」というサブタイトルがついている。ごきげんな音楽と “何か”が待っているという意味である。今回の取材にあたり、オーナーの近藤さんが読者へこんなメッセージをくれた。「とにかく飲みに来て欲しい!」。きっと胸をワクワクさせてくれる“何か”に出会えるはずだ 。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

STOMP

1-2. 煉瓦と木を基調とした温かみのある店内。小さな店故、端と端に座ったゲスト同士でも話しやすく、すぐに親しくなれるとか。モニターではアルバート・キングやリトル・ウォルターなどのブルースミュージシャンや近藤さんの趣味である自転車の映像が流れる。
3. 壁にはゴードン・エドワーズやスティーブ・クローッパーなど、来店したミュージシャンのサインが。
4. アナログレコードやCDは4000枚ほど所有。
5. カリカリっと焼いたチーズに一味唐辛子やバジルをトッピングした「カリカリチーズ」420円はつまみにピッタリ。泥臭いブルースは茶色い酒と楽しむのが一番なので「バーボン」(630円~)を合わせたい。そのほか、近藤さんが漬けた「自家製梅酒」630円、近藤さん伝授のレシピで作る「ペペロンチーノ」840円、「あたりめ」630円などもおすすめ。

STOMP

住所 東京都世田谷区北沢2-11-4 佐藤ビル地下1階

電話番号 03-3412-4940

営業時間 19:00~翌2:00、日曜 18:00~23:00 (18:00~20:00はハッピーアワーで飲み物がすべて500円)

休日 無休

金額 チャージ500円、生ビール500円、バドワイザー520円、ギネス840円、あたりめ630円、ペペロンチーノ840円

URL http://www.ac.auone-net.jp/~stomp/


しびれるギターソロやブルースの魂を持つ、大人のROCKをJBLのスピーカーで堪能
TEXAS FLOOD

 明治から昭和中期まで花街として栄え、今もなお車が通れないような路地に小料理屋やジャズバーなど、粋な店が並ぶ四谷荒木町。そんなノスタルジックな香り漂う大人の街に「TEXAS FLOOD」は2003年、オープンした。

 マスターの関根章さんは、伝説のロックフェスがアメリカで開催された時に御年20歳というウッドストック世代。「自分の好きな音楽をかける店を作りたい」という夢を叶えるために脱サラ。大人のためのロックバーをこの大人の街に作った。

 店名は伝説のギタリスト、スティービー・レイ・ヴォーンのアルバム・曲名である「TEXAS FLOOD」から。その名からも分かるように、ブルースの魂を持ち、しびれるようなギターソロを持つロックを中心にかける。

 ロックバーの命は選曲ということで、かける曲には一家言持っているそう。リクエストは不可。有名アーティストやヒット曲もほとんどかけない。マスターが独自に編集した「てきふらBGM用編集盤」から、その日の気分や雰囲気でセレクトして流す。スーザン・テデスキなど格好いいブルース・ロック女性シンガーの曲が並ぶ「粋なねえちゃん」集、スティービー・レイ・ヴォーンやエアロスミスによるカヴァーからなる「ビートルズ」集など、現在43番まで編集済み。最新盤にはマザーソウル・ブルース・バンド、サイモン・マクブライドなどが収録されている。

 スピーカーは低音のよさに定評のあるJBL4312B。スピーカーから流れる音が空気を震動させ、木を基調にした店内に、そして体全体に心地よく響く。その振るえに全身で酔うのも大人ならではの楽しみだ。そんなこだわりの空間を愛するのはやはり大人の男性。客の9割が男性客なのだとか。中高年バンドや復活バンド、臨時バンドなど、お客さんバンドを集めた「てきふら企画ライブ」を近隣のライブハウスで開くなどユニークな企画も。大人のロック心を満たしてくれる一軒だ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

TEXAS FLOOD

1. ダーク調の木をベースにした内装はマスターのデザイン。椅子やカウンターの高さ、隣の席との間隔にいたるまで、1cm単位で細かく設計。とにかく大人がくつろげるようにと心をくばって作られた。
2. 店内にはアーティストの写真やギターが飾られている。店名の由来でもあるスティービー・レイ・ヴォーンの「TEXAS FLOOD」のジャケット。その左にあるのはスティービーがかぶっているのと同様のハット。
3. コーヒー豆の風味をプラスした自家製の「コーヒー焼酎」と「コーヒーウォッカ」各650円。
4. マスターの関根章さん。
5. JBLのスピーカー。大音量で1日9時間×6年間使い続けている故、音がやわらかくなったのだとか。特にベースラインが美しく聴こえるという。

ROCK BAR TEXAS FLOOD

住所 東京都新宿区荒木町7 丸山ビル2階

電話番号 03-3351-2969

営業時間 19:00頃~翌4:00頃、日曜・祝日19:00頃~23:00頃(要電話確認)

休日 日曜・祝日不定休

金額 チャージ700円、ハイネケン750円、オリーブ500円、スモークチーズ500円、ポテトサラダ(本日はありますという札がさがった日のみ)400円

URL http://www2.odn.ne.jp/~texasflood


燃えサントラと泣きロックが流れる、とんだ一杯喰わせ物施設!?
新橋人形の館

 赤提灯や立ち飲み屋が並ぶ、サラリーマンの聖地・新橋。その一角に佇む雑居ビルの地下へ、急な階段を下りる。黒い引き戸を開けると、わずか4.5坪の濃密な小宇宙が現れる。「新橋人形の館」である。

 入口付近ではハードロックバンドKISSのメンバーのマスクがお出迎え。カウンターに鎮座するのは映画「ヘルレイザー」のキャラクター・ピンヘッドのブロンズの胸像や「プレデター」のフィギア。棚のなかには、KISSのアルバム「ラヴ・ガン」のジャケットのジオラマ、金色に光るモデルガン「モーゼル」や「デリンジャー」が恭しく鎮座している。そして爆音でかかっているのはハードロックとへヴィメタル、そして映画のサントラ。「一体どこに迷い込んでしまったのだろう…」。誰もがそんな不思議な気分になるはずだ。

 オーナーの伊藤さんは2007年に「自分の好きな中国茶とウイスキーを楽しむ店を作りたい」とこの店をオープン。「ボンクラ魂を鷲摑みにする燃えサントラと泣きロックを聴きながら、ウイスキーと中国茶を嗜むまったり酒場。雰囲気作りのために店には一風変わった品々を陳列。とんだ一杯喰わせ物施設で飲む雰囲気…」というのがこの店のコンセプトだとか。

 ロックフィギアや映画グッズに囲まれ、エリック・クラプトンやジェフ・ベック、KISSなどの音楽に身を委ねる。酒を飲んだ後に中国茶でシメても、最初からお茶のみでも、もちろんウイスキーだけでもOK。この小宇宙では、中国茶もウイスキーもどちらもよく似合うのがなんとも不思議である。

 営業はDUSK(夕暮れ)からDAWN(夜明け)まで。運がよければ、ご縁があれば入れるよ、というスタイルもまた一興。誰も知らない自分だけの隠れ家を持つ。そんな大人ならではの嗜好を満たしてくれるに違いない。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子

新橋人形の館

1. コンクリート打ちっぱなしの壁に黒と赤のチェアがアクセントとなった、わずか4.5坪の宇宙。ゲストは意外にも上品なサラリーマンが中心。女性の一人客や看板を見て引き込まれるように来店する人も。
2-3. KISSのアルバム「ラヴ・ガン」のジャケットのジオラマやモデルガンが飾られている。
4. 映画「ヘルレイザー」のピンヘッドのブロンズの胸像をはじめ、様々な映画グッズに出会える。
5. 中国茶は700~1000円、台湾高山茶や花が咲く工芸茶、安渓鉄観音などを伊藤さんが煎れてくれる。おみくじ付きの「宇宙人クッキー」200円は伊藤さんのお手製。向かいにある居酒屋「はっさん」のフライドポテト、コロッケ、厚揚げ、串焼きなどのデリバリーもOK(22時まで)。シングルモルト、ブレンデッド、アイリッシュなど、ウイスキーも充実。

新橋人形の館

住所 東京都港区新橋4-18-4 十合ビル地下1階

電話番号 080-5508-4184

営業時間 FROM DUSK(夕暮れ) TILL DAWN(夜明け)(23:50で無人の場合は閉店)

休日 不定休

金額 チャージ400円、バドワイザー900円、ハイネケン900円、ギネス900円、中国茶700円~、宇宙人クッキー200円

URL http://www.geocities.jp/bar_ningyou/index.html


ロックから昭和歌謡、お笑い、占いまで、大人を魅了するディープな楽しみが満載!
渋谷GABIGABI

 イカ天(80年代後半に一生を風靡した音楽番組「三宅裕司のいかすバンド天国」)にバッキングガム宮殿というバンドで出演し、ファン投票1位を獲得。その後、バンド、ソロ活動を行い、LISAや梓みちよなどのアーティストに楽曲を提供。超人気音楽コミック「BECK」の千葉恒美の実在モデルとしても知られるのが、「渋谷GABIGABI」のオーナー、千葉大輔さんだ。この店は、千葉さん所有のレーベルGABIGABI Recordsプロデュースのロック専門カフェ&バーとして2005年にオープンした。

「ミュージシャンの居場所を作りたくて。そしてアーティストとそのファンだけでなく、音楽が好きなあらゆる人々が出会う場所を作りたかったんです」と語るように、この店は音楽好きを魅了する様々な楽しいことの宝庫である。まずユニークなのが、ROCK店長やDJ、店の雰囲気、客層が毎日違うことだ。若い女性スタッフが待つ月曜日はへヴィメタルがBGM。千葉さんが店に立つ火曜日は、熱いロックスピリッツを持つ占い師による占いやDJプレイなど、バラエティ豊かな催しが楽しめる。水曜日はDJ拳によるグランジ系のイベントを開催。木曜日はお笑い芸人によるライブ。そして再び千葉さんが店を守る金曜、土曜はロックやブルース、昭和歌謡などのライブ。日曜日はカフェ系ミュージシャンによるアコースティックライブ…という具合。

 一軒の店の話とはとても思えないバリエーションである。なかでも特筆すべきが、第一火曜日開催のイベント「エゴッタマンの一曲入魂」。お客さんがライブに飛び入り参加し、一曲に魂を込めてプレイするというイベントだ。楽器を貸してくれるので、手ぶらでも参加OKだ。これをきっかけに、ギターを始めた人もいるとか。一週間通えば、必ず自分の好きな楽しみ方に出会える。まさに音楽好きのための聖地なのだ。

「お客さんの7割が元ミュージシャンやミュージシャン。ライブやアーティストの写真を撮っていたり、ロックTシャツのデザインをしている人もいます。当店のスタッフはみな気さくなので、お客さんとはすぐに親しくなります。スタッフとお客さんが一緒にバンドを組むなんてこともよくあるんですよ」 生まれ育った地である渋谷から新たなムーブメントを起こすべく、イベント企画や新人発掘にも尽力する千葉さん。「渋谷GABIGABI」は、そんな千葉さんの音楽への愛が詰まった空間なのだ。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子

渋谷GABIGABI

1. ミュージシャンや音楽関係者、外国人などに愛される店。座りきれず、スタンディング客で賑わうことも。
2. 客が撮影したミュージシャンのポートレートやギター、CDジャケットなどが飾られている。店内一角に設えられたステージでは、間近でDJのプレイやライブを楽しむことができる。ライブのチャージが基本的にフリーというのも大きなこだわりだ。
3. オーナーの千葉大輔さんは火・金・土曜の担当。
4. 月曜日に店を守るミナミさんとフミエさん。
5. 某TV番組のカレー選手権で準優勝となったカレー名人から伝授されたレシピで作る「特製カレー&ライス」800円。ギネス<樽生黒>650円と相性抜群!

渋谷GABIGABI

住所 東京都渋谷区道玄坂1-13-3 MST道玄坂2階

電話番号 03-3463-5538

営業時間 19:00~翌2:00(LO)、月・金のみ11:30~17:00も営業

休日 無休

金額 チャージ300円(スタンディングはフリー)、ギネス<樽生黒>650円(3/4pt)、ハーフ&ハーフ650円(3/4pt)、オリジナルカクテル(ジミヘン、ジョン・レノン、シド・ヴィシャスなど)800円、ミックスナッツ500円、特製ピザ700円

URL http://www.gabigabi.jp


泥臭いロック&ブルースとノージャンルのライブに酔える
BARREL HOUSE

 マスターの園山聡さんは、元は料理人。閉店するジャズバーを引き継ぐ形で、1995年、池袋にロック&ブルースバー「バレルハウス」をオープンした。CDとアナログレコードを計2000枚ほど所有。店内にはローリング・ストーンズのデッカ時代の原盤や、ブルースやR&Bといった黒人系レーベルの珍しいアナログジャケットが飾られている。スピーカーはJBL4312MkⅡ。そんなこだわりの空間で、60年代後半~70年代初頭のロックやブルースを中心に、民族音楽なども楽しむことができる。

「ロックとブルースをかけることにしたのは僕が好きだったから。今年で14周年。長く続けてこられたのは、ひとえに僕が音楽好きだったからだと思います」と笑う園山さん。「バレルハウス」の大きな魅力のひとつが、週一ペースで開催されるライブだ。それもブルースやラグタイムの弾き語りからニューオリンズ系ブラスバンドやジャズ、ジプシー音楽と舞踊のコラボなど、多彩な内容を誇る。園山さんが音楽好きだからこそ、これらの出演ミュージシャンと出会えたのだという。

「当店のライブに出てくれるのは、よく飲みにいくジャズバーのマスターに紹介されたり、ライブを観にいって親しくなったミュージシャンばかり。音楽を通して出会ったミュージシャンとの繋がりがあるからこそ、当店があるのだと思っています」

 ライブは投げ銭スタイル、もしくは割安のミュージックチャージで楽しめるのも、今の時代にうれしい特徴だ。音楽を通した人々との強い繋がりは店の雰囲気にも通じている。ゲストの大半が1人客で客同士が親しくなるケースも多いという。ミュージシャンやダンサーが訪れることも多く、夜が更けると自然と弾き語りを始めたり踊り始めたり…なんてこともあるとか。

 つまみと酒もこの店の魅力。園山さんは瀬戸内海は山口県出身なので、時には刺身や〆サバ、一夜干しなど、魚介類がメニューにのぼることも。ドリンクは、ビールはもちろん、蔵元直送の本格焼酎や日本酒も充実。泥臭いロック&ブルースとともに自分のスタイルで酔いしれたい。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

BARREL HOUSE

1. 20坪の店内はカウンター、ソファ席、ステージからなる。JBL4312MkⅡのスピーカーが鎮座し、壁にはギターやアナログのジャケットが飾られている。
2. ウスターソースにじっくり漬けることで臭みをとった「レバーソース漬け」500円と「自家製ぬか漬け」400円、「ハートランド樽生」600円。元コックの腕前をいかした本格カレーやパスタなども揃う。
3. ギター一本で弾き語り、「バレルハウス」に定期的にライブ出演するブルースミュージシャンROIKIさん(左・問い合わせ03-3391-5048)と園山聡さん(右)。ステージ奥の壁にはアーティストがライブペインティングで書いた作品が掲げられている。
4. DECCA盤のストーンズの「FIVE BY FIVE」。
5. 2000枚ものCDとアナログからマスターがセレクトしたものを流す。

バレルハウス

住所 東京都豊島区池袋2-22-5 東仙第2ビル2階

電話番号 03-3986-2871

営業時間 19:00~翌4:00(LO)

休日 日曜不定休(ライブがある日は営業)

金額 チャージ300円、チキンライス800円、栃尾揚げ400円、ゆずこしょうのペペロンチーノ700円、ハートランド樽生600円、キリンクラシックラガー600円、ギネス800円

URL http://www.barrel-house.net


“ジャズ好きの親子がカウンターに立つ、我が家のようなぬくもりに満ちた一軒
Jazz Inn Uncle Tom

 世にジャズバーは数あれど、「アットホームさ」という点で群を抜いているのが、三軒茶屋の『Jazz Inn Uncle Tom』。1977年の開店以来、独特の雰囲気を守り続けている小さな老舗だ。

「僕の親父は、いわゆる“私語禁止”のジャズ喫茶が嫌いだったんですよ。だから、ジャズを楽めておしゃべりもでき、お酒も飲める。そんな店を作ったんです」。そう話すのは、マスターの“てっぺいさん”。偏屈だけど、物知りで暖かい。皆に愛された父親の“アベちゃん”が旅立った後、22歳の若さで店を引き継いだ。「マスターになるまではジャズの“ジャ”の字も知らなかったんです」と笑うが、常にジャズが流れる家庭で育ったことから選曲眼は確か。約2000枚のレコードから、その日の客層や雰囲気にぴったりと合った1曲をかけてくれる。

 マスターとともにカウンターに立つのが、ママの“おスミさん”だ。こちらは、出産の前日に武道館のジャズライブに出かけたという、筋金入りのジャズフリーク。とはいえママの好みは、正統派のジャズを愛するマスターとは少々異なる。「実は私、フリージャズが好きなのよ。でも、フリージャズは苦手っていう人が多いでしょう? だから、いつもレコードをかけると息子に怒られるのよ」とお茶目に笑う。料理好きの彼女が作る『手作りハンバーグ』も絶品で、夕食がてらジャズを楽しみに来る人も多い。

 常連客は、「ただいま。なにかある?」と言いながら店を訪れる。まるで、我が家に帰ったかのような安心感。初めての客も、数時間で店に馴染むことが多いという。やさしい空気に身を任せて、とことん酔いたくなる一軒だ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/田頭真理子

Jazz Inn Uncle Tom

1-2. 1999年9月に改装。それまで2階にあった店を1階に移転させた。「移転前は、隠れ家というよ り物置小屋のような雰囲気でした(笑)。以前に比べると、入りやすくなったと思います」とはマスター の弁。
3. アンプは3代目のSANSUI AU-α707NRA、ターンテーブルは2 代目のDENON DP-1200、スピーカ ーは2代目のJBL 4312XPを使用。
4. ママとマスターは、実の親子。息の合ったトークで、場を和ませてくれる。おすすめの曲を質問してみるのもいいだろう。
5. 「手作りハンバーグ(サラダ付き)」750円は、柔らかくて肉汁たっぷり。オリジナルソースが味の決め手だ。「テキーラサンライズ」は750円。

Jazz Inn Uncle Tom

住所 東京都世田谷区太子堂1-15-15

電話番号 03-3410-7903

営業時間 18:00~深夜1:00(LO)

休日 無休

金額 アルコールチャージ600円(ソフトドリンク、食事のみの場合はノーチャージ)。ウイスキー600円~、焼酎650円~、日本酒600円~、手挽きホットコーヒー500円、卵 とチーズの味噌おじや600円

URL http://jazzuncletom.web.fc2.com/


“パラゴン”と真空管アンプで名盤を聴く大人の酒場
JAMMIN

 交通量が多く、活気あふれる目黒通り。この通り沿いに、仕事帰りの大人たちが息抜きに訪れる一軒の店がある。クラシックな木目調の家具で統一された、ジャズバー「JAMMIN’」。扉を開くと正面には伝説のスピーカー“パラゴン”が鎮座。カスタムメイドの真空管アンプが奏でる音色は、アナログならではのぬくもりに満ちている。

「1930年代から現代まで、3000枚以上のレコードと1000枚以上のCDを揃えています。とくにハード・バップやピアノ、ヨーロッパ系が充実していますね。ジャズの範疇であれば、持ち込みも歓迎です」と話すのは、マスターの大石哲夫さん。約5年前、20数年間のサラリーマン生活にピリオドを打ち、青春時代から愛聴しているジャズの店を開いた。「CDよりもレコードの音の方が好きなんです。とくに、昔録音されたレコードは、音に厚みがあるし迫力が違いますよ」。パラゴンと真空管アンプの組み合わせで、名盤を聴く贅沢。仕事の疲れも、吹き飛ぶに違いない。

 レコードだけでなく、生演奏を聴くチャンスも豊富だ。毎週金曜にはピアノソロが楽しめるほか、土曜には不定期で少人数のバンドが演奏。また、毎月2度(第1水曜19:30~23:00、第2日曜14:00~16:00)はジャズのセッションを、毎月1度はノージャンルのセッションを開催している。「最近、楽器を習い始めた」という人も、腕試しに参加してみるといいだろう。

 良質なジャズとともに楽しめるのは、ウイスキーやラムなど100種類以上揃ったアルコールメニュー。現地から空輸した食材や築地で仕入れた魚介を使った、本格的なイタリア料理も用意されている。ジャズ・マニアはもちろん、酒好きやグルメも満足させてくれる。そんな、懐の深い店だ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/田頭真理子

JAMMIN

1. 店内正面に鎮座するスピーカー“パラゴン”。流麗な曲線は、思わず見とれてしまう美しさ。
2. 店内にはプロジェクターを設置。レコードを聴かせるのはもちろん、ジャズのライブ映像や昔の映画作品などを放映している。
3. カスタムメイドの真空管アンプを使用。
4. 「1950年代前半のビバップが、一番好きですね。チャーリー・パーカーやバド・パウエルを、尊敬しています」と語るマスター。
5. 「生ハム&チーズ」1050円。イタリアから空輸した高級モッツァレラチーズと生ハムは、「グラスワイン」700円との相性が抜群だ。

JAZZ CAFÉ DINING BAR JAMMIN’

住所 東京都目黒区柿の木坂1-30-19 グレース柿の木坂2F

電話番号 03-5731-5336

営業時間 18:00~深夜0:00、土・日・祝13:30~深夜0:00

休日 無休

金額 18:00以降はテーブルチャージ500円、ミュージックチャージはイベントにより異なる

URL http://www17.ocn.ne.jp/~jammin/


ひとりでもじっくり酔える、77年オープンの老舗ロックバー
ROCKIN’CHAIR

 新宿歌舞伎町に77年にオープン。時代の移り変わりに伴い閉める店が増える中、老舗バーとして愛され続けるのが「ロッキン チェア」である。

 かけるのは50年代~現代までのロック、ポップス、ソウル。店でよくリクエストされる曲を中心にCDを流している。
「当店は大人が集うバーです。30~50代までのお客様が多く、青春時代に聴いていた曲を聴きに来られるんです。よくかかるのはジェフ・ベック、エリック・クラプトンといえばイメージしやすいでしょうか」とマスターの奥田耕史さんは語る。またマスターによると、大人のロック好きならではの楽しみ方はひと味違うという。

「お客様はお一人でいらっしゃる方やカップル、グループなど、様々。そして5時間も6時間も滞在される方もいらっしゃいます。週一で通われる方も多いんですよ。大人になると、今日はあの店のあの料理が食べたいと思う日があるでしょう。それと同様に、音楽に飢えたら今日はあの店であの曲が聴きたいって思うものなんです。一方、20~30曲もリクエストする外国人のゲストもいらっしゃいます」

 店内中央のテーブルにはアンティークの蓄音機が鎮座。天井からは蓄音機のホーンを利用したランプが下がり、足踏みミシン台を改造したテーブルが連なる。遠い昔にタイムスリップしたような、老舗に長く流れる独特の濃密な時間も実に心地いい。そんな空間で懐かしい音楽に身をゆだねる。まるでロッキングチェアに座っているように、ゆるやかで心地いい、そして自由な体験ができることをお約束しよう。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

ROCKIN’CHAIR

1. 梁が印象的なウッディで落ち着く店内。
2. 蓄音機を利用したランプやミシン台を活用したテーブルなど、ユニークで味わい深い。
3. CDのリクエストブックを見てリクエスト曲を選んだら、この紙に記入してスタッフへ。
4. オンエアされているCDジャケットがここにかかる。
5. 「ナチョス」780円とグレープフルーツで甘味を抑えたシャンパンカクテル「ロッキン チェア」1300円。2時間飲み放題で3500円(チャージ込み)ほか、つまみやフードを合わせたプランも豊富にある。

ROCKIN’CHAIR

住所 東京都新宿区歌舞伎町1-7-5 トーシンビルB2F

電話番号 03-3200-4715

営業時間 19:00~翌5:00

休日 無休

金額 テーブルチャージ600円、ロッキンピザ980円、キリン一番搾り(生)700円、ギネス(生)800円、ハイネケン(瓶)700円、自家製梅酒(ウイスキー仕込み)900円


60年代~最新までの洋楽ロックをカラオケ感覚でリクエストできる!
SHUFFLE BEAT

「お店を作るのはお客様。その日のお客様の色で、お店の色も決まるんです」とロックバー「シャッフル ビート」店長の鎌田哲さんは語る。なぜならかける曲の大半は、客のリクエストだからだ。

 ロックバーとうたいながら流す曲のジャンルや年代を絞っていたり、リクエストがしづらい店もある。しかしこの店はカーペンターズがかかった後に、メタルやパンクが流れる。加えてカラオケ感覚でリクエストが楽しめるため、フードや酒をオーダーする前にリクエストブックを繰るゲストも少なくないとか。

 店にあるCDは約1300枚。レッド・ツェッペリン、クイーン、ニルヴァーナ、オアシスなど、60年代から最新のものまで、洋楽ロック全般を網羅している。3機あるCDデッキを駆使して1曲ずつかけてくれるが、時には客が持参したCDも流してくれるという。

 音楽を軸に仲間が増えるのもこの店の特徴だ。居合わせた団体客同士がリクエスト合戦を始めたり、「この曲知ってる?」とゲストの間で会話がはずむなど、客同士のコミュニケーションは多い。またほとんどのスタッフはバンド経験者や現役バンドマンで、客がスタッフのライブに出かけることもあるとか。

 さらに2ヵ月に1度、店でフリーライブを開催。常連客がスタッフとともにステージにあがることもあるという。
「お客様同士を繋げるのも、僕達スタッフの役目です。こんなに楽しく魅力的な仕事はないですよ」と鎌田氏。

 好きなロックを聴きながら、おいしい酒と料理を楽しむ。そして音楽を愛する仲間との出会いも待っている。ロック好きにはたまらない一軒だ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

SHUFFLE BEAT

1. ウッディ調にまとめられた店内。壁一面にアーティストのポスターやCDジャケットのコピー、ライブのバックステージパス、ギターなどが飾られている。
2. スピーカーはJBL。カウンターの後ろに2台、テーブルエリアに2台設置している。
3. このリクエストブックをもとに、専用の用紙にリクエスト曲を書き、スタッフに渡す仕組み。
4. CDは約1300枚。持ち込みもOKだ。
5. 生地もトマトソースも自家製の「マルゲリータ」980円。「マンゴーのフローズンカクテル」900円は、女性男性問わず大人気。ジンとマンゴーリキュール、フレッシュのマンゴーを使ったトロピカルな一杯。

SHUFFLE BEAT

住所 東京都新宿区歌舞伎町1-7-5 トーシンビルB1F

電話番号 03-3205-2055

営業時間 19:00~翌5:00

休日 無休

金額 テーブルチャージ550円、なめたけとお餅のピザ800円、大盛キャベツのカレーピザ820円、半熟オムライス800円、自家製松前漬け550円、キリン一番搾り(生)650円、ギネス(生)800円、ハイネケン(瓶)700円

URL http://www.shufflebeat.info/


ビートルズからキャロル、清志郎まで大人を魅了するロックンロール酒場
Bar ZEP

 高級倶楽部が立ち並び、路地裏には寿司や和食の名店が潜む銀座6丁目。そんな日本一の繁華街にユニークな一画がある。昭和の薫りを残す趣ある路地に、ロックやジャズ、ブルースバーなど、音楽関連の店が数多く並んでいる。ロック酒場「Bar ZEP」はこのエリアの音楽文化を牽引するかの如く、2003年にオープンした。

 昨年末まではビートルズ専門バーとして営業。銀座という場所柄から、医師や弁護士、会社社長など、ビートルズを愛好する大人達に愛されてきた。しかし「自分の好きな音楽もかけられる店にしたい」というマスター中島宏さんの思いから、今年からロックンロール酒場に。現在はビートルズを軸に、キャロルや矢沢永吉、忌野清志郎、インディーズのザ・マックショウなど、邦楽もかけている。集う客はビートルズマニアからキャロルファン、ロック愛好家など、様々。訪れる客層に応じて、BGMがビートルズオンリーの時もあれば、深夜に永ちゃんやシャネルズ、クールスなどで盛り上がる日もあるという。

 「矢沢永吉に代表される団塊の世代は、ミュージシャンも文化人もみなビートルズを聞いて何かを成そうと思った人ばかり。僕自身、キャロルや矢沢永吉を通してビートルズを好きになったんですよ」 現在40代のマスターは、矢沢永吉とビートルズの繋がりをこう語る。最近では日本のキング・オブ・ロック忌野清志郎もオンエアリストのレギュラーに加わった。

 「僕は昔を懐かしむのではなく、現役感にこだわりたい。目の前にある今の音楽も大切にしたいんです。清志郎はRCサクセション時代だけでなく、ソロになった近年も名作を生み出してきた。だからこそ店でかける。ビートルズファンにも、ポール・マッカートニーの新譜を聴いて欲しいんです」

 あの頃をよかったと懐かしむだけではなく、大人が今を楽しむ場所に。そんなマスターの思いが詰まった大人の遊び場だ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

Bar ZEP

1. カウンター8席、テーブル1卓から成る、白と黒を貴重とした店内。銀座らしい大人の雰囲気を醸し出している。ちなみにZEPという店名はバイクのKawasaki ZEPHYR750が由来。マスター曰くバイクとロックは疾走感が共通項なのだとか。
2. カウンターにはビートルズの灰皿をはじめ、清志郎、インディーズのザ・マックショウなど、マスターお気に入りCDが並んでいる。CDは約500枚。
3. 天井に貼られたビートルズの特大ステッカー。
4. サウンドシステムはCDの音が最も美しく聴こえるように構成。BOSEのスピーカーと相性のよいデノンのアンプを使用。店の壁は、音の反響まで考慮し、職人が手塗りしている。
5. 「愛媛宇和島産・じゃこ天」800円と「フォアローゼズ ブラック」1200円。銀座という土地柄から、出前もOK。「すし好」の寿司、「たこ八」のたこ焼き、「みやざわ」のサンドイッチ、居酒屋からの出前もOKだ。

Bar ZEP

住所 東京都中央区銀座6-2-6 ウエストビルB1F

電話番号 03-3573-0830

営業時間 17:00~翌12:30、金~翌2:00、土(営業の場合)17:00くらい~23:00くらい

休日 土・日・祝不定休

金額 チャージ1000円、バドワイザー900円、ギネス・ドラフト(缶)900円、おでん700円

URL http://www.h6.dion.ne.jp/~bar_zep/


有名ミュージシャンのライブが間近で楽しめる隠れ家のようなバー
Bar461

 新宿の片隅に佇む、小さなバー。古びたスピーカーから70年代のブルースやソウルが流れ、仕事帰りの人々が酒を片手に夜な夜な語り合っている。一見するとどこにでもありそうな店だが、壁に直接書き込まれた数多のサインを見て驚く。上田正樹、永井“ホトケ”隆、内田勘太郎、杉山清貴、ブレッド&バターなど、そうそうたる面々。聞けば皆、この店でライブを開いたミュージシャンだというのだ。

 「最近は、小さめのライブハウスでプロが演奏できるところが少なくなってきたと聞いています。うちはライブハウスじゃないけど、客席とステージとの距離が近いし、雰囲気もアットホーム。だから、有名なミュージシャンの方々にも喜んで出演していただけるのかなぁ、と思っています」と話すのは、マスターの佐藤ユキオさん。自身もブルースバンドにドラマーとして参加。今年2月の“おやじバンド・フェスティバル”で優勝を勝ち取った、というユニークな人物だ。多くのミュージシャンと交流を持ち、ときには自らライブに足を運んで口説き落とすなど持ち前の行動力で、数々のライブを成功させてきた。

 月に1~2度のライブに加え、落語の寄席も開いている。過去5年間に、柳家喬太郎の独演会を5回開催。マスターが落語好き、という縁で実現したわけだが、人気落語家の噺を目の前でたっぷりと楽しめるとあって、発売直後に完売するほどの人気を博している。

 30人も入れば満員になる店内で憧れのミュージシャンと向き合えるのは、贅沢の極み。常連客が 多いため、最初は気後れする人もいるかもしれないが、心配は無用だ。カウンターではいつも、話 好きのマスター夫妻が迎えてくれる。音楽と酒が好きなら、足を運んでみて損はないだろう。

取材・文/渡辺裕希子 写真/田頭真理子

Bar461

1. 曙橋駅から徒歩2分の場所にある、隠れ家のような店。店名は、マスターが愛するエリック・クラ プトンのアルバムタイトルから名づけられた。
2. ビクターの名機「SX3」を使用。中音域の音に定評があり、1980年代に人気を博したスピーカーだ。 また、ライブ時にはJBLの“White”を使用している。
3. 壁は、ここでライブを行ったアーティストのサインでいっぱい。「書いていただくスペースがなくなってきて、困ってるんですよ(笑)」とマスター。
4. マスターが選んだ写真も飾られている。写真家、William Hamesが撮影したトム・ウエイツやエリック・クラプトンなど、いずれも一見の価値あり。
5. ゴルゴンゾーラやブルーチーズなど、5種類のチーズにパンを添えた「ナチュラルチーズの盛り合わせ」1000円。「グラスワイン」600円とともに楽しみたい。

Bar461

住所 東京都新宿区舟町12 ビリジアン新坂1F

電話番号 03-3358-7283

営業時間 18:30~深夜2:00、土18:30~深夜0:00

休日 日曜、祝日

金額 チャージ500円、ミュージックチャージはイベントによって異なる

URL http://www2.odn.ne.jp/bar461/


70年代にヒットした数々の名曲をLPレコードで楽しめる粋なバー
Grandfather's

 昨今、“レコードをかける店”は数あれど、“レコードしかかけない店”となると、なかなかお目にかかれない。そんな中、渋谷にある『グランドファーザーズ』は、CDやパソコンなどのデジタル音楽とは無縁。1970年代のロックやAOR、ソウル、ディスコミュージックなど数々の名盤を、すべてアナログレコードで楽しめる、という粋なバーだ。

 なぜ、レコードにこだわるのか。その理由をマスターはこう語る。「レコードの“ブチッ”、“ザーッ”という雑音が好きなんですよ。それに、レコードをひっくり返すという行為によってA面とB面、それぞれの1曲目と最後の曲が深く心に刻まれるんです。その点、CDは一度スイッチを押したら流しっぱなしだから、曲が頭に残りづらいんですよね」。なるほど、音楽データを大量に取り込めるCDやパソコンは確かに便利だが、レコードにはレコードにしかない“文化”がある。1971年の開店以来、この店ではそうした文化を大切に守り続けているのだ。

 レコードのかけ方も、実にユニークだ。例えば、「TOTOのアフリカが聴きたい」とリクエストしたら、ずらりと並んだLPレコードの中から瞬時に「TOTO IV~聖なる剣」をピックアップ。ターンテーブルに置いて針を落とすと、B面5曲目の「アフリカ」が流れ始める、といった具合だ。「一枚丸ごとすべての曲が素晴らしい、というLPレコードはなかなかない。だから、その中から良い曲だけ選び出してるんです」とは、自らをレコード係と呼んでいるマスターの弁。手間と経験を要する作業を、慣れた手つきで黙々とこなしている。

 「音楽とは本来、“音を楽しむ”こと。自分がかける曲が、お客さんの会話のきっかけになると嬉しい」とマスター。70年代から続く店で、当時のヒットナンバーをアナログレコードで聴く。理屈ぬきに楽しい、大人の夜が待っている。

取材・文/渡辺裕希子 写真/下村 孝

Grandfather's

1. 1971年に、一橋大学の学生によって作られた店。当時は1950~60年代のロックを流していたという。天然木のカウンターやチェアなど、内装も雰囲気も当時のまま。
2. スピーカーはJBLの4311。カウンターに座ると、高音がちょうど耳の高さに届き、低音が上から降ってくる。音に包まれているような感覚が心地よい。
3. 約2000枚のLPを保有し、聴かせてくれる。70年代の曲がメインだが、最近リリースされた話題の新譜もレコードで入手している。
4. 開店以来のロングセラー「あたりめ」600円と、「キリンラガー(小瓶)」500円。料理はすべて手づくりで、牛すじ煮込みやおでんも人気だ。
5. JR渋谷駅からは、歩いて1分の距離。平日も休日も、深夜遅くまでなつかしの音楽が楽しめる。

グランドファーザーズ

住所 東京都渋谷区渋谷1-24-7 渋谷フラットビルB1F

電話番号 03-3407-9505

営業時間 17:00~深夜3:00

休日 無休(年末年始を除く)

金額 チャージは深夜0:00以降のみ300円

URL http://www.grandfather.co.jp/shibuya/


1980年代を彩った伝説のライブを大画面で楽しむ大人のためのクラブ
LA35

 ブランキー・ジェット・シティーにBOOWY、矢沢永吉に尾崎豊……。彼らの曲が流れてくると青春時代を思い出す、という人も多いだろう。あの頃、彼らのライブに足を運んで熱狂していた人も、小遣いを貯めてレコードを買っていた人も、当時の興奮に浸れる場所がある。

 六本木の「LA35(ライブ・アベレージ・サーティファイブ)」はその名のとおり、35歳前後をターゲットに据えたミュージック・ラウンジ・バー。ミラーボールが回るダンスフロアでは、伝説のライブ映像を130インチのスクリーンで放映している。JBLのスピーカーから聞こえる音楽は、大音量かつ高音質。まるで目の前でライブが行われているような錯覚に酔いながら、拳を突き上げたり体を揺らしたり。誰もが日常を忘れ、青春時代にタイムスリップしている。

 踊り疲れたら、コンクリート壁の向こうにあるラウンジでひと休み。シャンデリアが輝くラグジュアリーなスペースで、ゆったりとお酒が楽しめる。1980年代を彩ったJポップの名曲に耳を傾けながら、同世代の仲間と思い出話に花を咲かせるもよし、ひとりじっくりと感情移入するもよし。もちろん、「あの曲が聞いてみたい」というリクエストもOKだ。

 特定のアーティストをフィーチャーしたイベントも好評だ。これまでに、「布袋ナイト」「ブランキー・ジェット・シティー・ナイト」「矢沢ナイト」などを開催。昔をなつかしむスーツ姿の大人たちはもちろん、当時を知らない若い世代もいっしょになり、深夜まで盛り上がりをみせている。

   時を経た今、改めて聴いてみると、1980年代の音楽の素晴らしさに気づかされる。色あせない名曲を聴きながら、楽しかったあの頃を思い出す。たまには六本木の真ん中で、そんな夜を過ごすのもいいだろう。

取材・文/渡辺裕希子 写真/岡村智明

LA35

1. 130インチの大画面に、伝説のライブ映像が映し出される。大音量の重低音が響き、迫力満点。鳥肌が立つほどの興奮が味わえる。
2. なつかしの音楽をつまみに会話が楽しめるラウンジスペース。デザイナーズブランドのソファやテーブルが並び、高級感が漂う。
3. テンションが上がらずにはいられないミラーボールの輝き。踊り疲れたら、ラウンジスペースの向かいにあるバーカウンターで一杯。カクテルとワイン、ビールのほか、焼酎と梅酒も提供。
4. 六本木五丁目交差点の近くにある、雑居ビルの5階。地下鉄六本木駅からは、歩いて5分程度の距 離だ。
5. 巨峰のリキュールとアマレットをベースにしたオリジナルカクテル「ライブ35」800円。「ハートランド(生ビール)」は800円。

LA35 六本木店

住所 東京都港区六本木3-15-24 アリエスビル5F

電話番号 03-3475-3350

営業時間 19:00~深夜2:00

休日 月

金額 エントランス料 男性3000円(2ドリンク)、女性2000円(2ドリンク)

URL http://la35.jp/


ジャズのリズムに身をゆだねながら“世界一”と評されたマティーニで乾杯
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 “カクテルの王様”と呼ばれるマティーニ。人によって作り方や飲み方が大きく異なることから、しばしば議論のタネとなるカクテルだ。250種類を超えるレシピがあり、「マティーニを飲めば、その店の実力が分かる」とも言われている。

 西麻布にある『Bar Martini』はかつて、NYタイムズ紙上で“世界一美味しい”と評されたマティーニが味わえる店。ここの「ドライ・マティーニ」は、見た目からして少し変わっている。オーダーすると、目の前に並ぶのは2つのグラス。ひとつのグラスにはベルモットでリンスしたジンが、そしてもうひとつのグラスにはベルモットが注がれているのだ。マティーニを口に含んだまま隣のベルモットを味わったり、ほのかに残るベルモットの香りを楽しみながらドライ・マティーニに口をつけたり。飲み方によって、5~6種類の味わいが楽しめる、というわけだ。

 「ジンはボンベイ・サファイア、ベルモットはチンザノのドライを使っていますが、ジンとベルモットの割合は秘密。長年研究した末に見つけ出した、ベストバランスです」と話すのは、マスター・バーテンダーの田中剛人氏。約15年間の修行を経て、2005年に独立を果たした。以来、彼のマティーニを飲むために足を運ぶファンも多いという。

 もともと、バンドのヴォーカルとしてインディーズ界で実績を残してきたマスター。ジャズへの造詣も深く、学生時代からソニー・ロリンズやオスカー・ピーターソンのコンサートに出かけていたという。店のBGMは、もちろんジャズ。「バーにおいて、音楽は重要なエッセンス。時間帯やお客様の雰囲気に合わせた選曲を、心がけています」と話す。

 耳を澄ませば、マスターがシェーカーを振る音がジャズのリズムとシンクロしていることに気づく。スローな曲が流れているときはゆったりと、アップテンポの曲ではスピーディーにシェーキング。マスターの粋な演出が、心地良い酔いを誘う。ジャズのリズムを感じながら、究極のマティーニを味わう。酒の奥深さを、教えてくれる一軒だ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/岡村智明

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1. しっとりと落ち着いた大人の雰囲気。店内のテレビでは、ジャズライブや映画のDVDなどを放映している。
2. ソファに座って、ゆったりとお酒が楽しめる。窓際には、ムードたっぷりなカップルシートも。
3. 六本木駅から歩いて8分程度。大通りから一本入ったところにあり、隠れ家のような雰囲気。
4. 九十九里にある老舗ガラスメーカー「スガハラガラス」や「バカラ」のグラスを使用。繊細で独創的な曲線が、カクテルの美しさを引き立ててくれる。
5. 「ドライ・マティーニ」1800円。マスターが以前バーテンダーを務めていた店をNYタイムズ紙の記者が訪れ、“世界一のマティーニ”と絶賛したという。ほかに、5000種類以上のカクテルを用意。

Bar Martini

住所 東京都港区西麻布1-14-8 第2広島ビル1F

電話番号 03-5770-3450

営業時間 19:00~深夜3:00

休日 日、祝日の月

金額 チャージ1000円

URL http://plaza.rakuten.co.jp/azabusatobar/


質の高い音楽と酒に出会える阿佐ヶ谷駅を見下ろすジャズバー
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 阿佐ヶ谷は、ジャズが似合う街だ。文化の匂いが濃い中央線沿線のなかでも、とりわけ落ち着いた雰囲気が漂う街。この地で、20年以上にわたって大人たちに愛されている店がある。駅を出てすぐのところにある、『jazz bar KLAVIER』だ。
 扉を開くと、聞こえてくるのは心地よいモダンジャズ。アンティークな内装とあいまって、訪れる人々の心に潤いやすらぎをもたらしてくれる。店内は意外なほど広く、一面に窓を設えた開放的なつくり。窓の向こうに見えるのは、ホームにすべり込む電車や、急ぎ足で行きかう人々。街の息遣いが感じとれ、いつまで眺めていても飽きることはない。

  「店が持つ空気を大切にしながら、自分の感性で選んだ曲をかけています」と穏やかな口調で話すのは、マスターの山川秀明さん。東京藝大の声楽科卒を卒業した後、ヴォーカリスト&ピアニストとして活躍した経歴を持つ。ジャズの知識は豊富だが、堅苦しさは皆無。「ジャズバーの近寄りがたいイメージを払拭したい。ジャズを知らない人たちにとって、この店が出会いの場になれば嬉しいですね」。若い人々にジャズの楽しさを伝え、裾野を広げたいと願っている。

 週末を中心にライブも開いているが、チャージは1800円~と手ごろ。これも、「ひょっこりと、気軽に遊びに来て欲しい」というマスターの願いゆえだ。演奏者は、阿佐ヶ谷出身の若手から名の通ったベテランまで、実に多彩な顔ぶれ。店と演奏者、聴衆が三位一体となって繰り広げるライブは、いつもリラックスした暖かい雰囲気に包まれている。

 カウンターの奥には、酒のボトルが整然と並ぶ。「質のいいシングルモルトやバーボンは、ほとん ど全部揃えています」と胸を張るマスター。その言葉どおりバーとしての評価も高く、ジャズの名曲から名づけたオリジナルカクテルも豊富だ。いつ訪れても、クオリティの高い音楽と酒が待っている。安心して足を運べる、ジャズとの出会いにぴったりの一軒だ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/田頭真理子

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1. 内装はすべて、マスターと常連客による手づくり。カウンターテーブルは、ナイジェリアから取り 寄せた1本の丸太から作られた。
2. 店内には、マスターが自ら撮影したライブ写真や、常連客が描いたクロッキーを展示。
3. マスターの山川秀明さんは、生粋の阿佐ヶ谷っ子。友人と「阿佐ヶ谷ジャズ盛り上げ隊」を結成し、 四季折々のイベントを実施している。4/29~5/5には「ゴールデン・ジャズウィーク」を開催。
4. 阿佐ヶ谷駅南口から徒歩0分。マスターの友人がデザインしたお洒落なロゴが目印だ。
5. ウォッカをベースにブルーキュラソーとグレープフルーツジュースを加えたオリジナルカクテル「ブルー・クラヴィーア」700円。おつまみの「オリーブ&ピクルス」は600円。

jazz bar KLAVIER

住所 東京都杉並区阿佐ヶ谷南3-37-13 3F

電話番号 03-3393-0418

営業時間 19:00~深夜2:00

休日 日

金額 ライブ開催時はチャージ1800~2500円

URL http://www.bekkoame.ne.jp/~h.yamakawa/


年代や国を超え、トリップできる アナログにこだわるミュージックバー
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 ジャーニーという店名どおり、世界や年代を、音楽の力でトリップできるバーである。
かけるのは1920~70年代を中心としたアナログレコード。ロック、ジャズ、ブルース、レゲエ、ソウル、ボサノバと、ジャンルは問わない。「この年代の音楽が好きな人にとって、ジャンルは関係ない。ジャンルとはそもそも、レコード屋が売りやすくするために作ったものですから」とは、マスターの森田啓文さんの弁。さらに、この時代の音楽にこだわる理由について、こう語ってくれた。

 「まだ音楽業界が商業主義になる前の当時の音楽は、とても個性があったんです。たとえば黒人音楽は、白人社会で苦労をしてきた黒人達が、日の目をみようと一生懸命もがき苦しんだところから生まれた。たとえギターが弾けなくても、一音でもいいからいい音を出そうというミュージシャンが多かったんです。だから昔のブルースマンの曲は、音を聴いただけで誰がギターを弾いているかがすぐ分かるんですよ」

 ちなみに、店にある最も古い音源は、1920年代に録音されたベッシー・スミスの「セントルイス・ブルース」。レコード盤ができたばかりの頃のもので、録音技術が発達していない当時に素晴らしい音源を残せたのは、彼女が圧倒的な声量の持ち主だったからだとか。一曲一曲にまつわるそんな物語について、マスターと語り合う人もいれば、リクエストブックを繰りつつ、ひとり静かに音楽に酔いしれる客もいるという。

 店内のデザインは、電車がモチーフ。客席は電車のシートを彷彿させ、壁には網棚風の荷物置きが備えられている。窓はなく、照明を落とした店内は、まるで外界から閉ざされたような雰囲気だ。そんな空間で、数十年前のアナログの音色に集中していると、次第に自分がいつ、どこにいるのかさえ分からなくなる…まさにトリップ気分が味わえるのだ。平均滞在時間はなんと3時間。音楽好きにとっては、時があっという間に過ぎてしまうというのも納得の特別な空間だ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

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1. 年代や国を超え、トリップできるアナログにこだわるミュージックバー。
2. チャージ500円でスナック類が食べ放題。せんべいからナッツ類、麩菓子、ラムネなどがポットに入れられ、セルフサービスとなっている。スナックの旅(ジャーニー)に出て、端から端まで制覇する客もいるとか。「キリンハートランド」は700円。
3. 4ヶ所に配されたスピーカーから温かみのある音楽が流れる。音量は、会話を楽しめる程度。
4. 電車のシートを思わせる座席。網棚もユニーク。
5. アナログレコードは2000枚ほどある。

Bar Journey

住所 東京都大田区蒲田5-11-12 フェニックスMSビル2階

電話番号 03-3739-7154

営業時間 19:30~翌1:00

休日 日・祝

金額 チャージ500円、キリンハートランド700円ほか

URL http://www.barjourney.com/


平日はソウルバー、週末はディスコバーに変身。世代を超えて楽しめる遊び場
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「バー ミラー ボール」は、横須賀の米軍キャンプが経営する将校クラブでブラックミュージックに開眼し、その後、新宿を中心とした東京近郊のディスコでダンサーとして活躍、現在は「JIN DANCE FACTORY」でダンス指導をするJINさんと、パートナーのKaoruさんが、ダンススタジオの地下にオープンしたソウルバーである。

 平日は、ゲストの世代や好みに合わせて、ソウル・ファンク・ジャズ・ブルース・R&B・HIPHOP・ディスコなど、JINさんが選曲。ダンサーから音楽好きまで、ハートをがっちりつかんでいる。金・土曜の週末にはDJが入り、踊りに来た人でフロアがあふれる。20代から50代と幅広いゲストの要望に応え、テンプテーションズやマービンゲイなどのステップ系からいまどきのヒップホップまで、世代を超えて楽しめる選曲を心がけているという。「若者達に大人が粋な遊び方を教える、そんな場所が理想ですね。」とKaoruさんが語るように、かつてディスコで遊んでいた大人達が、当時のステップを若い人に教える光景も珍しくないのだとか。

 チャージもサービス料もなし。ドリンクはほぼ1コイン(500円)というリーズナブルさも魅力のひとつ。さらにユニークなのが、おつまみ類だ。「ぶらさがりおつまみ」は、茎わかめ、いかくん、ビーフジャーキーなどの乾き物が、文字通りカウンターの上からぶらさがっているもの。またカウンター上のカゴには、昔懐かしい“うまい棒”などの駄菓子や、“おでんたまご”、“焼肉”、“やきとり”などの缶詰が置かれている。空き瓶にお金を入れるという、自由で気軽なスタイルも楽しい。

 青春時代の曲が流れるこの店は、ディスコブーム全盛期を体験した世代にとっては、ワクワクドキドキしていたあの頃に戻れる聖地。また20代の若者にとっては、ブラックミュージックカルチャーに出逢える希少な場。「バー ミラー ボール」は、音楽好き、ダンス好きにとって憩いの場なのだ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

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1.2003年にオープン。定期的にライブや、ダンサーのパフォーマンスなどが行われる。
2.店名の由来ともなったお店のシンボル、ミラーボール。DJは第2金曜はOSAが、そのほかはHIRO、eisuke、JUNらが務める。ターンテーブルを回してみたいお客様大歓迎とか(アナログレコードは持参)。
3.駄菓子のうまい棒は3本で200円、缶詰は300円、カウンター上から下がる「ぶらさがりおつまみ」300円。空き瓶にお金を入れても、後でまとめて清算してもOKだ。
4.ダーツやスロットマシンなどのゲームもある。
5.「キリンラガービール」500円と、ぶらさがりつまみの「こんがり 焼きままかり」300円。オーダーを受けてから作るポップコーン300円も人気が高い。

Bar Mirror Ball

住所 東京都狛江市岩戸北4-17-25 B1F

電話番号 03-3488-1577

営業時間 21:00~

休日 火

金額 チャージなし、キリンラガービール500円、ハイネケン500円、きつねうどん500円、ラーメン500円など

URL http://www.jdf.ecnet.jp/bar/


アート、映像、音楽、ダーツ、お酒・・・好奇心を活性化させるアーティスティックバー
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infoCurious とは、informationとCuriousを合わせた造語で、「好奇心を活性化させる」という意味。映像作家であるオーナーが9年前にオープンさせた「Bar infoCurious」は、そんな意を持つアーティスティックな空間である。

 コンクリート打ちっぱなしのモダンな店内。取材で訪れた時には、むき出しのコンクリート壁に写真が展示され、奥の壁面に備えられたプロジェクターには映像が流れていた。そして四隅に配置されたJBLのスピーカーから聞こえるのは、ジャズやボサノバ。コンクリートの壁面に跳ね返り、反響する音がまた心地よい。「音楽とアート、そしてお酒を、お客様が思い思いに楽しみ、好奇心を活性化していただければと思っています。ダーツやチェスなどをされる方もいれば、ゆったりシガーを吸われる方もいるんですよ」と語るのは店を守る大畑英之さん。

 店内は、一ヶ月単位でギャラリースペースとして無料で貸し出され、絵画や写真、彫刻、映像などが展示される。3月には写真と絵を融合させたFumie Asanoの展示「FIND ME!!」が予定されている。

 さらに木曜日にはライブを開催。第1木曜はジャズのスタンダードナンバーを中心に演奏するROUTE、第2・4木曜はボーカル&ギターのDUWRITE MAY、第3木曜はサックスのHAN SATOのステージが繰り広げられ、いずれもミュージックチャージなしで楽しめる。普段はジャズ、ボサノバ、ヒップホップジャズ、80'sなどのCDを流しているが、ほとんどの音源が客の持ち込みだという。BGMも、ゲストひとりひとりが自分流のスタイルで楽しめるというわけ。あらゆる人の好奇心を満たす術が待つ、至福の一軒だ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

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1.デザイナーズチェアが並ぶ、モダンな雰囲気の店内。常連客のマイグラスや抹茶碗などが飾られ、こだわりの客が集う様がみてとれる。ダーツ、チェスなども楽しめる。
2.ライブは毎週木曜の22時~、23時~の2ステージ。
3.JBLのスピーカーを配置。イベントではUREIのオーディオシステムを使うこともある。
4.ギャラリーの展示内容は、一ヶ月ごとに変わる。
5.イカスミやハーブ系、チョリソーなど、多彩な味が楽しめる「五色のソーセージ」1260円。「キリン ハートランド」840円とも好相性だ。

Bar infoCurious

住所 東京都港区麻布十番3-6-9  ヒルサイド麻布B1F

電話番号 03-5439-9337

営業時間 19:00~翌4:00

休日 なし

金額 チャージ525円、サービス料10%、色野菜のピクルス735円、パルマ産プロシュート1260円、ペンネアラビアータ1050円など

URL http://www.infocurious.com/


フラメンコ好きが集うバーは阿佐ヶ谷の小さなスペイン
QEQUE BAR

 駅前を少し歩いただけで、ジャズバーやソウルバー、ブルースバー、ライブハウスなど多様な音楽スポットに行き当たる。阿佐ヶ谷は、音楽を愛するのんべえにはたまらない街だ。

 『QEQUE BAR』は、そんな阿佐ヶ谷にスペインの風を運んでくれる小さなバーだ。近隣のフラメンコ好きが夜な夜な集い、酒と音楽に酔いしれている。

 イタリア料理店のシェフとして腕を振るっていたマスターがフラメンコに出会ったのは、5~6年前のこと。「昔から音楽が好きで、趣味でドラムを叩いていました。以前はフラメンコに興味がなかったんですが、たまたま飲みに行った店で耳にしたとき、“ビビッ!”ときたんですよ。フラメンコって、リズムが独特でしょう? 他のどの音楽とも違うリズムに、魅了されたんです」

 それからはフラメンコにどっぷりとはまり、独学で歌を習得。店のBGMも、フラメンコ一色に変わっていったという。

 音楽だけではなく、スペイン料理にもはまったというマスター。メニューには、タパスと呼ばれるスペインの小皿料理が豊富に揃っている。二ンニクや香辛料をたっぷりときかせたスペイン料理は日本人の口にも馴染みやすく、酒との相性も抜群だ。ジプシーに愛されている「ラ・ヒターナ(マンサジーニャ)」(グラス480円)など、辛口のシェリー酒と合わせるのもいいだろう。

 毎週土曜、夜11時を回った頃に、店ではフラメンコのライブが始まる。歌うのはマスターで、ギターを奏でるのは近くにある老舗居酒屋『だいこんや』のマスター・松本純氏。「松本さんは、フラメンコギターの名手としても知られている方。フラメンコについて教えてくれた、僕にとっての“師匠”です。夜遅くに彼が店に遊びに来ると、自然とライブが始まる、という感じですね」。  

 ときには、フラメンコ好きのカンテ(歌い手)やダンサーが参加することも。アットホームな雰囲気に包まれて、阿佐ヶ谷の夜は更けていく。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

QEQUE BAR

1.アンティークの小物に囲まれ、落ち着ける雰囲気。平日にも時々、フラメンコのライブイベントを行っている。
2-3.店内には、マスターが敬愛するカンテの写真などが飾られている。「最近のお洒落なフラメンコよりも、40~50年前のクラシックなフラメンコの方が好きです」とマスター。
4.100枚以上揃ったフラメンコのレコードは、『だいこんや』のマスターが若い頃から買い揃えていたもの。現在は手に入りにくいものも多い。
5.ニンニクの香りが食欲をそそる「マッシュルームのチョリソー詰め鉄板焼」680円。クリアな味わいの「ハートランド生ビール」550円も人気だ。

QEQUE BAR

住所 東京都杉並区阿佐ヶ谷南2-19-11

電話番号 03-3315-5772

営業時間 19:00~翌2:00

休日 日

金額 自家製サングリア550円、カクテル600円~、チョリソー・イベリコ880円など

URL http://www.qeque.com/


洋楽、邦楽問わず、熱いロックをアナログでかけるロックバー
ハーフムーン原宿

 ファッションやストリート文化の発祥ともいわれ、次々と新しいムーブメントを生み出している原宿。そんなエネルギッシュな地にあって、ノスタルジックな昭和の香りを放ち続けているロックバーが「ハーフムーン原宿」である。

 オープンは1989年。下北沢のロックバーに通いつめたオーナーの神藤恒平さんが、自分の好きな音楽と酒を楽しむ場所を作りたいと、開店させた。

 かけるのは、オーナー自身の青春時代を彩ってきた音楽だ。洋楽はビートルズからローリング・ストーンズ、店名の由来ともなっているジャニス・ジョップリンなど、60年代~90年代のロック全般。さらにRCサクセションやルースターズ、モッズ、サディスティックミカバンド、YMOなど、70年代後半から80年にかけての邦楽ロックもかける。

 「洋楽だけ、邦楽だけなどとこだわらないのは、音楽って全部が素晴らしいものだから」と語る神藤さん。音楽に対してそんなリスペクトの気持ちを持っているからこそ、2000枚ものアナログレコードから一曲ずつ選曲し、一曲一曲思いを込めて針を落とすことに全身全霊をかけているのだという。

 そんなオーナーの熱い思いと音楽に誘われ店に集まる客は、意外にも1人客が多いのだとか。カウンター席に座し、音楽を主役に、オーナーやほかのゲストとの会話を楽しむ。そんなスタイルで、週に4回も訪れる常連客もいるのだという。

 原宿という若者の街にある店だからこそ、若い人にもどんどん来て欲しいというのが、今のオーナーの願い。チャージは500円に設定し、280円のつまみもある。一方で、ビールはもちろんのこと、高級シャンパンからワイン、ウイスキー、日本酒、焼酎、紹興酒まで、左党を魅了するこだわりの酒も用意。若者から大人まで迎えてくれる懐の深さも、この店の大きな魅力なのだ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

ハーフムーン原宿

1.燃えるような赤色の壁、十字架のネオンが印象的な天井など、ロックなイメージの店内は、すべて手作り。定期的にイベントを開催し、3月にはフォーク・ソングのミニライブを予定している。 上階にはパーティーができる個室がある。テレビではスポーツ観戦ができるほか、DJ大会なども開催。
2-3.アナログレコードから1曲ずつかけてくれる。リクエストや、音源の持込もOKだ。またiPodを持参すれば、プチDJ気分も味わえる。
4.スピーカーは90年代のヤマハ製。
5.約10種のスパイスを使い、5時間以上煮込み1日寝かせた「特製欧風カレー」880円と「ハイネケン」600円。本格的な味わいに人気が沸騰、一時期カレー専門店を出したこともあるという。

ハーフムーン原宿

住所 東京都渋谷区神宮前3-21-20-2F

電話番号 03-3796-0826

営業時間 火~土18:30~翌5:00、日・月~翌2:00

休日 なし

金額 チャージ500円、ハイネケン600円、鴨つくね棒280円、キムチチャーハン780円、湯豆腐580円、にんにく揚げ350円、ソフトドリンク300円~

URL http://www.jingumae.jp/~halfmoon/


往年のディスコやソウルバーが蘇る音楽をベースに時代を感じるミュージックバー
VIRTUS

 60年代初頭から70年代頭ぐらいにかけて、六本木や赤坂エリアに小箱のソウルバーが続々と誕生。外国人客を中心に、ソファとソファの間などの狭い空間に立ち、思い思いにリズムを刻むソウルファンが、夜な夜な集っていたという。そんなソウルバー激戦区に10年前にオープンした「ヴィルトス」は、往時の香りを今に残す店だ。

 中に入ると、そこは独特の空間。古城の地下牢をイメージしたというが、シャネルのアンティークランプや、中世のものと伝わる真鍮のオブジェなど、ヨーロッパのアンティークが飾られ、遥か昔にタイムスリップしたかのようだ。また店内には、WURLITZER社のCD版ジュークボックスが鎮座。懐かしい音色を奏でている。

 オープン以来、ソウルファンに愛されてきた同店だが、より多くの音楽ファンに対応すべく、今年の10月にミュージックバーへとリニューアル。60~70年代のソウルを基本に、R&Bやファンク、AOR、70、80年代のロックなど、多彩な音楽をかけるようになった。しかし毎週土曜日にはソウルのDJを呼び、イベントも開催。小箱時代のソウルバーが蘇る。

「映画「『ALWAYS 三丁目の夕日』の音楽版のような店だと思っていただければ。昔にタイムスリップしたような気分で、当時のディスコやDJの話をしたり、懐かしい曲を聴いて楽しんでください」とマネージャーの地崎三蔵さん。音楽をベースに時代を感じる。そんな空気が漂う店である。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子 

VIRTUS

1. おしのびで、都内のジャズクラブに出演する海外のミュージシャンも訪れる。アルコールメニューも充実し、シガーも吸える。 地下には踊れるソウルバーである姉妹店「VIRTUS2」があり、自由に行き来できる。
2. アナログは常時3000枚。ジュークボックスは100円で1曲、200円で3曲分聴ける。
3.落ち着いた雰囲気のボックスシートもある。
4.シャネルのアンティークキャンドルのほか、店内にはヨーロッパの骨董が飾られている。
5. ボリューム満点の「ハンバーグロコモコ」1200円。ハンバーグとレタス、卵などを混ぜて食べるのがポイント。ヘルシーだがしっかりした味わいでビール(「キリン一番搾り」800円)も進む。10年前のオープン時から使い続けているキャンドルは、店のシンボル的存在。

VIRTUS

住所 東京港区六本木4-6-4 1F

電話番号 03-5410-6155

営業時間 19:00~翌7:00

休日 日

金額 チャージ\500、サービス料10%、特製カレー1000円、カレーピザ1000円など


口笛や二十五絃箏のライブも楽しめる異色のソウル・バー
Soul Bar Stone

 通称コリア・タウンとも称され、韓国をはじめ、アジアの香り漂うディープタウン、大久保。音楽とは無縁な印象のこのエリアで異彩を放つ「ソウル・バー・ストーン」は、この街が地元であるオーナーの神山廣司さんが、’92年にオープンした店だ。

 「いい音といい酒がMIXされたいい空間というのが、店のコンセプトです。もともとこの地で喫茶レストランを開いていたのですが、ずっとバーをやりたくて。で、特色を出すために、自分の好きなソウルミュージックを流そうと思ったんです」

 ソウルのアナログレコードは約6000枚所蔵。70年代のファンク、ソウルを基本に、80年代のダンスクラシックや90年代ソウルなど、新しいものもかけ、リクエストもOKだ。また「ソウルトレイン」などの映像を楽しむこともできる。しかしこの店には、ほかのミュージックバーと違う大きな特徴があるという。

 「実は“生音”にこだわっているんです。月1ペースでライブを開催。ジャンルはソウルに限らず、クロマチック&ブルースハープとスティールパンのデュオや、尺八や二十五絃箏のグループ、ギターと口笛のデュオなど、わりと変わったものが多いんですよ」

 まさにこの店でしか出逢えない生音のライブが、なんとチャージ無料で楽しめるのだ。そんな太っ腹のオーナーも、温かみのある生音で奏でられる音楽も、まさにソウルフル! 新しい音楽との出会いが、きっとこの店で待っている。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子

Soul Bar Stone

1.石や流木など、ナチュラルな素材を多用した温かみのある店内。オーナーが海外で集めてきた民族風の置物や楽器が飾られ、エスニックな雰囲気だ。12月12日はアコースティックデュオMU/TO、1月は和楽器のライブを予定。
2.音響設備は、耳障りがナチュラルなJBLのスピーカー、プロのPA用のBGWのパワーアンプ、ロデックのミキサーなどを使用している。ソウルのレコードは約6000枚。
3.オーナーの神山廣司さん。
4.やわらかめのビーフジャーキーを炙った「スモークビーフ」750円は「ハイネケン」と「ハイネケンダーク」各700円の深い味わいにぴったり。もとはレストランを経営していただけあり、ビーフシチューなど、本格的な料理も。
5.ファンクグループ「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」と、店の壁を覆う本物の石が、「ストーン」という店名の由来になっている。

Soul Bar Stone

住所 東京都新宿区百人町1-22-26 白浜ビル1F

電話番号 03-3366-3005

営業時間 19:00~翌4:00

休日 日・祝

金額 チャージ\500、ビーフシチュー1000円、スパイシーピザ900円、オイルサーディンのサルサ焼き750円、ハイネケン700円

URL http://www.t3.rim.or.jp/~soul/


ネパール人の温もりに触れながら食べる素朴でヘルシーなネパール料理
ネパール料理&バー マンダラ赤坂店

 都内だけで150軒以上はあるといわれているネパール料理店。インド料理ほど刺激が強いわけではなく、また米を使った料理が多いことから、幅広い年代の日本人に支持されている。

 赤坂駅のすぐ近くにある「マンダラ」は、シェフはもちろんスタッフもほとんどがネパール人。真っ白な壁に囲まれた内装から受けるこじゃれた印象とは異なり、人々の温もりに包まれた居心地のいい店だ。日本語が堪能なスタッフとネパールの食事や文化について話していると、心はヒマラヤ山脈へと飛んでいく。

 ここの特徴は、生クリームや牛乳、バターなどの動物性調味料や化学調味料をいっさい使わないヘルシーな料理。付け合せには野菜をたっぷりと使い、油はひかえめにするなど、隅々まで配慮している。辛さは、マイルドから激辛まで柔軟に対応してくれるので、気軽にリクエストしてみよう。

 ネパール人にはお酒好きが多いことから、おつまみ系メニューも豊富だ。おすすめは、トマトソースで味わうネパール式蒸しぎょうざ「モモ」840円や、豆と卵のお好み焼き風「ケェンウォー」945円、そしてネパールから直送したスパイスで和えた鶏肉料理「チョエラ」1050円。ちょっと変わったところでは、羊の脳みそ炒め「ネェプ プカ」1575円も興味深い。味も食感も白子に似ていて、意外にもクセはなく、ネパールの家庭酒「ロキシー」1050円やラム酒「ククルラム」1050円によく合う。店内のタンドール釜で焼き上げたモチモチのナンと一緒に食べるもいいだろう。

 BGMはもちろん、ネパール音楽。店内では、不定期でライブイベントも開催されている。ネパールの伝統音楽や民族舞踊はもちろん、日によってはフラダンスやベリーダンス、サルサレッスンなどが楽しめるというからユニークだ。

 「フラダンスを見ながらネパール料理?」と訝ることなかれ。そもそもネパール料理は、インド料理とチベット料理、中華料理が融合されたもの。この“ごちゃまぜ感”こそが、ネパールらしさなのかもしれない。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

ネパール料理&バー マンダラ赤坂店

1-2.テーブルではキャンドルが揺れ、幻想的な雰囲気。都心の隠れ家にたどりついたような、おしゃれ感が漂う。ソファ席やカップル席、カウンター席など、人数や気分によって使い分けたい。
3.ボトルがずらりと並んだカウンター席。バーとしても利用できるので、食事をすませて「ちょっと一杯」というときにも便利だ。
4.千代田線赤坂駅5b出口から歩いて1分程度。黄色と赤の鮮やかな看板が目印だ。洞窟を思わせるアプローチが面白い。
5.「チョエラ」1050円とキリン「生ビール」630円。ほかに、ヒマラヤ山脈から湧き出たミネラル豊富な水で作った「ネパールビール」945円も用意。

ネパール料理&バー マンダラ赤坂店

住所 東京都港区赤坂6-2-14 レオ赤坂ビルB1

電話番号 03-5549-4344

営業時間 11:00~15:00、17:00~深夜0:00

休日 無休

金額 イベントにより異なる

URL http://www.mandala-net.com/


70年代の名機で70年代の音楽を聴かせる「時代」にこだわるミュージックバー
KING HARVEST

 かける音楽は、戦前から70年代までのロック、ソウル、ブルース、ジャズ。ジャンルは問わない。しかし「時代」にはこだわる。

 「70年代までの音楽って、多重録音はあったけれど、打ち込みはまだなかった。だから、アナログ録音ならではの良さがあったんです。そんな時代感が好きなんですよね」と店主の平野敏樹さんは語る。

 中学時代から音楽少年だった平野さん。お小遣いを貯めて最初に買ったレコードは、サザンロックの先駆者CCRだった。そしてお金が貯まればレコードを収集する生活が始まり、気づけばアナログレコード1万枚、CD1万枚のコレクションを持つまでになっていたという。その音楽に対する情熱をいかすべく、平野さんはソニー・ミュージックエンタテインメントに勤務。22年に渡り、洋楽、邦楽の企画、宣伝、制作に携わってきた。

 「ストーンズの東京公演の際、メンバーと一緒に弁当を食べたのは嬉しかったなあ」と笑うが、仕事だけでは自身の音楽への情熱は満たされなかったという。そして「自分の好きな曲をかける自分の店を持ちたい」と、脱サラ。2002年に「キング・ハーベスト」をオープンしたのだ。

 店に置かれているのは、平野さんの膨大なコレクションから厳選された2000枚ものアナログレコードとCD。ゲストのリクエストや季節に応じて、定期的に入れ替えをしている。オーディオ機器においても、「時代」へのこだわりは同じ。使用しているのは、学生時代から使っていた70年代のヤマハのスピーカー。デジタル時代になる前のものなので、アナログ特有の温かみのある音を聴くのに最適なのだとか。

 「アイリッシュ・ケルトのヴァン・モリソンは、アイリッシュウイスキーを飲みながら聴いて欲しい。トム・ウェイツなら、彼がCMで飲んでいたバーボンが似合うだろうな。エリック・クラプトンの『ワンダフルワールド』は、キリンラガービールに合うんじゃないかな。音楽って、酒と料理のおいしい友達なんですよ」

 酒×音楽のごきげんなマリアージュまで教えてもらったら、きっとこの店で過ごす時間は、もっと深く楽しくなるはずだ。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫

KING HARVEST

1. 30~40代の音楽好きをはじめ、音楽業界の人も多く訪れるという。
2.「SOUL PACK」「Chicago Sound」など、日本国内で70年代に生産されたソウルのコンピレーションアルバムは、ほぼすべて網羅。当時大流行し、各レコード会社が制作したもので、今では外国で高値で売られているという。
3. 70年代の名機ともいわれるヤマハのスピーカー。温かなアナログ録音の音を聴くのに最適。
4.店内には2000枚ものLP、CDが置かれ、リクエストも受けてくれる。ほとんどが洋楽だが、平野さんがソニー時代の最後に、企画から関わった小坂忠など、邦楽も一部置かれている。
5. 胡椒がきいた「特製ポテト(ジャーマン風)」650円は、どんなお酒にもピッタリ! 「ピザ(マルゲリータ)」850円。ピザ、パスタ類は、ソースや具をリクエストでき、お好みで作ってくれる。「キリンラガービール」750円。

KING HARVEST

住所 東京都港区赤坂6-3-8 高松ビルB1F

電話番号 03-5545-4758

営業時間 18:00~翌1:00

休日 日・祝

金額 サービス料10%、佐賀地鶏のオーブン焼き997円、ピザ、パスタ(リクエストOK)840円~


ジャムセッションも楽しめるライブバー
Miles' Café

 池袋駅北口から商店街を行くと、ぽつんと光る赤い看板。それを目印に地下に降りれば、そこが、音楽好きが集う、隠れ家のようなライブバー「マイルス・カフェ」だ。店名からも分かるように、マスターは大のマイルス・デイビス好き。挨拶をすると「どうもマイルスです」と大きな両手でハグを求めてきた。店長のマイルスさんは生粋の日本人だが、名刺も「Miles」。トランペット歴50年というベテラン・トランペッターで、演奏している姿は、どことなくマイルス本人に見えてくるから不思議だ。

 フロアは2つ、B1FのアコースティックフロアとB2Fのエレクトリックフロアがあり、生ライブが行われるのは主に、ミラーボールが煌めくB2だ。ジャズ、ファンク、ソウル――生音ならではのグルーブ感溢れる演奏が味わえる。

 「人気のあるライブだと、ビルの前に行列ができたりするから、通行人がびっくりするんだよ。なんでこんな何の変哲もない普通のビルに行列が!?って(笑)」

 また、ライブだけでなく、ジャムセッションが楽しめるのもここの魅力。グランドピアノとドラムセットが置かれたフロアでは、ライブ以外でもいつも楽器の音が鳴っている。

 「ジャムやレッスンは初心者からプロ級までレベルごとにクラスに分かれていて、3時間のレッスン中、お酒が飲み放題。食べ物持ち込み自由。教室、というよりも、その時間にみんなで集まって音楽で遊ぶ。そんな感じかな」

 ジャズの基本ルールはもちろん、グルーブやタイム感も教えてもらえると人気で、毎回ほぼ満席だとか。週末は家族連れも多く、小学2年生のドラマーがいたり、70代の方がいたりと、年齢層が幅広いのも面白い。楽器を習い始めたが演奏する場がないと、二胡やビブラホン、ハーモニカなど、自前の楽器を持ってくる人もいるそうだ。

 「このお店は“自分ちの応接間”。そこに友だちを呼んでる、そんなつもりでやってます。音楽を通して友だちを作ってほしいんだよね」

 ラフなようでいてその実、ピアノの調律など、楽器の手入れは都内でも有数という音へのこだわりも人気の所以かもしれない。こちらではレーベルも持っているので、プロを育成するプロジェクトも行っているそう。プロが自分たちのやりたい音楽ができる場所を提供し、アマチュア、セミプロ、が上達するのを応援する、それがマイルス流だ。

 また、こだわりのフードメニューは日替わりで300円ぐらいから。お酒もカクテル類などが充実。秋の夜長に、音楽を肴に老いも若きも一緒になって遊ぶ――そんなフリースタイルさもまた、マイルスの愛する“ジャズ”なのだ。

取材・文/宮原香菜子  撮影/高須 力

Miles' Café

1-2.30~50名のB1フロアはブルーが基調。ジャムセッションは主にこちらで行う。
3.ミラーボールのあるB2フロアは50~70名。最大100名まで入る。貸し切りのライブもある。値段はライブにより異なる。スケジュールはHPで確認を。
4.大学対抗バンド合戦の全国大会で優勝したという腕前を持つマイルスさん。
5.ハートランド700円、鶏とブロッコリーのホワイトソース500円、ソーセージの盛り合わせ800円。

Miles' Café

住所 豊島区池袋1-8-8池袋労働基準会ビルB1・B2

電話番号 03-5951-6807

営業時間 19:30~23:00

休日 無休

金額 ハートランド700円、カクテル600円、グリーンカレー(ライス付き)900円など

URL http://www.milescafe.com/index.html


あなたの隣にいつもあり、酒、音楽、アートの三位一体で酔わせてくれるネイバーフッドバー
HEARTLAND

 365日オープンしていて、好きな時にふらっと訪れることができる。地域に密着し、自分のすぐ隣にいつもあるような気がするバー。そんな「ネイバーフッドバー」が、「ハートランド」のコンセプトだ。

 店内は、定期的に展示が変わるギャラリーとなっており、ドローイングなどのアートが飾られている。そして月曜から土曜の夜9時から朝4時までは、DJタイム。Michio nakamura、tomonori maeda、enuoh、toyohito fujiwaraなどのDJが、日替わりで専用ブースに立ち、ハウスやジャス、ラテンミュージックなどをプレイしてくれる。さらに定期的に、ポップスやボサノバなどのライブも開催。ふらりと訪れ、キャッシュオンデリバリーで好きなものをオーダーし、酒とアート、音楽に、思い思いに酔う。「ネイバーフッドバー」という雰囲気に相応しい、気楽さと楽しさに満ちているのだ。

 実はこの店、出すビールは「ハートランドビール」のみ。「酒とアートと音楽の三位一体が、ハートランドのコンセプトなんです。水と麦芽、ホップ本来の味をいかしたハートランドビールは、もの本来の価値にこだわったビール。その味へのこだわりと、エンボス加工がスタイリッシュなボトルデザインなどが、アーティスティックなものと共通するんです」とチーフ・バーテンダーの堀口洋輔さんは語る。彼の言葉どおり、その三者の奏でるハーモニーに心地良く酔える稀有なスポットなのだ。

 今年3月に、店内をダークトーンのウッディ調にリニューアルし、ゆったり食事ができるラウンジスペースが追加された。また紀ノ国屋とタイアップしたこだわりの新メニューも登場と、ますます大人向けに進化。店の間口をより広げ、私達ゲストを毎夜迎えてくれる。

取材・文/高橋かおり 写真/横田敦史 

HEARTLAND

1.ハートランドビールをイメージし、グリーンをアクセントにした店内。スタイリッシュなデザインは、小坂竜氏によるもの。壁のアートは半月~1ヶ月に一度変えられる。DJブースではハウス、ラテン、ジャズなどがプレイされる。イベント時にはラウンジスペースにもDJブースが設けられる。JBLのサウンドシステムは、人の会話のトーンに心地よく合うよな音量を実現。
2.1晩で2000本近くも売れるビールを瞬時に冷やす、特別な水冷冷蔵庫。
3.「ハートランドビール」¥500。スタイリッシュなボトルデザインを楽しめるようにと、瓶のままサーブされる。炭酸ガスが抜けないので、非常に美味。ボリューム満点で男性客に好評の「パワフル・プレート」¥1,200。
4.六本木ヒルズの1階にある、隠れ家的な店。

HEARTLAND

住所 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズウエストウォーク1F

電話番号 03-5772-7600

営業時間 17:00~翌4:00( 3:30 LO )

休日 無休

金額 チャージ、サービス料なし。ハートランドビール¥500。紀ノ国屋タイアップメニューからリエット(イベリコ豚、ダック、ビーフ)¥1600、トゥデイズ・ピンチョス(2P)¥500~、スモーク三種¥1000

URL http://www.heartland.jp


アナログ録音された70年代ソウルの魅力にどっぷり浸かれるSoul Bar
SOUL MUSIC BAR OHIO

 男性、女性ともに1人でも行ける隠れ家的な店。ソウル&ファンク・ミュージックをリアルで聴いていた40~50代、その後のブラコン、NJWを渡ってきた30代、そして現在の音楽のネタやルーツを求めてくる20代。普段の生活ではまったく接点を持たない客同士が「ソウル」を媒体にして親しく言葉を交し合う。そんな年齢を忘れさせる幸せなコミュニケーションが、この店は持っている・・・。無論カウンター席に座し、ひとり静かに音楽に酔う人もいる、友人と連れ添い賑やかに過ごすのも自由。自分の好きなように楽しめる、懐の深い店なのだ。

 マスターのKinyaさんは「音楽に囲まれて仕事がしたい」という10代からの夢を、24歳のときに実現。等々力で7年、武蔵小山で3年、そして自由ヶ丘に移転し、13年以上に渡りソウルバーを経営してきた。営業中はカウンター内に設置されたDJブースの前に立ち、約9000枚におよぶレコードとCDの中から選曲し、その日の客の雰囲気に合わせたソウルフルな音楽を流してくれる。

 「60年代から現在にいたるまでのブラック・ミュージックは勿論、共通点のあるジャズ、フュージョン、そしてソウルに影響を受けたAORなどをセレクトします。でもなんといっても中心は、僕の好きな70年~82年位のソウル&ファンク」と熱く語るマスター。一体なぜ その時代の音楽にこだわるのだろうか。

 「まだサンプリングや打ち込みのない時代は、今のように多く加工をしない、音楽本来の良さがあるんです。ストリングスで場面や奥行きを表現したり、生音ならではの温かみ、技術的にも工夫や計算がされて奥深い・・・音がとにかくこっていたんですよ。また他のジャンルのアーティストがソウル&ファンクを演奏したり、ソウル系のアーティストがジャズやロックのエッセンスをとりいれたりとクロスオーヴァーなのも、この時代の魅力なんだなぁ・・・」マスターの話は尽きない。油ののった素晴らしきソウルの世界について熱く語り合うというのも、この店の楽しみ方のひとつなのだ。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子 

SOUL MUSIC BAR OHIO

1-3. マスターの好きな青を基調としたお洒落な店内。モニターでは当時の貴重なLIVE,PV映像が流れている。 壁一面に貼られたレコード・ジャケットは曲のリスト代わり。ゲストはこれを見てリクエストも可能。
4.選曲はすべてマスターが手がける。ファンキーな曲は勿論、スローな曲からミディアム、新旧おりまぜて、まんべんなくかけるという具合に客の好みや雰囲気に応じて選曲をしている。
ターンテーブルはテクニクス、アンプは当時の音を奏でるのに相応しい70年代のサンスイ製、スピーカーはサンスイと相性が良いとされるJBL。バーでは珍しくDJブースがあり、その目の前の席は1人客に人気。
5.ビール酵母を衣に練りこみ、お酒との相性が抜群の「オニオンリング」650円と「ハートランド」600円。小腹が空いた時は特製のソースを使ったパスタもおすすめ。

SOUL MUSIC BAR OHIO

住所 東京都目黒区自由が丘1-2-14-2F

電話番号 03-3718-0096

営業時間 19:00~翌2:00

休日 日

金額 チャージ500円、ハイネケン600円、チョリソー・ソーセージ700円、タコス650円、トマトとバジルのスパゲッティ950円など

URL http://www.geocities.jp/ohio_funkysoul/


生演奏がノーチャージで楽しめる気さくでクールなアイリッシュパブ
The Black Sheep

 アイルランドには、どんな小さな村にも必ずパブがあるという。人々は毎日のようにパブに足を運び、ビールを飲みながらおしゃべりに興じているとか。そもそもパブの語源は、「パブリックハウス(公共の家)」。アイルランド人にとって、パブは単なる飲み屋ではなく、社交場としての役割を果たしているのだ。

 池袋駅から歩いてわずか3分の場所にある「The Black Sheep」は、そんなパブの空気感と、クールな大人の雰囲気を併せ持った店だ。客層は、仕事帰りに立ち寄るサラリーマンやOLが中心。外国人客の姿も多く、英語と日本語が飛び交う店内は活気に満ちている。

 店を切り盛りするのは、青春時代をアイルランドで過ごし、本場のアイリッシュパブでも働いていたマスターだ。「アイルランドのパブよりも、この店の方がより気さくな雰囲気ですね。私やスタッフが皆さんにどんどん声をかけていくので、1人で来ても寂しくないですよ」と話す。

金曜・土曜を中心に、月に5~6回のペースでライブも開催している。UKロックやポップスなどさまざまなジャンルの音楽を、ノーチャージで楽しめるというから、音楽好きなら見逃す手はない。液晶モニターでは、マスターが好きなヨーロッパのサッカーをライブ放映。試合がある日には本場さながらの熱気に包まれる。  手もとには、もちろんビール。「キリンラガー」など5種類の生ビールに加え、アイルランドやベルギーなど8種類の瓶ビールが用意されている。なかでも、イギリスのビール「ぺディグリー」を生で飲める店は都内でも珍しい。

 パイントグラスを片手にフィッシュ&チップスをつまめば、気分はアイリッシュ。たまには仕事帰りに居酒屋、ならぬ仕事帰りにパブで、リフレッシュしてみるのもいいだろう。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫 

The Black Sheep

1.ライブは夜9時~11時ごろに開催。客席とステージとの距離は極めて近く、迫力たっぷりの演奏が楽しめる。毎日午後6時~8時のハッピーアワーには、生ビールが200円オフ、カクテルがオール500円になる。
2-3.木づくりの家具やレンガの壁が、独特の重厚感をかもし出す。液晶モニターではサッカーのほかに、ミュージックビデオも放映。
4.揚げたての「フィッシュ&チップス」(1000円)は、モルトビネガーをたっぷりかけて食べるのがアイリッシュスタイル。
5.きめ細やかな泡が美しい「キリンラガー生ビール」(700円)と、爽やかな後味の「ハートランド」(600円)。

The Black Sheep

住所 東京都豊島区東池袋1-7-12 B1F

電話番号 03-397-2289

営業時間 18:00~深夜1:00(金・土曜~深夜2:00)

休日 祝

金額 チャージなし

URL http://theblacksheep.jp/index.html


ヒットチャートをアカデミックに研究する“洋学博士”が待つ、80年代ロックバー
STAY UP LATE

 サラリーマンの聖地、新橋。ビールケースを逆さにし、テーブル代わりにした店が両脇に連なり、“ココはアジア?”といった趣のディープな通りに、80年代ロックバー「STAY UP LATE」は佇んでいる。「音楽と酒を楽しむバーというのは、新橋では珍しいスタイルかもしれませんね」と語るのはマスターの奥村裕二さん。とはいえ、客の9割5分が男性、そして8割が30代後半~40代前半と、新橋の客層に相応しい、れっきとしたサラリーマンの憩いの場となっている。

 「STAY UP LATE」では、1オーダーにつき1曲のリクエストができる。6000枚のCDが並ぶバックバーをヒントにしてもいいが、ユニークなのが、リスト代わりに用意されている「TOP POP」などのヒットチャート本だ。実は奥村さんは、学生時代にヒットチャートを研究するサークルに所属。“洋楽博士”とも称されたチャートマニアなのだとか。そんな博士にとって80年代ロックは、チャートという視点から見ても、大きな魅力を秘めているという。

 「ベストヒットUSAが流行していたこの時代は、ベスト10のなかに、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースやフィル・コリンズなどのポップスもあれば、ボン・ジョヴィのようなハードロックや、ライオネル・リッチーやダイアナ・ロスなどのブラックミュージックも入っていて、チャートがすごくカラフルだったんです。日本人が最も洋楽を聴いた時代なのではないでしょうか。ヒットチャートを眺め、そんな時代に思いを馳せながら、リクエストするのもなかなか楽しいですよ」。

 ちなみにこの店は、チャージもサービス料もなし。そしてドリンクもつまみも、キャッシュ・オン・デリバリー。そんな気楽さに惹かれてか、ビールを飲み、好きなロックをリクエストして “30分”で帰る。しかし“毎日”訪れる。そんな客が多いのだとか。大人が遊ぶに相応しい新しい聖地を見つけた。

取材・文/高橋かおり 写真/下村孝 

STAY UP LATE

1. 渋谷にある某ロックバーのファンだった奥村裕二氏が2003年にオープン。当時は60~70年代のアナログレコードをかけるロックバーが主流だったが、「これからの世代のロックバーを作りたい」と、あえて自分が好きな80年代にこだわったという。新橋を選んだのは、サラリーマン時代にこの地に勤めていたから。
2.CDがアルファベット順におさめられた棚は、マスターの父上の手作り。客からプレゼントされたCDもあり、客に育てられた棚だとか。
3.「TOP POP」などのヒットチャート本が、リクエストのヒントになる。アカデミックにチャートを研究しているマニア心をくすぐる。
4.黒を基調に、赤いライトをアクセントに配したシックな店内。HEARTなど、80年代ロックミュージシャンのポスターが飾られている。
5.フードはつまみのみ。「ビーフジャーキー」700円と「ハイネケンダーク」800円。

STAY UP LATE

住所 東京都港区新橋4-18-6

電話番号 03-3433-7535

営業時間 19:30~翌1:00

休日 土・日・祝

金額 料金 チャージなし、ハイネケンダーク800円、淡麗アルファ800円、ポップコーン400円、シュウマイ500円、ソーセージ盛り合わせ800円

URL http://www.stayuplate.jp


ロックDVDの映像を眺めながらイタリアンを食べる、銀座のロックバー
Rock Bar VOX

 銀座の8丁目といえば、高級クラブがひしめくエリア。そんな地に潜む「Rock Bar VOX」には、当然この街で遊ぶ、大人の男性客が多く集まるという。

 「70~80年代のロックを中心に流しています。今まで銀座には、ソウルやジャズ、ブルースなどをかけるバーはあったのですが、ロックバーは合わないと敬遠されていたんです。しかし蓋を開けてみたら、ロック好きの大人の方がたくさん来店してくださって」と、店長の藤重悟さんは語る。店では300枚CDチェンジャーと2台のDVDプレイヤーを駆使して、CD500枚とDVD 200枚をプレイ。リクエストも受け付けているが、なにより映像つきで鑑賞できるのが人気で、ほとんどがDVDからのリクエストだという。

 「場所柄、ロックを聴かない女性を同伴されるお客様も多いのですが、“キムタクのドラマ主題歌や映画のテーマソングだよ”と、クイーンやイーグルスなどのメジャーどころをかけると、会話が盛り上がるようです。またエルトン・ジョンやクラプトンなどの大物が来日する際には、ライブの前後に当店でDVDを鑑賞するお客様が多いんですよ」。

 また、充実したフードも見逃せない。腕をふるうのは、イタリアン出身のシェフ。全粒粉の薄焼き生地から手作りするピザ、ソースや味付けの細かいオーダーが可能なパスタやリゾットなど、イタリア料理店顔負けのメニューも揃っている。おいしいものを食べ、大音量のロックと酒に酔う。そんな銀座の一夜を楽しみたい。

取材・文/高橋かおり 写真/下村孝 

Rock Bar VOX

1. カウンターとゆったりしたソファ席から成る店内。 37インチと42インチのモニターで映像を流している。DVDやCDの持ち込みもOK。
2.300枚チェンジャーを使ってプレイ。
3.CDジャケットをそのまま使ったリストを見ながら、リクエストができる。
4. ビートルズも愛用した「VOX」のアンプやフェンダーのギターのオブジェが飾られている。
5. 「茄子のトマトソースパゲッティ」1100円、「アボカドとサワークリームのサラダ」800円などフードが充実。「ハートランド」は800円。

Rock Bar VOX

住所 東京都中央区銀座8-7-10 第1常盤ビルB2F

電話番号 03-3571-2006

営業時間 19:00~翌5:00、土曜18:00~23:00

休日 日・祝

金額 チャージ\1000(女性同士で訪れると無料)、サービス料15%、トスカーナ産生ハムと辛口ナポリサラミ900円、生ハムとグラナバターノリゾット1100円、本日の前菜3種盛り合わせ1600円

※e-daysを見たとオーダー時に伝えれば、チャージ、サービス料ともに無料サービスになります。


音楽、スポーツ、ダーツ、そして酒 自分好みの楽しみ方が待つバー
Super Lunch Magic

 お笑い芸人やアーティストなど、サブカル系の人々の聖地となっている東中野。そんな地でミュージシャンや芸人達で夜な夜な賑わっているバーが「Super Lunch Magic」だ。

 「コンセプトがないのがコンセプトです」と笑うのは、3代目マスターの古山嵩さん。その言葉通り、店内にある大型プラズマテレビにはスポーツの映像が流れ、店の片隅にはダーツ、バーカウンターには花札ゲームのマシンが置いてある。そして店内でかかっている音楽にも一家言あり、という具合だ。

 「かける音楽は、ヒップホップ、ファンク、ロック、ソウルとさまざま。でも、ベースとドラム、つまりリズム隊が気持ちいいもの、という基準で選んでいます」と古山さん。ゲストからのリクエストに応えることもあるが、店の雰囲気に合わなければけして流さないというこだわりも。

 また、かつて同店でアルバイトしていた磯本ユキオ氏は、今はミュージシャンとして活動。古山さんは、そのCDのプロデュースや、ライブイベントの企画運営にも携わったこともあるそうだ。そんな人脈も手伝い、店には自然と音楽好きやプロのミュージシャンが集ってくるのだという。

 「お客さんとの関係は、完全に“密着型”です(笑)。音楽や映画などのカルチャーの話や、仕事の熱い話なんかを一緒にして盛り上がっています。お客さんと仲良くなって、フジロックやサマーソニックなどの夏フェスに、よく行きましたね。今はちょっと歳をとったせいか、お客さんと行くのはもっぱら登山かフットサルに変わりましたが(笑)」

 ロックフェスもスポーツも、お酒がおいしく飲めることが共通点なのだとか。もちろん、それは「Super Lunch Magic」で楽しむ時間も同じ。中野という場所柄から、生ビール450円、チャージ300円と、価格設定がリーズナブルなのもかなりの魅力。独特のサブカル的雰囲気に浸りつつ、ゆるりと、自由に、音楽と酒、会話に酔いしれたい。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子 

Super Lunch Magic

1.カフェのように気楽な雰囲気が漂う店内。スポーツ鑑賞をしたり、ゲームに興じたり、音楽に酔ったりと、好みの楽しみ方を見つけたい。
2.ダーツは、20時まで1ゲーム100円。
3.生地から手作りする「トマト&ベーコンピザ」800円と「一番搾り・生」450円。オムソバやペペロンチーノ、ハンバーガーなど、お腹にしっかりたまるメニューも充実している。
4.古山さんがプロデュースした磯本ユキオ氏のCD「愛の詩」。
5.3代目マスターの古山嵩さん。

Super Lunch Magic

住所 東京都中野区東中野4-9-1-2F

電話番号 03-3360-7843

営業時間 18:00~翌3:00

休日 火曜

金額 チャージ300円、一番搾り・生450円、ピッチャー1600円。ハイネケン600円、ペペロンチーノ700円、サイコロステーキ800円、あらびきソーセージ600円、ポップコーン無料

URL http://www.superlunchmagic.com


ジャズライブとシガー、酒、書籍…究極の嗜好品に酔える隠れ家バー
TABLEAUX LOUNGE

 酒とシガー、本、そしてジャズ。そんな大人が愛する究極の嗜好品が楽しめる隠れ家が、代官山にある「タブローズ ラウンジ」だ。

 豪奢なシャンデリアが下がる天井、アンティーク調の重厚な調度品、写真集や画集など、アート系の蔵書が備えられた書棚…。そして奥には、多くのピアニストや作曲家から「神々の楽器」と讃えられるスタインウェイのアンティークピアノが鎮座している。店内インテリアのコンセプトは豪華客船だそうだが、古き良き時代を彷彿させる客船内にいるようだ。

 毎晩この舞台で、海外から招聘したミュージシャンのライブが繰り広げられる。アーティストは2~3ヶ月の交代制。8月30日までは、LAを拠点に活躍し、「タブローズ ラウンジ」のグランドシンガーとして毎年来日しているジャズシンガー、Betty Bryantが出演。月曜~土曜日の21時20分から4ステージを催し、繊細でダイナミックな歌声で多くのファンを魅了しているという。

 この店の遊び方は自由だ。ミュージック・カバー・チャージが必要なのはテーブル席のみで、バーカウンターやスタンディングのシートにはかからない。したがって、音楽に集中して酔いしれても、心地よいジャズの音色をバックに純粋に酒と向き合うという使い方も可能だ。ウォークインヒュミドールには数百本もの最高級シガーが揃っているので、ゆったりと紫煙をくゆらせるのも良いだろう。またビールをはじめ、セラーに眠る世界10カ国、約130種ものワインを開けるのも自由である。もちろん書棚にある書物を広げるのも…。

 サマセット・モームは「良い葉巻は、私の知る限り最上の喜びのひとつである」と語ったと伝わる。音楽と酒、そしてシガーを自在に組み合わせ、自分らしいスタイルを見つけ出すことも、きっと大人にとって最上の喜びなのだろう。

取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子 

TABLEAUX LOUNGE

1.豪華客船をイメージしたという重厚で絢爛豪華な内装が目を引く店内。
2.ニューヨーク製のスタンウェイのピアノ。
3.ウォークインヒュミドールには、厳選された最高峰のシガーが数百本眠っている。
4.バーカウンター席はチャージが不要。
5.シェフズインスピレーション タブローズラウンジ スペシャルプレート2400円~。ハモンセラーノやチーズ、パン、自家製の野菜のエチュベなど、酒の肴に合う前菜を盛り合わせた。ドラフト ハイネケンは840円。

TABLEAUX LOUNGE

住所 東京都渋谷区猿楽町11-6 サンローゼ代官山B1F

電話番号 03-5489-2202

営業時間 18:00~翌4:00

休日 無休

金額 ミュージック・カバー・チャージ1050円(テーブル席のみ)、ドラフト キリン ハートランド840円、ドラフト ハイネケン840円、スペイン産ハモンイベリコ1050円など

URL http://www.lounge.tableaux.jp/jp/daikanyama


来日間近! マイケル・シェンカーを愛する仲間たちが集うロックバー
CRY BABY

 モニターではマイケル・シェンカーのライブDVDが流れ、壁には彼が愛用していることで知られるツートンの「フライングV」やレコードジャケットが飾られている。10人も入れば満員になる小さな店内は、マイケル・シェンカーへの愛でいっぱいだ。

 「マイケル・シェンカーに特化した店は、たぶん日本でここだけでしょう」と話すのは、マスターの桜井信幸さん。高校生の頃にはまって以来20年にわたって聴き続けているという、筋金入りのマイケル・フリークだ。「ロックバーはたくさんあるのに、マイケル・シェンカーをメインにした店は見当たらない。それなら自分で作ってしまおう」と、今 年2月にサラリーマンから転身。中野サンプラザから徒歩5分の場所に、店をオープンさせた。

当然、訪れる客もマイケル・フリークが中心だ。共通の趣味を持っている者同士が集うから、店内はいつも打ち解けた雰囲気。腕に自信のある客が「フライングV」を弾き、即席ライブが開かれることも珍しくない。「マイケル・シェンカーはそれほどメジャーじゃないから、会社や学校ではなかなか話をできる相手が見つからない。ファン同士の交流場所としても、喜んでいただいています」と桜井さん。噂を聞きつけて、遠方から訪れるマイケル・フリークもあとを絶たないという。

 8月28・29日には、マイケル・シェンカー・グループの来日公演が中野サンプラザで行われる。中野サンプラザといえば2006年11月17日、3曲目の途中でマイケル・シェンカーがギターを投げてステージを降り、そのまま“体調不良”でキャンセルしてしまったといういわくつきの会場だ。「マイケルはよくやらかすので、『今回は頼むよ』という感じです(笑)。ライブを見た後に、余韻に浸りながらみんなでお酒を飲みたいですね」と桜井さん。『CRY BABY』が最も熱くなる2日間に向けて、テンションは日々高まっている。

取材・文/渡辺裕希子 写真/横田敦史 

CRY BABY

1.黒とシルバーで統一された店内は、硬派なイメージ。マイケル・シェンカーのほかにもヴァン・ヘイレンやボン・ジョヴィなど、1980年代のハードロックやヘビーメタルが流れる。
2.白と黒に塗り分けられた「フライングV」の隣には、マーシャルのアンプが置かれている。
3.カウンターに飾られた直筆のサイン色紙。よく見ると「TOSHIBA EMI」のロゴが逆さまになっており、ボーカルのサインも抜けている。かなりレアな1枚といえるだろう。
4.「フライングV」をモチーフにデザインされたロゴマークが目印。店名の『CRY BABY』は、マイケル・シェンカーが使っているエフェクターにちなんで名づけられた。
5.辛味が強い「ピリ辛チョリソー」350円と、「ハートランド生ビール」500円。

CRY BABY

住所 東京都中野区中野5-50-10

電話番号 03-3387-8140

営業時間 19:30~翌3:00

休日 月


30年以上にわたって歴史を刻み続けるレンガとアンティークに囲まれたライブハウス
SOMETIME

 古びたレンガの壁に囲まれ、アンティークの英国製掛け時計が時を刻む。映画の中から飛び出してきたような、趣のある空間。1975年に開店した「SOMETIME」は、長い歴史が隅々まで染み込んだ、趣のあるライブハウスだ。

 「開店当初は、私語OKの気さくな店だったんです。でも最近は、おしゃべりをせずに集中して音楽に聴き入っているお客様が多いですね」と話してくれたのは、店長の宇根裕子さん。チャージが1600円~と、都心の店に比べて手頃なこともあって、店にはいつも多くの客が訪れ、活気に満ちている。

 毎夜行われているライブには、20年以上にわたって出演しているベテランから、期待値が高い若手のセミプロまでさまざま。「マニアックなものはなるべく避けて、誰にでも分かりやすいジャズを提供するように心がけています」と宇根さん。だからこそ、初めて訪れる人もコアな常連客も、分け隔てなく同じスタンスで楽しむことができるのだろう。女性一人で訪れる客が多い、というのも納得だ。

 ステージは、店の中央に置かれている。周囲を客席がぐるりと囲み、好きな角度からミュージシャンの演奏を眺めることができる仕組みだ。かぶりつきで見たいときにはステージ真横の席、全体を見下ろしたいときにはロフト席と、好みによって使い分けられるのが嬉しい。なかでもツウに人気なのが、ピアノの真裏にあるカウンター席。日本にライブハウスは数あれど、ピアニストの指づかいが間近で見られる店はそうないからだ。

 昼間は、パスタやピザなどの軽食やケーキが楽しめるカフェとして営業している。ジャズをBGMにランチを楽しむもよし、一人で読書にふけるもよし。夜の余韻が残った店内で、時間を忘れて過ごしたい。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫 

SOMETIME

1.月ライブは、ひと晩に2ステージまたは3ステージ。日曜と祝日には昼のライブも開催される(チャージ1000円~)。週末はとくに」込み合うので、事前の予約がおすすめだ。
2.壁の落書きは、今は亡きオーナーが「RedGarLand Trio」のレコードジャケットを真似て描いたもの。
3.4.オーナー自らが泊り込みで作った、こだわりの内装。アンティークの家具や小物が随所に配置され、独特の雰囲気を醸し出している。
5.マスタードを付けてシンプルに食べる「ソーセージのオーブン焼き」1000円。上品な後味の「キリン一番搾りSTOUT(小瓶)」500円とともに。

SOMETIME

住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-31 B1F

電話番号 0422-21-6336

営業時間 11:00~深夜0:00

休日 無休

金額 チャージ1600円~

URL http://www.sometime.co.jp/sometime/


ソウルミュージック×酒という 自分好みの組み合わせを追求したい
SOUL MUSIC,BEER&SPIRITS BAR Ali-Ollie!!!!

 パティ・オースティンの「セイ・ユー・ラブ・ミー」がかかると、バーは郷愁を誘うどことなく甘酸っぱい雰囲気に一変。女性は甘いカクテルを、男性はハードリカーをくいっとあおりたくなる。そしてマーヴィン・ゲイの大定番「セクシャル・ヒーリング」の都会的なサウンドが流れればカクテルの王様マティーニを、テンプテーションズのアルバム「リユニオン」の歌謡曲チックな美しいメロディーが聴こえてくればソルティーテイストのマルガリータを飲みたくなる…。ソウルミュージックの傍らには、いつもおいしい酒がある。「ソウル ミュージック ビア アンド スピリッツ バー アリ=オリ」に足を踏み入れれば、誰もがきっとそう思うはずだ。 

 このソウルバーは、マスターの小野田淳夫氏のソウル好きが高じて2005年にオープン。自身のコレクションである2000枚のアナログレコードと5000枚ものCDを、一曲ずつかけてくれる。アイズリー・ブラザーズ、ダニー・ハザウェイ、スモーキー・ロビンソン、サム・クック…珠玉の名曲を聴きながらグラスをかたむけるのは、4、50代の大人達にとってはたまらない至福であろう。

 ちなみに店名の「アリ=オリ」は、マスターが敬愛するソウルシンガー、テンプテーションズの元ボーカリスト、アリ=オリ・ウッドソンに因んだもの。実はアリ=オリ氏は度々このバーに来店し、店のスーパーバイザーも務めているとか。まさにソウルファン垂涎の店なのだ。酒の肴もソウル色満載。店イチオシの「横手やきそば」は秋田県横手市のソウルフード。太めの平打ち麺に目玉焼き、福神漬けをトッピングし、和風出汁がきいた特製ソースでいただくのが特徴だ。「ディスコ全盛期、ディスコのフリーフードといえば焼きそばでした。往時よくかかっていたドナ・サマーの“ホットスタッフ” をBGMに、その頃をぜひ思い出してください」とマスター。スタイリッシュな店内で懐かしさに浸れる、不思議な空間がここにある。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫 

SOUL MUSIC,BEER&SPIRITS BAR Ali-Ollie!!!!

1.2.赤と黒を基調としたムーディーな店内は、70年代のディスコをイメージしている。
3.テンプテーションズの元リードボーカリスト、アリ=オリ・ウッドソンも度々来店。カウンター向かいの壁には自筆のサインも描かれている。
4.自身のコレクションであった2000枚のアナログレコードと5000枚のCDから選曲。アナログは70~80年代のものが中心だ。
5.横手やきそば900円は、毎年開催される「B-1グランプリ」にもエントリーされている一品。黒胡椒がきいたパンチのある味わいで、ハイネケン750円の生によく合う。キリン・ドラフトマスターでもあるマスター曰く「ハイネケンは音楽フェスティバルの協賛も務めているので、音楽のお供に最適です」

SOUL MUSIC,BEER&SPIRITS BAR Ali-Ollie!!!!

住所 東京都渋谷区恵比寿西1-3-2 東栄第2ビル501

電話番号 03-5458-6005

営業時間 20:00~翌3:00

休日 日

金額 チャージ700円、カクテル850円~、バーボン650円~、ジャンバラヤ1000円など

URL http://www.barali-ollie.com


多彩な飲んべえが夜ごと集うアンティークに囲まれたジャズバー
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 今年5月でオープン30周年を迎えた代々木上原のジャズバー「por tin tin」を訪ねた。30年前には真っ白で味気なかったという漆喰の壁は薄茶色にくすみ、アールヌーヴォーやアールデコの家具とともに温もりを醸し出している。一歩ずつ確実に歴史を刻んできた店だけが持つ、本物の重厚感。隠れ家のようにひっそりと佇むこの店には、レコードから流れるジャズがよく似合う。

 30年間にわたって店を切り盛りしてきたのは、外資系航空会社の客室乗務員からジャズバーの店主へと転身した大林由利子さんだ。「人通りが少なく静かで、目立たないところが気に入った」と、この地に店をオープンさせた。「まったくの素人だった私が30年間も続けてこられたのは、いつも様々なジャンルの素敵な飲んべえさんたちが集い、豊かな時間を共有できたからでしょう。時代の流れとともにお客様の層も飲み方も変りつつありますが、今も文化の香りを残していると思います」と話す口調は、仕事に対する誇りと愛情に満ち溢れていた。

 クール・ジャズやモダン・ジャズを中心に1500枚を超えるレコードを持ち、昔から大のジャズファンだったという大林さん。しかし、過去に流行していたジャズ喫茶の形態にはやや懐疑的だったという。「物音一つたてず、シーンとした場所で一人聴くジャズも時にはいいかもしれないけれど、酒場のようにリラックスした雰囲気で聴けたら、お酒も美味しくより楽しいのでは…」店内は、お客の話し声とジャズの音色が入り混じり、いつも活気でいっぱいだ。

 この30年間で、街の様相は大きく変わった。当時閑散としていた街には洒落たレストランやバーが建ち並び、人通りもずいぶんと増えている。「これからもっと若い人たちが増えて、代々木上原がどういう街に発展していくのか楽しみ」と話す大林さん。この店が40周年、いや50周年と続いていくことを、願ってやまない。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

por tin tin

1. スペイン風のバーやフランスのビストロをイメージした店内。代々木上原駅から徒歩2分とアクセス至便だが、周囲は静かで喧騒とは無縁だ。
2. CDもあるが、レコードが中心。「ジャズは、レコードのほうが柔らかい音質でお酒に合う」とはママの弁。
3. 4.机や椅子から照明、時計まで、アンティークに囲まれた空間。漆喰の壁には、レコードジャケットがディスプレイされている。1人で来てもリラックスできる雰囲気だ。
5. ビールの中で最も人気が高い「キリンラガービール(中瓶)730円。ボリュームたっぷりの「チョリソー」850円とともに。

por tin tin

住所 東京都渋谷区上原1-35-6 水上ビル1F

電話番号 03-3465-6328

営業時間 18:00~翌1:00(土は~深夜0:00)

休日 日・祝

金額 チャージ600円


心地よいジャズの音色とおいしい酒にスウィングする銀座の夜
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 創業1976年という、銀座で最も古いJAZZクラブ「SWING」。酒を飲みながら本格的な生のジャズライブが楽しめると、毎晩、多くのジャズファンが集う人気店である。ステージを取り囲むように配された木目のカウンターなど、店内には老舗らしいオーセンティックな風格が漂う。ミュージックチャージを支払い、ワンドリンク、ワンフードをオーダーすれば、何ステージでも見ていてOK。さらに、ボトルキープすれば"会員"資格が得られ、ミュージックチャージが同伴者も割引きされるシステムだ。

 「うちのお客様は40代、50代以上の方が多いですね。なかには70代、80代の方もいらっしゃいますよ(笑)」という銀座スウィング・グループの取締役である岸下さん。銀座6丁目に姉妹店「SWING CITY」もあり、こちらはさらに客席とステージの距離感が近く一体感のある空間となっているそうだ。

 出演者は日替わりで、演目はもちろん演奏のスタイルも日によって表情が異なる。基本的にはスウィング・ジャズなどノリのいいものが多いが、なかにはしっとりじっくり聴かせる日もあるという。ライブはだいたい19時から2ステージの時もあれば、18時45分から1時間ずつのステージが3回という夜もある。

  「スケジュールはだいたい1ケ月前からHPなどでお知らせしているのですが、人気のライブは90席ある席がすぐに予約が埋まってしまうことも。ジャズに限らず、団しん也やペドロ&カブリシャスなど、ショー的なエンターテインメントライブもあります」

 人気No.1ジャズヴァイオリニストの寺井尚子やスーパージャズボーカリストの小林 桂など、ビッグネームのライブを間近で体感できるとあって、予約が殺到するのも納得。まだ有名になる前の小野リサもこちらに出演していたそうだ。次にブレイクしそうな若手をチェックするという楽しみもある。

 「アーティストによってはリクエストOKだったりもするので、最初からこのアーティストのこの曲と決めてくる通な方もいらっしゃいますね」

 取材時には、この日出演するストリングスグループが「A列車で行こう」をリハーサル中だった。どんどんヒートアップするグルーブに、思わず体が動いてしまっていた。ノリのいいジャズとうまい酒。これで夜が楽しくならないわけがない。

取材・文/宮原香菜子 写真/下村 孝

銀座スウィング

1. クラシックな雰囲気は店の歴史を感じさせる。
2. この日出演する「スーパー・ジャズ・ストリングス」のリハーサル風景。生音の迫力を間近で体感できるのはジャズクラブならでは。
3. 山椒の葉やシソなど、和の香草でいただくアサリとイクラのスパゲッティ1910円は、KIRINクラシックラガー840円とも好相性。
4. イベントがない日には、レコードやCDをかける。もちろん、リクエストも可能。夜遅くまで営業しているカフェとして、重宝する存在。
5. 店の入り口には出演者の顔ぶれが並ぶ。

銀座スウィング

住所 中央区銀座西2-2銀座インズ2-2F

電話番号 03-3563-3757

営業時間 18:00~23:00

休日 日・祝

金額 ミュージックチャージ会員1680円~、ビジター2310円~(※出演者により異なる) グラスワイン840円、カクテル940円~、明太子とじゃがいものタラモサラダ1790円など

URL http://www.xx.em-net.ne.jp/~swing/


孤高のロックンローラー、ボブ・ディランの楽曲を中心に1960~70年代のクラシックロックをプレイ
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 店の名前を見ただけで、どんな店なのか想像がつくに違いない。その名も「BarDylan」。マスターの山田徹さんは、ボブ・ディランの曲を片っ端から聴きながら青春時代を過ごした、筋金入りのディラン・ファンだ。オリジナル曲はもちろん、他のアーティストによるカバー曲も揃い、1962年のデビュー以来常に変化し続けるボブ・ディランの世界に、広く深く触れることができる。

 ノーベル文学賞にノミネートされていることからも分かるように、ボブ・ディランは詩人としても高く評価されている。しかし、メロディメーカーとしての才能にスポットライトが当たることは、案外少ない。マスターは力説する。「確かに詩もいいんですが、メロディも素晴らしいんですよ。ディランは独特の声を持っているから、声にばかり注目が集まってしまう。女性ヴォーカルの綺麗な声でカバーされた楽曲を聴いて初めて、『こんなに美しい曲だったんだ』と気づかされることも多いんです」

 とはいえ、「ボブ・ディランの曲以外は流さない」などという頑固な店では決してない。エルビス・プレスリーやドアーズ、イーグルスなど1960~70年代のクラシックロックを中心に、最新のロックナンバーもプレイ。ここはボブ・ディランの専門店ではなく、あくまでロック・バーなのだ。40~50代の男性が息子を連れて来店し、互いに好みの音楽をリクエストしあう、という微笑ましい光景も珍しくないという。

 またマスターは、長年にわたってホテルのバーで腕を振るっていたベテランのバーテンダーでもある。アルコール度数96度のスピリタスで火をつける「ローリングサンダー」や、ウォッカと焼酎にライムを合わせた「天国の扉」など、ディランにちなんだオリジナルカクテルも、ぜひ試してほしい。

 最後に、「ディランの曲の中で、一番好きな曲は何ですか?」という質問をぶつけてみた。「あまり知られてない曲なんですけど」と前置きした上で教えてくれた曲は、「EVERY GRAIN OF SAND」。店を訪ねたときには、リクエストしてみてもいいかもしれない。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

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1. 国分寺駅から徒歩3分のところにあるビルの2階にあり、カウンター席が中心。若いカップルや女性客も多い。
2. 真空管のスピーカーは手づくり。「音響関係の仕事をしている常連のお客様が作ってくれました音質がいいから、大音量で音楽をかけてもうるさく感じないんですよ」。
3. ムック「Rock In Golden Age~ロック栄光の50年」のバックナンバーが30冊すべて揃っている。もちろん、自由に閲覧OK。
4. カウンター奥に並ぶコレクションは、レコードとCDを合わせて約1500枚。
5. 細かく刻んだアンチョビとニンニクをソースに漬け込んだ「ナスのマリネ」600円と「キリン一番搾り生ビール」580円。

Bar Dylan

住所 東京都国分寺市本多1-5-3 第一佐藤ビル2F

電話番号 042-327-0017

営業時間 19:00~翌3:00

休日 年末年始

金額 チャージ600円


フォークにジャズ、民俗音楽…小さな“ハコ”を生かしたライブが魅力
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 「live cafe giee」のスケジュール表は、実に個性的なイベントで埋まっている。例えば、奇数月の第1土曜に開催される「国分寺フォークジャンボリー」。プロ・アマチュアを問わず5組前後のフォークシンガーが出演するイベントだが、終演後には誰もが飛び入りで参加できるフリーステージに突入。仕事帰りのサラリーマンもギター片手に集い、打ち解けた雰囲気に包まれる。
 他にも、プロミュージシャンも参加するハイレベルなジャズセッションや、前衛舞踊とアコースティックギターのコラボレーション、アジアやアフリカの民俗音楽など、雑多なライブやセッションが随時行われ、飽きさせない。これらのイベントをたった1人で仕掛けているのが、店主の三輪久美子さんだ。
 2005年12月に店を開くまでは、ごく普通の音楽好きな主婦だったという三輪さん。「子供の手が離れたときに、今までやったことがないことにチャレンジしたくなったんです。勢いで始めたから、こんなに大変だとは思わなかった」と屈託のない笑顔で話してくれた。
 仰々しい家具などはなく、手づくり感あふれるこの場所には、アコースティックの響きがよく似合う。ステージと客席との境目は曖昧で、段差も設けられていない。だからこそ客席への伝染力は強力で、演者が伝えたいことがダイレクトに伝わってくる。「こんな空間での演者と観客とのコミュニケーションが何よりもうれしい」と店主。イベントがない毎週水・木曜には、ジャズやボサノバなどのBGMが心地よく流れるカフェになる。テーブルチャージは無料。国分寺産の野菜を使った「グリーンカレー」650円や、オリーブオイルとレモンを加えた「焼きうどん」650円など手づくりの料理は、体に優しくておいしいと好評だ。音楽を聴きたい人も演奏したい人も散歩がてら立ち寄れる、気取りのない店だ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

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1.25人も入れば満席になる、こぢんまりとした店。写真展や絵画展なども随時開催され、ギャラリーとしても利用されている。ちなみに店名の“giee”とは、扉を開く音。
2. ステージに段差はなく、客席と一体化している。
3.4. イベントがない日には、レコードやCDをかける。もちろん、リクエストも可能。夜遅くまで営業しているカフェとして、重宝する存在。
5.手づくりの「キッシュ」400円は、クリーミーでふんわりとした食感。「ハートランドビール」700円も人気だ。

giee

住所 東京都国分寺市本町2-3-9 三幸ビルB1

電話番号 042-326-0770

営業時間 18:00~深夜0:00

休日 月

金額 イベント時のみチャージあり。

URL http://giee.jp/


音楽にジャンルはいらない“大人の遊び場”なライブバー
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 日本一ライブハウスが多い渋谷エリアに、またひとつちょっと面白いライブバーが誕生した。東急プラザの脇を入った雑居ビルに昨年オープンしたばかりの7efは、“音楽好きが集まれる場所”をコンセプトに、あえて音楽のジャンルにはこだわらないという自由さが魅力の店だ。
 ロック、ポップス、ファンク、ジャズ、アコースティック系と、まさに音楽ならばなんでもあり。「自分たちの世代が楽しめる遊び場が欲しかった」という店長の工藤さんは38歳。「やっぱり自分と同じ30代、40代の大人のお客さんが多いので、その辺の音楽にはなりますけどね」と笑う。自身もプロのミュージシャンとして活動している工藤さんの知人にはプロのミュージシャンも多く、ライブの無い日でもステージに置かれた楽器をちょっと手に取り、その場でセッションが始まることもあるとか。また、昔バンドをやっていたというお客さんが盛り上がり、「ちょっとやってみますか?」「でも今ドラムがいないから…、やってくれる?」と駆り出されることもあるそうだ。壁塗りや照明などの内装も自分たちで手掛けたという手作り感溢れる店内には、そんな風に自由に音楽を楽しめる、心地よいゆるさがある。
 この場所はもともと中華料理店だったそうで、そのオマージュから、メニューにも中華テイストのものが多い。料理はどれも手作りで評判も上々。しかも、酒のつまみだけでなく、ご飯ものも充実しているのがうれしい。
 ライブは出演者によって形態が異なるので、チケット制の時もあれば、ノーチャージの日もある。「ライブもどんな風にやりたいかは相談に応じます。別に決まったカタチは無いので。音楽をやる人や聞きたい人が自然と集まってくれればいいんです」
 うまい酒と肴といい音楽、そしてそれを肩ひじ張らずに楽しめる雰囲気——これはいい遊び場ができたもんだ。

取材・文/宮原香菜子 写真/高須 力

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1.2. 貰ってきたものやリサイクルショップを利用したとは思えないほど、センス良くまとまっている。
3.仲間が集まれば即興でセッションが始まることも珍しくないという。
4.ライブのほか、DJイベントがある日も。
5.手作りシューマイ600円は、元の中華屋のレシピを再現したという自信作。ハートランド生600円もついついすすんでしまう。

7ef

住所 渋谷区道玄坂1-3-6香山ビル7F

電話番号 080-3250-4184

営業時間 18:00~深夜0:00

休日 日(LIVEのある日は営業)

金額 ハートランド生600円、カクテル600円〜

URL http://www.7ef.org/top.html


世界中の音楽が楽しめるワールドミュージックバーの雄
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 スタンダードJAZZの名曲が店名ではあるが、こちらは音楽通が多く集うという“ワールドミュージックバー”。カウンターとテーブルが2、3卓あるだけの小さな店だが、ロックやジャズはもちろんのこと、ヨーロッパ、ブラジル、ハワイアン、アラブ、アフリカなど、文字通り、世界中の音楽がここにはそろっている。ちなみに、取材時になにか珍しい曲をとリクエストすると、ジプシー音楽をかけてくれた。初めて聞くその音色はエキゾチックでエキサイティングで、こんなカッコイイ音楽があったのか! と衝撃を受けた。店内に並ぶ2000枚ほどのレコードやCDは、これでもまだコレクションの3分の1程度とか。羽田野さんの音楽への造詣の深さはHP上の音楽ブログでも発揮されていて、音楽通にもよく読まれているそうだ。
 代官山にあった「ポレポレ」が4年前に渋谷に移転して現在の店名になったのだが、その理由を聞くと、「'70年代に久保田麻琴と夕焼け楽団がこの曲をロックアレンジでカバーしててね、それが大好きだったんですよ。原曲を最初は知らなくて、僕はずっと彼らの曲だと思ってたんだよね」と店長の羽田野さんは笑った。細野晴臣プロデュースの久保田麻琴の「サウス・オブ・ボーダー」が由来とは、なんとも“その世代”の音楽ファンをくすぐるコメントである。客層も30・40代が多く、半数以上が代官山時代からの常連客。夜な夜な、皆で音楽談義に花を咲かせているとか。取材時も開店と同時にお客さんが入り、すでに音楽談義に火が付いていた。
 アコースティックライブも不定期に行っており、こちらもブルースあり、ジャズあり、さらには琵琶や三味線まであったりと、ほんとうに幅が広い。国境やジャンルを超えて音楽を楽しめる、この懐の深さがなんとも魅力的なのである。
 羽田野さんの作る手料理も音源同様、洋の東西にはこだわらないラインナップ。特にチキンカレーは代官山時代からの人気メニューだ。ミュージックバーとしては珍しく焼酎が豊富でボトルキープもできる。それでまた、ついつい毎夜通ってしまうのだろう。

取材・文/宮原香菜子 写真/高須 力

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1.カウンターとテーブルが少し。心地よい広さが隠れ家っぽい雰囲気。
2.数もそうだがそのジャンルの広さがスゴイ。「お客さんには音楽関係者やミュージシャンも多いんですよ」というのも納得である。
3.スパイシーチキンカレーライス945円は最初甘く感じるが、徐々にスパイスの辛味が口内日広がる本格派。キリンブラウマイスター生682円ともよく合う。
4.グラス525円~。お酒のつまみに最適な鶏のレバーの甘露煮630円。
5.Bunkamura近くのビルの3階に位置する。

国境の南

住所 渋谷区道玄坂2-25-5 島田ビル3F-D

電話番号 03-3463-5381

営業時間 19:00~翌3:00

休日 無休

金額 焼酎525円~、ワイン(グラス)630円、野菜いろいろピクルス630円、ナシゴレン1050円など

URL http://www.kokkyo.net/


吉祥寺の街と共に歴史を刻み続ける  名機「パラゴン」が鎮座するジャズバー
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 『Funky』の前身は、1956年にまだ高校生だった野口伊織氏が、両親の経営する純喫茶ブラジルの地下に開いた小さなジャズ喫茶である。好奇心の塊で無類の遊び好きだった伊織氏は、58年の生涯で吉祥寺駅界隈に30を超える店を生み出した。ジャズ喫茶やレストラン、居酒屋、ケーキ店など、ジャンルはバラバラだが、いずれも時代の流れを敏感に捉えた“オンリーワン”の店ばかり。『レモンドロップ』や『金の猿』など、吉祥寺を訪れたことがある人ならピンとくる有名店の多くは、伊織氏の手によるものだ。
 創業時の『Funky』は、名機「パラゴン」が鎮座する店として、ジャズファンの間にその名を轟かせていた。誰もがスピーカーに正対して、黙々とジャズに聞き入っていた時代。ジャズ喫茶の草分けとして、ライバル店だった「MEG」や「A&F」としのぎを削っていたという。
 40余年の歳月を重ねた現在、『Funky』にかつての面影はない。以前の硬派な雰囲気はもはや感じられないし、“私語厳禁”といったルールは遠い過去に消えてしまった。そこにあるのは、ジャズファン以外にも広く門戸を開いた、一軒家のダイニングバー。昔を懐かしみたいジャズファンなら、がっかりしてしまうかもしれない。
 とはいえ、不朽の名機「パラゴン」は開店当時から今も変わらず、現役で鳴り続けている。 コレクションもレコード5000枚、CD2000枚と実に膨大。「パラゴン」でこれだけ多くの名曲が聴ける場所は、日本中を探してもそう多くはないはずだ。
 ダイニングバーと銘打っているだけあり、料理も充実している。なかでも、「イワシのマリネ」やタコのガリシア風」などのスペイン風おつまみ“タパス”は評判。気軽なスペインバルとして利用するのもいいだろう。
 大切な人を誘っても、間違いのない一軒。もちろん、オーディオマニアやジャズファンも満足させてくれる。吉祥寺に出向く機会があるなら、覚えておいて損はない店だ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

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1. 2階が吹き抜けになった店内は、開放感たっぷり。2007年11月にリニューアルされ、南欧料理が楽しめるダイニングバーへと生まれ変わった。
2.巨大スピーカー「パラゴン」。1960年代当時で100万円以上の価値があった名器で、現在は価格がつけられないという。
3.4. 3階は、珍しいスピーカーやサイン入りのレコードジャケットが飾られたギャラリー。見たい人はスタッフに声をかけよう。
5.店内オーブンで焼き上げた「イタリア産ソーセージのピッツァ」1000円は、ボリュームも十分。「ハートランド生ビール(M)」650円。

Funky

住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7-3

電話番号 0422-21-1464

営業時間 18:00~翌2:00

休日 なし

金額 チャージ600円

URL http://www.sometime.co.jp/funky/funkyvew.htm


焼き魚をつまみながら楽しむ迫力の生演奏 飲み屋感覚で立ち寄れるライブハウス
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 武蔵野の面影が残る学園都市・国立。ハイソな雰囲気が漂うこの街には、『音楽の街』という一面もある。駅周辺にはライブハウスやバーが点在しているし、この辺りに居を構えるミュージシャンも多い。
 「国立地球屋」は2003年、音楽があふれる国立の街に誕生したライブハウスだ。スケジュールにはロックやレゲエ、民族音楽、ベリーダンスなど多彩なジャンルのイベントが並んでいる。オープン当初からのスタッフで、現役のレゲエミュージシャンでもある龍一さんは言う。「この店は、既存のライブハウスに対するアンティテーゼなんです」と。
 多くのライブハウスでは、出演アーティスト自身にチケットノルマがあるが、ここではいっさいなし。客が払うミュージックチャージも、大物ミュージシャン出演時を除けば500円~1000円程度と低く抑えられている。そこにあるのは、「ライブハウスに行く、と身構えるのではなく、飲みに行った店でたまたまライブをやっていた、という感覚で気軽に楽しんで欲しい」というスタッフの心意気だ。
 音質の良さでも評価が高い。「そんなにいい機材を使っているわけじゃないんですよ。でも、これまでに出演したミュージシャンやお客さんからは、『いい音だね』と褒められることが多いですね」と龍一さん。その秘密は、スタッフの努力にある。ステージにじゅうたんを敷いたり、天井に吸収剤を貼るなど、工夫を重ねて試行錯誤。「お金はかけられないけど、絶対に妥協はしない」という姿勢で、音質を追求した結果なのだ。
 名物の「阿蘇産直ホルモン焼き」や焼き魚をつまみながら、ビール片手にライブを楽しむ。終演後には出演アーティストといっしょに、音楽談義で盛り上がることも。料金も手頃だから、「せっかく高い金を払ったのに、失敗した」と悔やむこともない。仕事帰りや夕食後に飲み屋感覚で立ち寄れる、ありがたいライブハウスだ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/横田敦史

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1.店のインテリアも、スタッフが家族や友人と力を合わせた“手づくり”。とはいえ、細部にまでセンスが感じられ、居心地がいい空間だ。
2.随所にこだわり溢れるステージ。どの席に座ってもミュージシャンとの距離が近く、迫力あるステージが楽しめるはず。
3.お店で流れる音楽のジャンルは様々。スタッフの個性が光る。
4.国立駅南口からまっすぐに伸びる大学通り沿いにある。学生はもちろん、40~50代の客も多く、客層は幅広い。
5.豚のホルモンを甘辛く味付けた「阿蘇産直ホルモン焼」600円は、歯ごたえが抜群。「キリン一番搾り生ビール」500円とともに。

国立地球屋

住所 東京都国立市東1-16-13 B1F

電話番号 042-572-5851

営業時間 19:00~翌2:00、ライブは20:00~

休日 月(月曜が祝日の場合は火曜休み)

金額 ライブ時のみチャージあり(料金はライブにより異なる)

URL http://chikyuya.web.infoseek.co.jp/


ニルヴァーナもニール・ヤングも大音量で流れるROCK BAR
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 外から見ると、一見入りづらい店構えだが、思い切って扉を開くと、そこには異次元の世界が待ち受けている。ドアーズやニルヴァーナ、ジミヘンにボブ・マーリー…。薄暗い空間を隙間なく埋め尽くすポスターやフライヤーに、しばし圧倒される。ここは、吉祥寺の女子大通りに20年続くロックバーだ。
 『酔舎』は、あるときはビートルズやオアシスが、またあるときはクラッシュやラモーンズが、また別のときにはブルーハーツやRCサクセションが大音量で流れる爆音バー。一見「何でもあり」と思うかもしれないが、「ランダムに曲をかけるのではなく、客の雰囲気に合わせて、大きな流れをつくりながらかけるようにしています。例えば、ニール・ヤングとニルヴァーナ、レッチリとジミヘンなどは、どこか底辺で通じ合っている。それが分かる人にとって、この店はピンとくるはずですよ」とママは言う。
 実際、この店にはまる人々は、バンドマンや画家、デザイナー、美容師など、どこか似通った感性を持っているようだ。初対面の客同士も知っている曲ですぐに打ち解け、声を合わせて歌いながら深夜まで盛り上がることもしばしば。そのまま勢いに乗って、バンドを結成することも珍しくないという。
 毎月第2・3・4日曜には、常連のお客3チームが、特定のアーティストをフィーチャーしたDJイベントが行われている。内容はそのときによって異なるので、興味がある人は問い合わせてみるといいだろう。
 自分がリクエストした曲、そして自分と趣味が合う人々がリクエストした曲を聴きながら飲む酒は、いつもよりも一段と旨い。酒に酔い、音に酔う。ほろ酔いのまま店を出て、夜風を浴びながら家路につく幸せ。思い切って扉を開いた者だけが味わえる、至福のひととときがここにはある。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

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1.2.ポスターやフライヤーのほかに、レコードジャケットも飾られている。眺めているだけで、ロックの世界にどっぷりと浸れる。
3.店内に鎮座するアメリカ製のジュークボックス。柔らかく厚みのある音質は、昔のAMラジオのような風情が漂う。今なお試聴可能(1曲100円)。
4.レコードとCDをあわせて、約1万枚以上が揃う。リクエスト(無料)して気に入った曲がたくさんある人は、常連になる可能性大。
5.ママ手作りの「ホットサンド」600円は全部で5種類を用意。ほかにも、安くてボリュームのある料理が揃う。「キリン一番搾り」の中ビンは600円。

酔舎

住所 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-3-3

電話番号 0422-20-0605

営業時間 19:00~翌0:30、金・土・祝前~翌2:00

休日 火、第4・第5水

金額 ビール500円~、カクテル500円~、ワイン500円~、焼酎500円~

URL http://www.246.ne.jp/~bayou/suisha.htm


英国風の書斎でお酒とモダンジャズを  四半世紀以上にわたって続く老舗
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 吉祥寺の小さな路地にある、蔦の絡まった古い建物。急な階段を上るにつれて、モダンジャズが聞こえてくる。その音色に誘われて扉を開くと、薄暗いランタンの明かりに照らされた一室が出現。アンティークの本棚には、年季の入った洋書や古びた時計、錆びついたキャンディー缶などが無造作に置かれている。まるで、遠き時代の書斎に迷い込んだような気分だ。
 「JOHN HENRY’S STUDY」は、1980年に開店した老舗のジャズバーだ。オーナーは、ジャズ評論家として知られ、数々のジャズCDをプロデュースしている寺島靖国氏。熱心なファンが多いジャズ喫茶「Meg」をはじめ、吉祥寺界隈で5店の店を経営している。最高級のスピーカーから大音量でジャズを流す「Meg」に対して、こちらはよりカジュアルな雰囲気。1940~50年代のモダンジャズが、あくまでBGMとして心地よく耳を潤してくれる。
 店に入ってしばらくすると、意外なことに気づくだろう。バーなのに、カウンター席がないのだ。マスターと向かい合ってお酒を飲むのは苦手、という人は案外多いもの。ここならマスターとの距離感がちょうどよく、気後れすることもない。隣の話し声もほとんど気にならないので、読書をしたり会話を楽しんだり、と思い思いの過ごし方ができるはずだ。
 ジャズに欠かせないアイテムといえば、やはりお酒。ここでは、ビールやワイン、ウイスキーに加え、カクテルも250種類以上と充実している。なかでもジャズファンにとって魅力的なのが、スタンダードジャズから名づけた12種類のオリジナルカクテルだ。自分の好きな曲のカクテルを探してみるのも楽しいだろう。
 大人の隠れ家のようなバーだが、昼時には違った顔を見せる。スパゲッティや三色そぼろご飯、カレーなどのランチセットを、1000円前後で提供。近くで働く人々が、昼食を取りながら肩の力を抜く、息抜きの場となっているのだ。
 昼も夜も、落ち着いた雰囲気と良心的な価格で大人たちを解放してくれる。こんな店があるから、吉祥寺の街歩きはやめられない。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

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1.使い込まれたベンチシートに腰掛けるか、それとも窓際の席から蔦を眺めるか。どちらにしても、ゆったりとした時間が約束されている。
2.古きよき時代の英国を思わせるインテリア。開店以来、雰囲気はほとんど変わっていないという。
3.店名は「ジョン・ヘンリーの書斎」という意味。周囲には、味のあるバーやカフェが並んでいる。
4.ジャズの名曲をモチーフにしたカクテル「ANGEL EYES」900円。浮かんだミントの葉が、エンジェルの羽をイメージ。
5.「ハイネケン」750円と「ポテトのたらこ和え」680円。夜のフードメニューも充実しているので、1軒の店としても利用価値が高い。

JOHN HENRY’S STUDY

住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-14 山水ビル3F

電話番号 0422-21-3854

営業時間 11:30~翌0 :30、金・土・祝前~翌1:30

休日 無休

金額 17:30~のバータイムのみチャージ550円


シングルモルトとシガーのマリアージュ。 ジャズが流れる大人のためのショットバー
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 扉を開くと、そこは洗練・都会的というキーワードがピタリとはまるショットバー。BGMはジャズとボサノバが中心だが、耳ざわりのいい音楽をただなんとなく流しているわけではない。例えば雨降る午後には雨にちなんだ曲、カップルが来店したときはムーディーな曲、賑やかなグループ客が中心ならややアップテンポの曲と、シチュエーションに合わせて演出する。そんなさりげない心遣いが、流れゆく時間をスペシャルなものにしてくれる。
 毎月第3土曜は、DJの個性で選曲する“DJ Night”。1950~60年代のモダンジャズから最新のフュージョンジャズまでプレイされ、世代を問わずジャズファンが集う。ほかにも、ロックやJ-POPなど、さまざまなテーマのイベントを月に1~2度のペースで開催。客が持ち寄ったレコードやCDだけをかけるイベントや、プロのマジシャンを呼ぶ“Magician’s Night”など、ひねりのきいた企画も多い。
 “お酒のセレクトショップ”と名乗るだけあり、ドリンクメニューの充実ぶりにも目を見張るものがある。なかでも、シングルモルトのウイスキーは、常時150種類以上を用意。ひとつの蒸留所で作られるシングルモルトのウイスキーは、それぞれの蒸留所の個性が出やすく、種類も多い。初めての人や選び方が分からない場合は、知識豊富なスタッフに聞いてみるといいだろう。味や香りなどの特徴はもちろん、歴史や製造方法などの疑問にも答えてくれるはずだ。
 華やかな香りのシングルモルトのウイスキーは、シガーとの相性が抜群。ここでは、シガレットサイズの手頃なものから1本2000円を超える高級葉巻まで、約20種類が揃う。吸い始めから吸い終わりまで、少しずつ変わっていく味と香りこそがシガーの醍醐味。1本を1時間ほどかけてゆっくりと吸いながら、アフターテイスティングを愉しみたい。
 400本ものボトルと正対するカウンター席でお酒のうんちくを語るもよし、革張りソファのVIP席に腰を沈めてゆったりと葉巻をくゆらせるもよし。アフター5に潤いをもたらす、大人のための一軒だ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/横田敦史

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1.カウンター席に吊るされているのは、スコットランドから取り寄せたオーク材の樽。目の前で直接注がれるウイスキーは、美味しさも格別だ。
2.4人まで利用できるVIP席。革製の黒いソファに座って、ゆったりと過ごせる。個室料はかからないので、気軽に利用したい。
3.1分間に1回のペースで口をつけ、ゆったりと吸うのがシガーの愉しみ方。シングルモルトのほか、ポートワインやラムとの相性も良い。
4.北海道の牛を使った「ビーフジャーキー」と「ハートランドビール」730円。ほかに、ベルギーや英国、オーストリア、オランダ、ドイツ、チェコど、世界各国のビールが揃う。
5.カウンター奥にはDJブースが。土曜日の夜はDJナイトが開催される。

Bar R

住所 東京都立川市柴崎町2-2-13 2F

電話番号 042-527-7077

営業時間 19:00~翌4:00

休日 無休

金額 チャージ300円

URL http://www.bar-r.com/


ヴォーカル・セッションが人気 アットホームな都会のオアシス
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 歌舞伎町は、女性には少々近寄りがたい街である。目的地に辿りつくまでには妖しげな場所を通り抜けなければならないし、バーやカフェにしても狭くて入りづらい店が多い。
 職安通り近くにあるこの店も、確かに狭い。細長いカウンター席のほかには、ソファが置かれたテーブル席がひとつあるだけ。だが、この狭さを逆手にとって、アットホームな雰囲気を醸し出すことに成功している。
 「小さい店だからこそ、リラックスできる。女性一人でも気軽に立ち寄って、憩える場所です」とオーナーの稲垣雅春さん。元ファッションデザイナーというオーナーのセンスが活きた店内は、やわらかな色合いで心を落ち着かせてくれる。
 BGMは、ジャズやボサノバなどオーナーが愛するスタンダード・ソング。毎月数回、不定期でヴォーカル・セッションも開催している。プロのピアニストの伴奏に合わせてジャズやボサノバを自由に歌う、人気のイベントだ。
 「私自身、昔はいろんなライブハウスで行われているヴォーカル・セッションに参加していました。でも、いきなり大きなライブハウスで歌うのは緊張するし、人数が多いからなかなか順番が回ってこないんですよね。その点、ここならたいてい参加者は7、8人と少人数。順番もすぐ回ってくるし、初心者の方でも気兼ねなく歌えますよ」。
 プロのピアニストから直接アドバイスをもらえたり、譜面のチェックをしてもらえるのも、小さな店ならではのサービス。発表会の前に立ち寄って、練習に励む常連客が多いというのも納得だ。
お酒の供には、イタリアンをベースに考案された手づくりのおつまみが用意されている。エキストラバージンオリーブオイルで食べる「イタリア風冷奴」をはじめ、上質な素材にこだわった一品料理が中心だ。
 お酒の後には、バラの花びらを浮かべた「ローズティー」などの紅茶でゆったりと。疲れた大人たちに水を与えてくれる、都会のオアシスだ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/横田敦史

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1.2007年7月にオープンしたばかり。客層は幅広く、音楽はもちろんファッションの話で盛り上がる女性客も多いとか。
2.3.店のテーマカラーは心なごむ“グリーン”。店内には季節の花やスノードームなどが飾られ、女性好みの柔らかな雰囲気が漂う。
4.チャージには、その日の気分で作るおつまみも含まれる。イタリア風冷奴600円は、ハートランド800円との相性が抜群、
5.職安通りから一本入った通りにある。白いエレベーターに乗り、5階で降りると店に到着。都営大江戸線の東新宿駅からなら4分程度だ。

O’GREEN

住所 東京都新宿区歌舞伎町2-20-11 玉野ビル5F

電話番号 03-3203-5576

営業時間 18:00~24:00、日・祝は~23:00

休日 無休

金額 19時以降はチャージ600円、ヴォーカルセッションは2500円

URL http://www.bar-o-green.com/


座敷席で足をのばしてくつろげる アコースティック専門のライブハウス
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 『四谷天窓』という名前につられて、四谷方面に向かってはいけない。正しい場所は、高田馬場駅から歩いて約3分のところにある、ビルの3階なのだから。
 そもそも『四谷天窓』は、山崎まさよしやサスケなど数々の著名アーティストを生み出したライブハウス『四谷フォーバレー』の2号店として誕生した。ロックバンドが中心の『四谷フォーバレー』に対して、こちらはアコースティック専門。2006年9月に移転した後も、四谷時代からの名前を守っている、というわけだ。
 このライブハウス、少しばかり変わっている。番傘が飾られたエントランスや土壁、やわらかな照明など、和を意識したつくり。使い込まれたちゃぶ台と丸い座布団が置かれた座敷席まで用意されている。ビールに加え、焼酎の種類も20種類前後と豊富。ライブだけでなく焼酎バーとしても楽しめる、といった具合だ。
 収容人数は60名と少なく、ステージと客席との距離はきわめて近い。余分な空間がない分、音楽が客のひとりひとりへとダイレクトに届く。そのためここは、アーティストと客との間に一体感が生まれやすいことでも知られている。アーティストが客に語りかけたり、自然と手拍子が沸き起こったり、といったコール&レスポンスも実にスムーズだ。
 出演者のほとんどは、これからの飛躍が期待される新人アーティストたち。とはいえ、厳しいオーディションで選ばれた実力者ばかりで、クオリティはかなり高い。オーディションでは、演奏はもちろんのこと、人を惹きつけるパフォーマンスやカリスマ性も問われるという。
 靴を脱いで座敷にあがり、ちゃぶ台に肘をつきながらグラスを傾ける。目の前には、山崎まさよしの筆による看板に見守られながら音を奏でるアーティストたち。ゆっくりと腰を落ち着けて、アーティストとの密なコミュニケーションを楽しみたい。

取材・文/渡辺裕希子 写真/横田敦史

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1.2.神代杉の一枚板に、山崎まさよしによる文字が刻まれている。2002年11月には、来客5万人突破を記念したスペシャルライブが行われた。
3.足をのばしてくつろげる座敷席。友人の家に遊びに来たような気分で、気軽に音楽と向き合える。壁には、オープン時の写真が飾られている。
4.キリン一番搾り500円。柿ピーは無料でサービスされる。
5.統括マネージャーの吉川直人さんが手にしているのは、来客5万人突破を記念して作られたオリジナル焼酎「四谷天窓」。麦・芋の2種類があり、グラス400円で提供している。

四谷天窓

住所 東京都新宿区高田馬場3-4-11 BaBa hatch3F

電話番号 03-5338-6241

営業時間 18:30~イベントにより異なる

休日 無休

金額 1000円~イベントにより異なる

URL http://www.otonami.com/


連日ライブが繰り広げられる アットホームなジャズハウス
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 ジャズをかじったことがある人なら、一度はジャムセッションに参加してみたいと思うだろう。自分の腕を確かめられるジャムセッションは、多くのジャズメンとも知り合える貴重な場。ところが、せっかく勇気を振り絞って参加したのに、「レベルが違いすぎて楽しめなかった」という人も少なくない。
 立川駅近くにある「Jazz House Half Tone」は、そんなジャムセッション初心者にもおすすめできる店だ。9年前に店をオープンさせたオーナーの稲田さんは言う。「僕自身、シーンとした暗い雰囲気のセッションが苦手なんですよ。しかめっ面で演奏したって、楽しくないですからね。だからここでは、明るく楽しく、をモットーにしています」。
ジャムセッションが開かれるのは、毎週日・火・木曜日。オーナー自ら司会者となり、オヤジギャグを連発して場を和ませる。もちろん、演奏中も気配りを欠かさない。客のレベルやタイプに合わせて組み合わせを考え、ときには自らのギターで演奏を盛り上げる。
 水・金・土曜日には、ライブを開催している。期待の若手や実力派の中堅アーティストのほか、日本のジャズ界を引っ張る大御所が出演することも。「先日は、名ドラマーのジョージ大塚さんに出ていただきました。昔、いちファンとしてステージを見ていた方に出演していただけるなんて、不思議な感じですね」。ジョージ大塚氏のライブは、4月25日にも開催される予定だ。
 オーナーの奥さんが作る焼きうどんや焼きそば、ピザなどの料理も家庭的な味わいで、店はいつも和やかな雰囲気に包まれている。「ジャズを楽しく聴けて、楽しく演奏できる場でありたい」とオーナー。音楽への愛情にあふれた、アットホームなジャズハウスだ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

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1.ソファ席が中心で、ゆったりとしたつくり。
2. ステージも広く、ビッグバンドのライブも開催している。音があまり反響しないので、ドラマーに人気。
3.壁に張られた一枚の紙。そこには、過去にライブを行ったアーティストのサインが書かれている。
4.ハイネケンは生ビール、小ビンともに650円。一番絞りの中ビンは750円。
5.ジャズギタリストとしても活躍しているオーナー。学生時代には、フォークギタリストとしてプロをめざしたこともあったという。

Jazz House Half Tone

住所 東京都立川市錦町1-2-5 2F

電話番号 042-525-3336

営業時間 19:30~24:00

休日 月

金額 ジャムセッション1500円+1オーダー、ライブ1800円~2300円+1オーダー

URL http://www007.upp.so-net.ne.jp/halftone/


70~80年代のブラックミュージックをプレイ アフリカ料理も味わえるソウルバー
バー バオバブ

 “バオバブ”という木をご存知だろうか。アフリカやマダガスカルなどに生息する、摩訶不思議な形の巨木。アフリカでは村の中心にバオバブの木があり、人々が集って、歌ったり踊ったりするコミュニケーションの場となっているという。
 「Bar BaoBab」は、そんなアフリカの村を思わせるアットホームな雰囲気に、新宿三丁目のディープな空気がミックスされたソウルバーだ。幅広い年代の人々が夜な夜な集い、酒と音楽の力でつながっていく。
 漆喰の壁に囲まれ、ヒョウ柄をあしらった椅子に腰掛けながら、竹で覆われた天井を見上げる。壁に飾られているのは、西アフリカの伝統楽器“ジャンベ”やブラックミュージックをモチーフにしたアート。プレーヤーからは、1970年代~80年代のソウルやR&Bが流れてくる。今、自分がどこにいるのか、現代は一体どの時代なのか。現実から離れ、トリップしていく感覚が心地よい。
 「この時代のブラックミュージックが好き。音質とグルーヴ感がたまらないんです」と話すのは、店のオーナーでもあるDJ.ooki氏。「CDよりもレコードの方が音がやわらかいから」とアナログの音にこだわり、2000枚を超えるレコードを操る。メジャーからマニアックまで、曲のリクエストもOK。気さくなスタッフと、ソウル談義に花を咲かせるのも楽しいだろう。
 また不定期でディスコイベントも開催。ライブではブラックミュージックの生演奏を間近で楽しめ、ディスコイベントでは個性的な選曲で深夜遅くまで盛り上がる。
 酒と音楽が主役のバーとはいえ、料理も侮れない。タジンやクスクスなどのアフリカ料理をはじめ、生地から手作りのピザや自家製ソウルフード、週末限定のスイーツなど、女性の心を捉える料理が揃っている。ハイネケンビールや30種類以上のラム、南アフリカ産のワインなどとともに味わいながら、バオバブの木の下でひとときの宴を楽しみたい。

取材・文/渡辺裕希子 写真/田頭真理子

バー バオバブ

1.アフリカをイメージした内装は、スタッフによる手づくり。女性だけでも入りやすくつい長居してしまう、温かな雰囲気が魅力だ。
2.テーブルの上には、小さな楽器が置かれている。お客さんも楽器を手に取り、ライブ演奏やレコードに合わせてリズムを奏でる。
3.キリン黒生とハイネケンの「ハーフ&ハーフ」650円。モロッコ料理の「牛スジのタジン」1050円には、ライスまたはクスクスが付く。
4.店のオーナー、DJ.ooki氏。
5.新宿・末広通りからさらに一本入った細い路地にある。周辺にはジャズ、ロック、シャンソン、ラテンなど多彩な音楽を扱う店が多い。

Bar BaoBab

住所 東京都新宿区新宿3-10-7 馬酔木ビル2F 

電話番号 03-5368-0636

営業時間 19:00~翌5:00、日19:00~0:00

休日 無休

金額 チャージはイベントによって異なる

URL http://www1.odn.ne.jp/~baobab/


東京ステーションフロントに佇む大人のためのスタイリッシュなライブバー
M ・TOKYO

 昨年11月に誕生した「グラントウキョウノースタワー」をはじめ、再開発が続き、感度の高い大人達に新たに注目を集めている東京ステーションフロント。この地に佇む大人のためのラグジュアリーなライブバーが「M・TOKYO」だ。築80年ほどの風格ある建物の地下に一歩足を踏み入れると、ライブバーのイメージからは到底思い浮かばないような、白を基調にしたスタイリッシュな空間が広がっている。この店が普通のライブバーと違う由縁は、この多彩で個性的な空間造りにある。ステージ前にあるカウンター席をはじめ、ゆったりとカジュアルフレンチのコースを楽しむのに相応しい優雅なテーブル席、バーカウンター、そして靴を脱ぎ、リラックスしながら音に酔えるプライベートルームが用意されており、ゲストは思いのまま、自由に音楽と触れ合うことができるのだ。
 ライブは、20時~と22時30分~の1日2回。専属シンガーのMARKOをはじめ、DJ.MUROやジャズヴォーカリストのTOKUらのサポートやレコーディングにも参加する中村新史、綾戸智絵のツアーサポートも務める今出宏など、様々なアーティストが日替わりで演奏。ジャズ、ソウル、R&B、AOR、80年代のネオアコなど、ジャンルも多彩だ。生演奏のない時間帯には、DJがジャズやソウルをプレイ。これらすべてをミュージックチャージなしで楽しむことができる。
 目の前でミュージシャンの演奏を眺めつつ、「ハートランドビール」に酔うも、本格的な食事を楽しむも良し。ステージは見えないものの、オーセンティックな雰囲気のバーカウンターに座し、ミクソロジストが腕をふるうプレミアムスピリッツと摘みたてのフルーツのカクテル片手に、生演奏をBGMにするという贅沢な楽しみ方をするも良し。音楽、酒、食事の楽しみ方を自在に組み合わせ、スマートに使いこなすのが、大人の粋である。

取材・文/高橋かおり 写真/横田敦史

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1.生演奏を間近で見たければ、ステージ正面にあるカウンターかテーブル、プライベートルームを予約したい。
2.3. 真っ白なピアノが鎮座するステージでは、月曜~金曜日の毎晩、生演奏のライブが繰り広げられる。ライブは日替わりで、毎晩2ステージ行われる。
4.「ハートランドビール」800円に合わせたいのは、「コンテチーズを練りこんだシュー 自家製鴨の生ハム添え」7000円のコースの一品。チーズの旨味と風味がゲランドの塩をきかせた鴨と絶妙に合い、ビールがすすむ。後ろは「和牛の頬肉の赤ワイン煮込み ジャガイモのピュレ タマネギの塩釜焼添え」2500円。

M・TOKYO

住所 東京都中央区八重洲1-9-9 東京建物ビルB1F

電話番号 03-6225-5494

営業時間 18:00~27:00

休日 日、土(要問い合わせ)

金額 サービス料15%

URL http://www.m-tokyo.jp/index.html


ウェストコーストサウンド、AORなど、~80年代のアメリカンロックに酔える
ロックバー オアシス

 イーグルスの「ホテルカリフォルニア」に代表される、70年代に流行ったアメリカンロックの一大潮流ウェストコーストサウンド。そして80年代にかけて一世を風靡した、TOTOやスティーリー・ダンなどで知られるAOR。ロックバー「オアシス」では、そんなアメリカとロックへの夢、憧れを鼓舞してくれた70~80年代のアメリカンロックとおいしい酒に酔うことができる。
 「13年前にうちがオープンした当初は、ロックバーなんて言葉はなかったんです。でもここ数年、ロックバーの数はどんどん増え、この池袋にも4~5軒はできました。青春時代によく聞いていた音楽を聴きたい。そんな大人達が増えてきたからだと思います」と語るオーナーの鈴木博行さん自身も、リアルタイムでこの年代の音楽を耳にしてきたひとり。この店に集うのは、鈴木さんと同世代の30~40代の大人達が多いという。収蔵するCDは約2000枚。鈴木さんが独自に編集した音源を中心にかけるが、リクエストにも応じてくれる。
 アメリカンロックといえば、似合うのはビールやバーボン。「オアシス」は、音楽だけでなく、うまい酒とつまみが楽しめるのも特徴だ。日本地ビール協会が認定するビアテイスターの資格を持つ鈴木さんが樽から注ぐ「キリンブラウマイスター」は、泡までしっかりおいしく、濃厚でコクのある味わい。さらに自ら現地の蒸留所を訪ねて求めた年代ものをはじめ、200種ものバーボンは愛好家垂涎の代物だ。ビールで漬けた自家製ピクルスやポークジャーキーなど、つまみにも独自のこだわりを見せる。特に鹿児島産の黒豚を用い、胡椒と紫蘇をきかせたポークジャーキーは、やさしい味わいながら、酒に実によく合う奥深い味。ごきげんなロックナンバーをBGMに、おいしい酒とつまみに酔う。この店は、そんな幸せが待つ大人のためのオアシスなのだ。

取材・文/高橋かおり 写真/松葉 理

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1.カウンター中心の小さな店。ロックをこよなく愛するサラリーマン達で連日賑わう。
2. 店内には70~80年代の名盤が並ぶ。なかには、オーナーが海外で入手したレアものも揃う。
3. レアもののバーボンが豊富にあるのも魅力だ。
4.泡が絶妙にうまい「生ビール キリンブラウマイスター」と「ポークジャーキー」各650円。

Oasis

住所 東京都豊島区東池袋1-38-4 B1F

電話番号 03-3980-4841

営業時間 18:00~翌1:00、金・土~翌2:00

休日 日

金額 チャージ520円

URL http://www.bar-oasis.com/


70年代のSSWを中心にプレイ 初めての客もくつろげるロックバー
バードソングカフェ

 「中目黒にトニー・ジョー・ホワイトをかけるバーがあるらしい」ディープな音楽ファンの間で、そんな噂が囁かれている。プレイリストに並ぶのは、アメリカのSSW(シンガー・ソング・ライター)を中心に、イギリスやカナダなど70年代の音楽ばかり。昔を懐かしむ世代はもちろん、70年代のサブカルチャーに憧れる若い世代からも注目を集めている店だ。
 70年代は、ロックが芸術・思想だと信じられていた60年代の幻想が終わり、ロックのユートピアが崩れ去った時代である。「アーティストが内向きになり、自分自身を内省する作業に入った。そこからシンガー・ソング・ライターと呼ばれる弾き語りのアーティスト達が自己の内面に向かった佳曲を発表し始めます。更にはルーツ音楽にアプローチするロックミュージシャン達も…スワンプロックなどが70年代の前半は活発でした。僕はそんな70年代の音楽を、心からリスペクトしています」と語ってくれたのはマスターの梅澤淳一さん。当時は、中央線沿いのロック酒場を転々としていたという。
 ひょんなきっかけから店を開いたのは、3年前のこと。とはいえ、「店を経営する」という気負いはまったくなく、あくまで自然体だ。ビールをぐいっと飲みながらカウンターに立ち、客のリクエストに応じて手際よくレコードをかけている。「70年代の音楽は、70年代の再生装置でかけるべき」とのポリシーから、スピーカーやレコードプレーヤーも70年代のものを使用。懐かしのヒットソングを昔のままの音質で聴いていると、古きよき時代にトリップしたような錯覚に陥るだろう。
 入口が分かりづらいこともあり、一見の客が店に入るのは少し勇気がいるかもしれない。しかし一歩足を踏み入れると、意外にもアットホームな雰囲気に驚く。ロックバーというよりも、音楽好きな友達の家に遊びに来たような感覚。気さくなマスターを介して客同士が盛り上がり、いつのまに友達になっているという。「うちは、初めて来た人でもすぐに馴染んでしまうんですよ。端から見ると、みんなが常連客に見えるくらい、(笑)。プレイする曲はマニアックかもしれませんが、音楽に詳しくない人でもウエルカム。ワンちゃんを連れてきてもOKですよ」とマスター。すべてを受け入れるゆるい空気とディープな音楽。一度行くとクセになってしまいそうだ。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

バードソングカフェ

1.“拾ってきた”流木や“もらってきた”椅子が洒落たインテリアに変身。お金をかけずに手間をかけることで、味のある空間を創り出している。
2.アルテックのヴィンテージスピーカーが鎮座。70 年代初頭のモデルで、コルクでできている。他に三菱のダイアトーンもある。
3.アイワのラジカセは、常連客が持ってきたもの。「これでT-REXをかけるとハマるんですよ」とマスター。
4.ハイネケンの生ビール700円。マスターはキリンのドラフトマスター。ビールを入れる腕前は折り紙付きだ。

Bird Song Cafe

住所 東京都目黒区上目黒1-15-13-2F

電話番号 03-5459-7056

営業時間 19:00~翌2:00

休日 日曜不定

金額 チャージ500円

URL http://birdsongcafe.oops.jp/


音楽評論家の店主が四谷に構えるジャズ喫茶の老舗
Eagle

 「ジャズの魅力は、そうですねえ…。例えば満点を100としましょう。ポピュラーソングなら、最初に聴いた時点で、80あるいは90の内容を聴き取ることができると思うんです。だけどもジャズの場合、1回目は20あるいは30ぐらいしか、感じ取れないことが多いんですね。それが、聴き込んでいるうちに35、40、45…、という風に上がっていく。そしてプレーヤーの音色の違い、例えば同じアルトサックスでもプレーヤーによって音や歌い回しのニュアンスが違うんですが、それがわかってくると、もっともっと面白くなってくる。そんな音楽ですよ、ジャズは」
 四谷「いーぐる」は、ジャズ評論家としても名高い後藤雅洋氏が店主を務めるジャズ喫茶である。
 「学生時代に親父がやっていたバーを引き継いで始めてから40年がたちました。僕が店を始めた頃は都内に100店ほどのジャズ喫茶があったんですけどね、今では10分の1ぐらいの数しか残ってないんじゃないかなあ」
 ジャズはこの頃ではラーメン屋だとか焼肉屋でもBGMでかかっているのに、ジャズを聴くという意気込みで聴いている人はかえって少なくなっているんじゃないですか、それとは別に演奏を楽しむ人が物凄く増えているように思うんですが、その辺りはどうなんでしょう——。そんな質問に、 「確かに聴く人は少なくなりましたよね。でも僕が店を始めた60年代という時代は、ジャズという音楽が時代を反映していたというのかな、なにしろ刺激的だったんです、特に学生にはね。ところがどういうわけだか、学生というのは就職するとジャズ、聴かなくなっちゃうんだなあ(笑)。ジャズのウマさを味わい尽くす前に止めちゃうんですよ、もったいない。…ジャズ喫茶をやる上で、僕は、どうすればジャズのウマさを堪能してもらえるか、常に考えているんですね。選曲、音の演出というのかな、料理人が旬の素材をどう料理して、どういう順番で出して満足してもらえるかを常に考えているように、ね」
 お客さんの中にはクラブのDJもいて、選曲の妙を勉強していたりするという。
 取材中、話は黒人ブルース、日本のジャズ、ロシアのジャズ、ヨーロッパ、戦前の日本のジャズシーンなど多岐に及び、それはさながらジャズ講義。もっとも“生徒”が不勉強でさわりにも至らなかったのだが…。

取材・文/森澤郁夫 写真/横田敦史

Eagle

1.店内企画もあり「ジャズ喫茶で学ぶジャズ入門——“名盤”でたどるジャズ史——」は1月19日から3ヵ月全4回。電話申し込みは03-3344-2041(朝日カルチャーセンター・事業部)まで。
2.JBLの大型スピーカー、アキュフェーズのコントロールアンプ、マーク・レビンソンのパワーアンプで鳴らす。ディスクはCD、レコード合わせて8000枚あるという。リクエストももちろん可。
3.ほうれん草とベーコンのキッシュ500円。キリンラガー700円。
4.店主の後藤雅洋氏。ジャズファンにはつとに知られるジャズ評論家である。
5.12月に発売されたばかりの『ジャズ喫茶四谷「いーぐる」の100枚』(集英社新書 756円)。'67年から現在まで「いーぐる」で流れた曲を通じて日本のジャズを振り返る。

いーぐる

住所 東京都新宿区四谷1—8 ホリナカビル地下1F

電話番号 03-3357-9857

営業時間 平日11:50~23:50、土曜14:00~23:50

休日 祝日

金額 コーヒー600円、パスタセット780円~のサービスタイムあり11:50~14:00

URL http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html


マスターは「中央線ジャズ」の名づけ親焼酎も楽しめる気取りのないジャズバーf
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 「中央線ジャズ」という言葉をご存知だろうか。六本木や青山で流れるムーディーなジャズとは一線を画した、心をグイグイっと揺さぶるエネルギッシュなジャズ。マスターの村上寛さんは、この「中央線ジャズ」の名づけ親である。27年間に渡って新星堂で働き、高円寺「ディスクインNo.1」、吉祥寺「ディスクインNo.2」、立川「ディスクイン」などの店長を歴任。新星堂の独立系レーベル「オーマガトキ」の中央線ジャズ・シリーズをすべてプロデュースするなど、中央線界隈のジャズシーンを長年引っ張ってきた第一人者である。
 「日本のジャズ業界は特殊。有名雑誌やレコード業界が幅をきかせていて、本当に良いレコードが見落とされているんです。僕は、ジャズが気持ちいいだけの音楽、と思われているのが嫌だった。もっと激しくて、若い人の感性を刺激するジャズが今でも存在する、ということを知って欲しくて」と、6年前に住居地である国立に店をオープン。中央線ジャズはもちろん、ジャズの要素を含む大人のロックなど、さまざまなジャンルの中から独自の感性で選曲している。
 毎週金曜・土曜には、ライブも開催。「中央線ジャズ」を中心に、オーナーが選んだアーティストの演奏を間近で楽しめるとあって、毎回ほぼ満員の盛り上がりをみせている。
 人間臭い「中央線ジャズ」を愛するだけあって、メニューも実に個性的だ。「ジャズバーとは、ワインやカクテルを片手にお洒落に過ごす場所」というイメージを覆すように、芋焼酎や泡盛のラインナップが充実。「三岳」や「春雨」とともに味わえるのは、土地の素材を生かした素朴な酒の肴。「宇和島名物ジャコ天」や「ゴーヤと豆腐のチャンプルー」など居酒屋顔負けの料理を、600円前後の低価格で提供している。
 店内には、アルテックA7のスピーカーとマッキントッシュやアキュフェーズアンプが鎮座。硬派な音楽で好奇心を満たしながら、おいしい酒と料理で胃袋を満たす。目の前には、ストイックにジャズを追求しつつも笑顔は優しいマスター。ジャズを愛する人にとって、最高の店を見つけた。

取材・文/渡辺裕希子 撮影/須藤夕子

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1お店で使用しているレコードプレーヤーはヤマハGT-2000。「レコードには人間に聞こえない音も入っている。だから、暖かみと深みがあるんです」と村上さん。他にもさまざまな機材が並ぶ。
2. 店の一角には、もともと大劇場用に作られたスピーカーアルテックA7が。音のバランスが良く、往年の名器と呼ばれている。
3.店内の棚は、オーナーが特注したもの。アクリル板にコピーされたレコードジャケットが飾られた、センスあふれる空間だ。
4.「ハートランド」600円には、シャキシャキとした山芋にとろけるチーズが絡む「山芋葱チーズ焼き」600円がぴったり。なんとお店で使われている器は、すべてオーナーの手作り。

NO TRUNKS

住所 東京都国立市中1-10-5-5F

電話番号 042-576-6268

営業時間 18:00~翌2:00

休日 火

金額 深夜0時以降テーブルチャージ200円、ライブの際は紙幣にて投げ銭

URL http://notrunks.jp/


自家製ピザも味わえる、高円寺のNo.1ジャズバー
アフター・アワーズ

 創業は1975年。32年もの歴史を誇る、高円寺で最も古いジャズバー「アフター・アワーズ」のオーナー、台(うてな)夕起子さんが当時を振り返る。
「音楽バーをやろうと思って色々調べたら、やっぱり高円寺が一番向いてるかな、と思ったのよ。あまり繁華街で大きくやりたくなかったから。昔はこの辺にもアングラな、小さいロックやソウルの店がたくさんあったしね。最近は音楽的な店も減っちゃったけど…」
 店内には、コルトレーンのバラードなど、お酒を飲みながら聴いて心地良い、大人のジャズが流れている。開店当初はフュージョンから始まったが、リクエストに応えるうちに、徐々にスタンダードなジャズを流すようになったという。
「私と一緒に年を重ねてきた昔からのお客さまが多いから、30代、40代以上の大人ばかり(笑)。好きな音楽を聴きながら料理やお酒を飲む、そういう時間を楽しんで欲しいから、うちではあまりハードなものは流さないようにしているの」
 こちらの自慢は、ジャズバーとは思えない本格的な料理。イタリアン出身のシェフが作る料理は、生地から作る自家製ピザやデミグラスソースのオムライス、ピザ生地をナンにしたカレーなど、どれもこだわりの逸品ぞろいだ。
 2年前からは1階にスタンディングバーもオープン。自慢のフードやお酒をリーズナブルに味わうこともできる。 「下でまずビールを1杯飲んで、上でゆっくり食事とお酒を楽しむ。そんな使い方をする人もいますよ」と台さん。
 また、週に3回はライブを行っており、ジャズの生演奏が楽しめるのも魅力のひとつ。かつては日本ジャズピアニスト界の草分け的存在、本田竹広氏もライブを行っていたという。 「今ライブに出ているのも有望な若手ばかりですよ。土日はレギュラーの方々だけど、水曜はシャンソンでもポップスでもOKのオールジャンルで常に募集してるの。お店が狭いから、ボーカルとピアノ、ギター、ベースぐらいの小さな編成だけど、生で聴く音楽は格別ですよ」
 未来のスターを探しにライブに通うのもいいだろう。店名の「アフター・アワーズ」とは、仕事の後のほっとひと息という意味。おいしい酒と料理とジャズの音色――大人の心をゆるませる“三種の神器”がここにある。

取材・文/宮原香菜子 写真/須藤夕子

アフター・アワーズ

1.歴史を感じさせる内装。大人の男がほっとひと息つけるのは、こんな落ち着いた店だろう。
2.ピアノはお店のサイズに合わせてオーダーした特注品。インテリアとしてではなく、ライブの時には活躍する現役選手だ。
3.キリンラガー(中瓶)580円と季節のオススメメニュー、生ハムとルッコラのピザ980円。
4.1階のスタンディングバー「AFTER HOURS 2005」はノーチャージ。こちらで1杯飲むと2階のチャージが無料になるという特典も!

AFTER HOURS

住所 東京都杉並区高円寺北3-21-20

電話番号 03-3330-1556

営業時間 1F/17:30~翌0:30、2F/18:30~翌2:00(日曜は1時間繰り上げ)

休日 月

金額 チャージ400円。ライブのある日はミュージックチャージも含み、水1800円、土・日1600円

URL http://www.afterhours1975.com/


ジャズ一筋で半世紀“名物オヤジ”とジャズに酔う
Jazz Kitchen MANHATTAN

 阿佐ヶ谷駅からほど近い場所にある、少し古びたビル。階段を上ると、今年でオープン23年目を迎えるジャズバーにたどりつく。20人も入れば満員になる小さな店だが、夜な夜な繰り広げられるライブは圧巻の一言。なかでも、毎週木・金・土曜の深夜1時から始まる深夜のジャムセッションは有名で、観客を巻き込み朝まで盛り上がりをみせる。 
 マスターの望月保孝さんは、70歳を目前にした今も月に2回はステージに立つ現役のジャズメンだ。若かりし頃には、米軍キャンプやダンスホールでピアノやアコーディオンを奏でていたという。「若い人が演奏できる場所を提供したい」と店を開いたのは、40代後半のこと。今や、“新人の登竜門”とまで呼ばれるようになった。「ここから巣立って有名になった人は、数え切れないくらい。ジャズヴォーカリストとして活躍している小林桂さんも、高校時代には両親と一緒に店に来て、歌っていたものです。」
 店では、昼間の時間を利用して「マンハッタン・ジャズ・アカデミー」も開催している。プロのプレイヤーたちが丁寧に教える、完全プライベートレッスン。そこにあるのは、「もっとたくさんの人にジャズの魅力を知ってもらって、ジャズの裾野を広げたい」という望月さんの強い願いだ。まったくの初心者から、昔ジャズをかじっていた中高年の“元ジャズメン”まで、さまざまな人が通っている。
 1995年秋、阿佐ヶ谷はジャズの街になった。広場や小学校の体育館、ライブハウス、レストランなど、街中がジャズ漬けになる「阿佐谷ジャズストリート」。望月さんは、今や全国区となったこのイベントの発起人でもある。
 「ジャズが好きな人は、今も昔もたくさんいるはず。もっともっと、生のジャズに触れる機会を持って欲しい」半世紀をジャズ一筋に生き抜いてきた“名物オヤジ”の思いをのせて、今宵も小さな店はジャズに満たされる。

取材・文/渡辺裕希子 写真/岡村智明

マンハッタン

1.店名は、リチャード・ロジャースの名曲「Manhattan」から名づけられた。ライブのたびに演奏する、望月さんのテーマ曲だ。
2.レコードジャケットやポスターが飾られたシンプルな内装。どの席に座っても、ライブの迫力を間近で味わうことができる。
3.「中学生の頃からアンプやスピーカーを自作していた」というだけあって、音響設備も本格的。
4.ハートランドビール(500ml)750円は、7種類あるビールの中でも一番人気。手作りトマト&バジルピザは750円。

Jazz Kitchen MANHATTAN

住所 東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-2-7 喜楽ビル3F

電話番号 03-3336-7961

営業時間 ライブ21:00~22:00、22:30~23:30(日曜は1時間繰り上げ)

休日 月

金額 バーボン500円~、スコッチ550円~、ホットワイン800円、レモネード700円、オムライス(ミニサラダ・スープ付)680円

URL http://www.ateliermw.com/manhattan/


知る人ぞ知るブルース・バーは中野にあり
ブライト・ブラウン

 「中央線、滅多に使わないんですが、やっぱり活気がありますねえ」
 とはカメラマン女史。中野サンモールの雑踏の中、はぐれそうになりながら辿り着いたのが、この日の目的地、ブライト・ブラウンである。このブライト・ブラウン、実は知る人ぞ知る、ブルース・バーなのだ。
「ブルースといっても、生ギター1本で歌うカントリー・ブルースから、バンド・スタイルまで、幅広いんですよ。僕はどんなブルースでも大好きですけど、うーん、どちらかというとシカゴ・ブルースですかねえ(笑)」
 とは店主の鈴木規之さん。取材のBGMに、わざわざ(?)ルーリー・ベルのシカゴ・ブルースをかけてくれた。
「うちの面白いところは毎週木曜のセッションタイムですよ。楽器を始めたばかりの人たちに交じって、ブルースハープの石川二三夫さんや、ギターの吾妻光良さんなど、プロの人たちがふらりと遊びに来ては一緒に演奏していくんです」
 鈴木さんがギターを弾いてオープニングを務めることもある。鈴木さんも根っからのブルース・マンなのだ。そんな鈴木さんに、どうして中央線はこってりしたロック、ブルースのイメージがつきまとうのか尋ねてみた。
「ほんと、どうしてでしょうねえ(笑)。僕が中央線沿線、高円寺なんですが、住み始めたのは21歳の時。今年48歳ですから27年前ですね。今はボーダーレス化が進みましたが、当時は、高円寺から西荻窪周辺にブルース・ミュージシャンが集まっていたんですよ。ちょうどJIROKICHIを取り囲んでいたような(笑)。ブルース・ミュージシャンにとっては憧れの土地だったんですよね。そんな中から巣立っていったミュージシャンが多いことも理由なのかなあ」

取材・文/森澤郁夫 写真/田頭真理子

ブライト・ブラウン

1.セッションタイムは木曜の21時から深夜0時。チャージは500円。毎週30人前後のお客さんで埋まるという。壁にはキャリー・ベル、ジェームス・コットン、B.B.キングのポートレイトが。
2.3.キリンスタウト700円、トマトソースパスタ800円。キリンスタウトは鈴木さんのお気に入り。水・金曜は終日バー・タイム。
4.店主の鈴木さん。「ジャズがかかる時もありますよ。ケニー・バレルやウエス・モンゴメリー、T・モンクとか。ジャンゴ・ラインハルトも」ジャンゴとは意外!
5.お店は雑居ビルの2階に。ライブは日・火・土曜。ボーカル、ブルースハープ、ギター、ピアノ、ベース、ドラムスの豪華な編成のプログラムもある。

ブライト・ブラウン

住所 東京都中野区中野5-59-9 湯澤第二ビル2F

電話番号 080-3024-4685

営業時間 20:00~翌2:00

休日 月

金額 チャージは内容により異なる(500円~1500円程度)

URL http://www011.upp.so-net.ne.jp/nakano-BB/


ホンモノの音楽と交わる一体感が楽しめる音楽を志し、愛する人々の聖地
稲生座

 吉田拓郎、南こうせつ、遠藤ミチロウなど数々のミュージシャンを輩出してきた高円寺。1970年代には、駅周辺に十数軒ものライブハウスやロック喫茶が建ち並んでいたという。当時に比べると店の数は減ったものの、音楽好きが集う街の雰囲気は今も変わってはいない。
 1978年にオープンした「稲生座(いなおいざ)」は、当時の熱気を保ち続ける老舗のライブハウスだ。30人も入ればいっぱいになる店内は、音楽を愛する人々が放つ濃密な空気で満たされている。
ここの魅力はなんといっても、ライブの一体感だろう。客席とステージとは極めて近く、手を伸ばせば届きそうな距離感。内装、雰囲気、演者、客…。すべてが混沌としているのに、ひとたび演奏が始まるとテンションが一気に上がり、あっという間に飲み込まれていく。
 こぢんまりとしたステージで演奏される音楽は、ロックあり、パンクあり、フォークあり。ときには、演劇や落語、映画の自主上映会が行われることもある。ステージに立つにはオーディションを通過しなければならないが、ジャンルはもちろん、プロ・アマ不問。基準は、店のスタッフが“気に入る”かどうか。本物を見極めるスタッフの確かな眼が、「稲生座」の歴史を支えている、といっていいだろう。
 ライブが終わる夜10時からは、バータイムへと突入。ライブの余韻に浸る演者や客に加え、高円寺界隈から個性的な人々が集う。仏像や花、ガラス玉などが無造作に飾られた薄暗い店内で酔いに身を任せていると、まるで海賊船に乗っているような錯覚に陥るだろう。
 昨年2月、店をイチから作りあげてきたマスターの柴田廣志さんが、惜しまれつつ亡くなった。ギタリストとしても活躍していた柴田さんは、店に集う色とりどりの人々を受け入れ、いつでも温かく包み込んでいた。現在は、ピアニストである奥様がその遺志を引き継ぎ、ママとして店を守っている。音楽を愛する人々を結びつける、強い磁力がここにはあるのだ。

取材・文/渡辺裕希子 撮影/松葉 理

稲生座

1.海賊船の中にいるような、不思議な雰囲気。無造作だが、センスのよさを感じさせる。
2.カウンターにはCDが積まれ、本が並ぶ。ほどよい“散らかり感”で落ち着ける雰囲気。
3.キリンラガービール(中)600円と秘伝のタレで漬け込んだアタリメ600円。酒や醤油、ニンニク、香辛料をきかせた味付けで、ビールがすすむ。
4.高円寺駅から歩いて5分、レンタルビデオ店の2階にある。店名は、柴田さんの出身地である青森県十和田の稲生町から名づけている。

稲生座

住所 東京都杉並区高円寺北2-38-16 サニーマンション2F

電話番号 03-3336-4480

営業時間 19:30~翌2:00

休日 火

金額 生ビール600円、ワイン(グラス)630円、焼うどん650円、チキンジンジャー750円、キムチ400円

URL http://www.freepe.com/i.cgi?inaoi


懐かしのシングルレコードを聞きながらみんなが青春時代に戻れる店
Bar plastic model 、バー・プラスチック・モデル

 昭和の香り漂う個性的な店が軒並ぶ新宿ゴールデン街。この街で70年代、80年代の懐かしい音楽を聞きながら、思い切り昔話ができるお店。それがバー・プラスチック・モデルだ。
「曲数で言うと、ここにあるだけでざっと5万曲以上かな。洋楽・邦楽、ジャンルを問わず、オールリクエストでやってます。基本的に80年代って言ってますけど、そこから派生して60年代、70年代の音楽もかけます。昭和50年代のものが多いかな。75~85年ぐらいの。ジュリーの『勝手にしやがれ』もサザンの『いとしのエリー』も、実は70年代後半だったりするし」という店主の関根圭さん。
 カウンターにずらりと並んだシングル盤のレコードを、客が自分で探しながらリクエストできるというのもこの店ならではのスタイルだ。レコードはすべて彼自身のコレクション。店に置いてあるのはその一部だという。
「あの当時はもちろんCDなんてなかったんで、自然とレコードばかりなんですけど。どうせなら、その当時に聞いてた音源で聞くほうがいいでしょ。シングル版だとLPと違って手軽に取り出せるし。カセットテープ・バーなんかもできたらいいな(笑)」
 ピンクレディーにオフコース、ムーンライダーズ――ジャケットを見ているだけでも、“あの頃”が蘇る。いい意味で“節操なく”流れる音楽が、そこにいる皆の時間を引き戻していく。 「僕が71年生まれなので、80年代は一番多感な頃だったんですよ。しかもその頃って、歌謡曲や日本のロックが一番面白かった気がするし。お客さんとは、音楽を通して“あの頃”の話ができればいいかなと思ってます。例えば、渡辺美里を聞きながら、この曲が流行った頃はこうだったああだったと、みんなで恥ずかしい過去のことを話して、それで清算している感じかなぁ」
 いい大人が、かつてオモチャのプラスチックモデルに熱狂した少年時代の顔になってしまう――そんな不思議な店である。客同士で音楽談義に花が咲く光景もそこここで見受けられる。まさに“音楽が主役”のバーなのだ。

取材・文/宮原香菜子 撮影/岡村智明

Bar plastic model 、バー・プラスチック・モデル

1.レコード屋のようにシングル盤がずらりと並んだカウンター。8人も座ればいっぱいになってしまう店は、連日立ち飲みが出るほどの盛況ぶり。
2.オープンは5年前。今ではゴールデン街でも知られる名物店に。出版や音楽、映像関係者など業界の人たちも多い。
3.店内奥のDJブースで、関根氏自らがリクエストをつないでくれる。プロジェクターもあり、CMばかりを集めた“当時の最先端な映像”も楽しめる。
4.ハートランド700円。音楽を肴に楽しむ。フードはポテトチップ400円などスナックのみ。チャージが700円、ドリンクは600円から。

Bar plastic model

住所 新宿区歌舞伎町1-1-10

電話番号 03-5273-8441

営業時間 月~土20:00~翌5:00、日20:00~翌2:00

休日 不定休

金額 チャージ700円

URL http://www.plastic-model.net


「はっぴぃえんど」もここで育った
渋谷で最も古い“伝説”のロック喫茶

1.店内のいたるところに貼られているポスターも年代モノが多く、歴史を感じさせる。1階は40席、100名までOKの2階にはお座敷もあり。地下はライブハウスになっている。

 扉を開けると、流れてくるのはボブ・ディランにニール・ヤング、ザ・バンドなど…。創業は1969年という渋谷最古のロックバー&ライブハウス、B.Y.Gでは、アメリカンロックやブルースが「やっぱり音楽は大音量で聴かなければ!」とばかりに鳴り響く。
 レコードのコレクションは1万枚以上。主流は60年代~70年代のアメリカンルーツロックだが、新譜もしっかりと取り揃えている。もちろん、リクエストも可能だ。 「創業当時、ロック喫茶は市民権の無い時代。昔この辺はジャズ喫茶が多かったんだけど、どんどん減っちゃって。今でも残っているお店はここと、隣りの『名曲喫茶ライオン』ぐらいです」と語るスタッフの山本さん。
 まだ洋盤が希少だった当時、音楽を愛する若者にとってロック喫茶は実にありがたい存在だった(今はクリックひとつでダウンロード、だけれども…)。現在はお酒や料理も提供するバーという形態になったのだが、昔のロック喫茶の名残で、コーヒーでリクエストをしていく常連客もいるという。店内は地下のライブハウスと1~2階のカフェバーからなる大きな建物。年代もののポスターや柱に刻まれたサインなど、当時そのままの空気を漂わせるここは、音楽ファンの間では聖地のような場所でもある。
「地下のライブスペースでは当時、はっぴぃえんど、はちみつぱい、ブルースクリエーション、頭脳警察などが演奏していたそうです。Charさんや佐野元春さんも、若いころウチに通いつめていたと聞いています」
 “ビューティフル・ヤング・ジェネレーション”の頭文字でB.Y.G。新しい日本のロックの誕生は、B.Y.Gの存在無しにはあり得なかったかも知れない、と言ったら言い過ぎだろうか。

 まさに“伝説の”と呼ぶにふさわしいロックの殿堂では、今も活気あるライブが不定期で行われている。BEGINや遠藤賢司、風味堂、などの有名アーティストたちのライブが80名ほどの小バコで楽しめるというのも、凄い。 ライブ情報はHPで発表されるので、こまめにチェックしたい。
「ウチでライブをするには、厳しいオーディションに通らないとダメなんです。プロもアマも関係なく、オリジナリティのある音楽性を重視しています。ここには音楽の神様がいると演者の方々がよく言われるんですが、ホントに一体感が凄い。だからこそ、皆さんホームグラウンドとしてウチで演るのを楽しみにしていてくれるんでしょうね」
 昨年からは、渋谷クアトロとともに「東京うたの日コンサート」というB.Y.Gで演奏するアーティストたちによるイベントも企画。音楽を通じて継承されるB.Y.Gスピリットは、永遠に不滅なのである。

取材・文/宮原香菜子 撮影/田頭真理子



1.店内のいたるところに貼られているポスターも年代モノが多く、歴史を感じさせる。1階は40席、100名までOKの2階にはお座敷もあり。地下はライブハウスになっている。


2.3.ここのライブの特徴は、とにかく客席とステージが近いこと。手を伸ばせば届く距離のかぶりつき席のほか、一段高いフロアでテーブルに座ってゆっくりとライブを堪能することもできる。
4.店内の柱にはここで演奏してきたアーティストのサインが。DJブース横には、はっぴぃえんどが出ていた当時のライブ予定表も残っている。
5.選曲は山本さんほか、音楽通のスタッフによる選りすぐり。1万枚以上あるレコードやCDの中から好きな曲をリクエストすることもできる。ザ・バンドやニールヤ・ングが人気とか。
6.1階と2階をつなぐ吹き抜けの階段。ここを登ってCharが、佐野元春が…と思うと感慨深い。
7.「キリン一番しぼり樽生」650円には、ぴりりと辛い「豚肉とゴーヤの辛しポン酢」700円がピッタリ。曲名にちなんだオリジナルカクテルなどもある。
8.メニューはすべて手作り。「特製焼きそば」850円など、ご飯モノも人気が高い。スパイスの爽やかな香りが広がる「キーマカリー」850円もおすすめ。

ここのライブの特徴は、とにかく客席とステージが近いこと。手を伸ばせば届く距離のかぶりつき席のほか、一段高いフロアでテーブルに座ってゆっくりとライブを堪能することもできる。。

B.Y.G

住所 渋谷区道玄坂2-19-14

電話番号 03-3461-8574

営業時間 18:00~翌2:00、土17:00~翌2:00、日・祝15:00~24:00

休日 なし

 http://www.byg.co.jp/


130種類のビールで巡る世界32カ国ウィークエンド・ライブが楽しみなビア・バー

1.世界各国のビールを取り揃える。ゲストのリクエストで増えていくので、メニューにないビールの種類もかなりのもの。

 「Softly,As In A Sunrise Morning」を皮切りにピアノトリオ+ギターによるジャズ・ライブが始まる。今宵、私が足を運んだのは宮益坂のビア・バーである——。
 江戸時代、幕府直轄地であった渋谷。宮益坂は商家で賑わっていたという。その宮益坂を上りきってすぐのところにBILLY BAREW’S BEER BARがある。都内に5店鋪をもつビア・バーの老舗で、本店の高田馬場店は創業20年。渋谷店はオープンしてまだ3年目と間もないが、またたく間に愛飲家に知られるところとなった。世界中のビールが飲める店というのが謳い文句だが、これまで何度か裏切られてきた私は、この点を詳しく聞かないでは引き下がれない。
 「現在のメニューだけでも32カ国130~140銘柄があります。ギリシャ、スリランカ、イスラエルのものが珍しがられます」
 とは店長の野口晃一氏。さらに野口氏は
 「例えばお客さまが海外でビールを飲まれたと。それがうまかった。それを飲みたい。銘柄は○○という国の

△△だ、と。こういう情報を頂いて、それを私どもは用意するわけです。つまりオーダーを受けてすぐにサーブできない銘柄はありますが、事前にお申し付けいただければご提供いたします」。
 なるほど、合点がいった。ちなみに冒頭で紹介したウィークエンド・ライブが聞けるのもここ渋谷店のみ。これでお目当てのビールが飲めれば、言うことはない。

取材・文/森澤郁夫 撮影/田頭真理子



1.世界各国のビールを取り揃える。ゲストのリクエストで増えていくので、メニューにないビールの種類もかなりのもの。


2.週末にはライブが行われる。この日は"CHIEKO with Sweet'n Bitter"によるジャズ。スケジュールはHPにて確認できる。
3.「キリン一番搾り」小瓶500円と「バッファローウィング」600円。アメリカでポピュラーなメニュー。ピリ辛の風味がビールによく合う。
4.「チャイニーズチキン鶏モモの唐揚 油淋鶏ソース」800円。世界各国のビールに合わせやすいように、国際色豊かなメニューが揃う。2.週末にはライブが行われる。この日は"CHIEKO with Sweet'n Bitter"によるジャズ。スケジュールはHPにて確認できる。
3.「キリン一番搾り」小瓶500円と「バッファローウィング」600円。アメリカでポピュラーなメニュー。ピリ辛の風味がビールによく合う。
4.「チャイニーズチキン鶏モモの唐揚 油淋鶏ソース」800円。世界各国のビールに合わせやすいように、国際色豊かなメニューが揃う。

ビリー バリューズ ビア バー 青山

住所 渋谷区渋谷1-6-3 B1F

電話番号 03-5778-2808

営業時間 月~金、11:30~14:30(Lunch)、18:00~26:00(Bar)、土18:00~24:00

休日 日・祝

金額 レギュラーメニューや季節限定生ビールなど、130種類のビールがそろう。テーブルチャージ500円

 http://bbj.sv-s.com/main/top.html


極上のキューバ産シガーと出会える渋谷の街頭を見下ろす一軒家シガーバー

1.シガーに陶酔するのに相応しい奥のソファ席。照明を落とした静かな空間でゆったり向き合いたい。

 小説家のマーク・トウェインは「シガーのない天国なら行きたくない」と語り、また精神分析学の巨匠フロイトは「シガーを吸わなかったら、精神の深みを探究することはできなかったであろう」と述懐したといわれる。それほどまでに人の心を虜にする「シガー」。粋な大人の小道具でもあり、人生そのもの、ともいえるかもしれない。その至福なる紫煙の世界に足を踏み入れたいが、初心者は、最初の一歩をどこで始めるべきか迷うだろう。そんな時に扉を開きたいのが「ル・コネスール」である。
 シックなソファ席にカウンターバー、開放的なテラス席と、思い思いに過ごせるよう多彩なステージを用意したシガーバー。この懐の深さは、入門編としてまさにピッタリだ。未体験者はまずカウンター席をリザーブすべき。スタッフが対面で懇切丁寧に、選び方から吸い方、楽しみ方まで教えてくれる。シガーは約100種用意されているが、たとえばアフターディナー用にと淺野泰伸店長がチョイスしたのは、オールハンドメイドの最高級ブランド「コイーバ・ランセロス」。ハーブ系の軽いタッチで、爽やかな印象。なおかつ花のような香りで、アフターも心地よく続く逸品だ。

 まずカッターで吸い口を美しくカットしたら、スペインシダーを用いて火をつけ、口へ。煙を肺に吸い込ませるのではなく、頬で吸い、煙を立ち上らせることがポイントだ。そして鼻腔にかかる煙と口に広がるニュアンスに陶酔する…。ひとつひとつの動作がまるでなにかの儀式のようにも思われてくる、まさに大人の嗜好品だ。
 傍らには好きなお酒とジャズ。ゆったりと長い時をかけてシガーと向き合うのは、それはそれは贅沢な時間。恋人と一緒にいる時間にどこか似ているかもしれない…。

取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫



1.シガーに陶酔するのに相応しい奥のソファ席。照明を落とした静かな空間でゆったり向き合いたい。
2.キューバ産のシガーを中心に、100種類ほどを揃えるほか、シガーアクセサリーも取り扱う。
3.温度・湿度を一定に保ち厳重に保管される。HPからは、シガーの宅配サービスなども行っている。
4.都内では珍しい一軒家で、爽やかなテラス席もある。デイタイムにはカフェとしての利用もできる。
5.キューバ政府のVIP用のシガー「コイーバ・ランセロス」3000円。砂糖と花の香りをミックスしたような印象。ラム「ハバナクラブ」3年を使った「モヒート・キューバン・スタイル」1470円とベストマッチ。
6.「ハートランド・ドラフトビール」735円。「ドライフルーツ」1200円、「季節のチーズアソート」1470円など、つまみ類も充実しているほか、食事も可能。

2.キューバ産のシガーを中心に、100種類ほどを揃えるほか、シガーアクセサリーも取り扱う。
3.温度・湿度を一定に保ち厳重に保管される。HPからは、シガーの宅配サービスなども行っている。
4.都内では珍しい一軒家で、爽やかなテラス席もある。デイタイムにはカフェとしての利用もできる。
5.キューバ政府のVIP用のシガー「コイーバ・ランセロス」3000円。砂糖と花の香りをミックスしたような印象。ラム「ハバナクラブ」3年を使った「モヒート・キューバン・スタイル」1470円とベストマッチ。
6.「ハートランド・ドラフトビール」735円。「ドライフルーツ」1200円、「季節のチーズアソート」1470円など、つまみ類も充実しているほか、食事も可能。

ル・コネスール

住所 東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティ・ウェスト

電話番号 03-5459-2626

営業時間 11:00~翌4:00、日・祝日11:00~23:00

休日 なし

金額 ハートランド・ドラフトビール735円、コイーバ・ランセロス3000円、チャージ1050円

URL http://www.leconnaisseur.jp/



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