自身が手がけたフィギュアを撮影し、広告や映画のイメージビジュアル、挿絵などを手がけるフィギュアイラストレーターのデハラユキノリは、独自のロック観を持つ。2002年にタワーレコードの広告を、また多数のバンドのCDジャケットを手がける彼は、イラストレーターの金子ナンペイと結成した「メンペ(東京メンズペインター協会)」としても活動を行うなど、意欲的に表現を続ける。では、彼にとってロックとは?
インタビュー・文/中島良平 写真/サコカメラ

—東京に来る以前、来てからの音楽体験について教えてください。
デハラユキノリ(以下D):中学生のころは地元の高知で、よくライブに行っていましたね。田舎だから、ライブをしに来る人たちが少ない。だから、もともとそんなに好きじゃなくても来たら見に行くみたいな感じで、来るのがわかってからCDを買って、勉強してから見に行ったりもしていました。日本人のロックが多かったです。ライブに行って騒ぐのが楽しかったんです。

—基本的にロックが好きだったんですね。
D:いや、実際にはライブが楽しかったというよりも、「ライブに行って騒ぐのが楽しいような気がしていた」といったほうが正しいかもしれません。大学生ぐらいになると、音楽差別というか、よりオシャレな音楽を聞いていたらエライ、みたいな空気がありますよね。その壁にぶつかってしまったんです。先輩に「やっぱいまはレゲエだよ」「ドラムンベースがいいんだよ」とかいわれても、「はあ…」と相づちを打つぐらいしかできない。そのへんからどんどん感覚がずれてきて、ラジオばっかり聞くようになりましたね。

—じゃあ、CDを買うこともなくなってしまったと。
D:いや、いまはYUIをよく聞いてます。というか、作業しながらズーっとかけているんで、バイトの人に「そろそろ止めませんか?」って呆れられています。東京に来る前ぐらいに気づいたんですけど、やっぱり日本語で歌っている曲が好きなんです。日本語じゃないと意味がわからないし、たぶん僕は感動したいんですよ。たまに電車に乗ってるときにiPodで聞いたりもしますけど、仕事中にかけてるのと違って、ちゃんと歌詞を聞くから泣きそうになってしまったりしますね。聞こえかたが変わってくるんです。

—デハラさんは、タワーレコードの広告など音楽関係の仕事もやられていますよね?
D:ええ、タワーレコードのときは、アントニオ猪木がタワーレコードの袋をかぶったプロレスラーに延髄蹴りをしているビジュアルを作りました。最初は、猪木をメインで使いたいから猪木を作ってほしい、という大雑把な注文だったんですね。でも僕は、似顔絵的に誰かのフィギュアを作るという作風ではないし、音楽系の事務所って自由度が高かったりするから変なのにしようと思って、タワーレコードの袋のレスラーを作ることに決まったんです。やっぱり懐が深いんだと思いましたね。

—その懐の深さが、ロックっぽかったと。
D:やっぱり自由度が高いですよね。人の性質というか、怖い人とか激しいような人よりも、自分のやりたいことに没頭しているような人に僕はロックを感じますね。

—音楽関係の仕事では、CDジャケットも手がけていますね?
D:ええ、韻シストというヒップホップグループやジャパハリネットなど、インディーズから出てきたミュージシャンのCDジャケットを結構作っています。基本的にミュージシャン本人に会って、ライブにも行って、的外れにならないようなビジュアルを作っています。でもじつは、レコード会社の人がお金を横領して発売中止になったり、よくないことが起こったこともあるんですよ。


1974年、高知県生まれのフィギュアイラストレーター。広告などを手がける一方、作家としても活動を行う。近著に絵本『サトシ君とめんた君』。香美市立美術館で『デハラユキノリ10年分 回顧展1997〜2007』が11月4日まで開催中。現在、来年1月にテレビ東京でスタートするアニメーション番組『ケーキーズ』を鋭意制作中。
オフィシャルHP→www.dehara.com






闘犬フィギュアとさ犬太

フィギュアは購入可能なものもあります。
詳しくはオフィシャルHP→オフィシャルHP→www.dehara.com



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