大人のロックフェスティバル2008 SPECIAL グラストンベリーへの道

グラスト早分かり年表

1970年

第1回開催。入場料は1£で、搾りたての牛乳飲み放題。観客は1500人ほど。T-REXが出演した。

1980年

核廃絶運動の団体であるCNDと提携し、世界中から注目を集めるロックフェスに。

1994年

OASIS出演。アルバム未発表の新人バンドながら、かつてないほどの話題を集める。

1999年

マイケル・イービスさんの妻・ジーンさんが亡くなり、フェス存続の危機に直面。

2004年

実質的な大トリの2日目のトリ(最終日は、翌日の仕事や混雑などを考えて早めに帰る人もいる)にポール・マッカートニー出演。世界から特に注目される年に。

2006年

未開催。5年に1回、踏み荒らされた牧草地の回復のために休むことになっている。

2007年

チケット販売がインターネットで事前にID登録をする方式に変更される。
グラストへ行くには?
公式HPからID登録し、直接申し込むことも可能だが、旅行のノウハウがないと、フェスティバルを思う存分楽しむのはとても難しい。グラストンベリーは初めて、という人はツアーがおすすめ。グラスト好きが集まって楽しむのもフェスティバルの魅力のひとつだ。

グラストンベリー・フェスティバル
http://www.glastonburyfestivals.co.uk/
井上ジェイ
井上ジェイ
明治大学卒業後、旅行会社などを経て写真家に。ジャマイカのレゲエ・サンスプラッシュやグラストンベリー・フェスティバルなどで、ミュージシャンを撮影。オアシス・オフィスを立ち上げ、音楽制作やレコード販売などを行うオアシス・レコード、音楽にまつわるツアーを企画するオアシス・ツアーを運営中。また、無類のビートルズ・フリークとしても知られる。

オアシス・レコード
http://www.oasis-records.com
オアシス・ツアー
http://www.oasis-office.co.jp

小さなフェスが今のように成長したのはどうしてですか?

'70年代は同じイギリスでもレディング・フェスティバルの方が人気でした。片田舎の知る人ぞ知るフェスだったグラストンベリーが全国区になったきっかけは、'80年代初めにCND(Campaign for Nuclear Disarmament)と提携したこと。CNDとは核兵器や原子力発電所などの核廃絶の団体で、1986年にはチェルノブイリの事故が発生して「それ見たことか」ということにもなるんですが、フェスの収益をCNDへ寄付する目的で提携したことで注目度が一気に上がったんです。

今では観客動員は十数万人規模ですよね

チケットの枚数分の観客にスタッフや関係者を加えたら、会場にはおそらく30万人くらいいるんじゃないでしょうか。メインのピラミッド・ステージとサブのアザー・ステージの他に、ワールドミュージック用、アコースティック用などたくさんのステージがあります。それにサーカスやダンステント、子供向けエリアなんかもあるし、いろんなワークショップも開かれます。例えばダンステントといっても数千人規模の会場で、出演アーティストも何十組もいるから、それだけでも十分盛大なイベントなんですよ。レストランやマーケットもものすごく大きいし、人口30万人の街が牧場の中に突如出現するようなものです。

アーティストにとってもグラストンベリーは聖地となっているとか

これまでにポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、ロッド・スチュアート……錚々たるアーティストが出演しています。新人の登竜門的なステージがあって、現在は大物として知られるアーティストが無名時代にそこに上がったという例も多いんです。BBCが生中継して世界からも注目されるし、「グラストに出た」というのがステイタスにもなるので、アーティストは有名無名にかかわらず出演したいんですよね。それから面白いことに、会場には正規のアーティストが演奏するだけでなく、ステージ以外で勝手に演奏してしまうアマチュアバンドがいて、海賊版ライブが発生します。で、結構そっちが楽しかったり(笑)。アーティストもオーディエンスも一体となって音楽を心から楽しみたいという雰囲気が、グラストンベリーにはありますね。

グラストンベリーの虜になった日本人も少なくないとか

日本でロックフェスをたくさん観ている人でも、グラストンベリーは特別だという人が多いですね。当たり前のことですが、まわりはみんな外国人なので、日本で同じアーティストのパフォーマンスを観るのとは全然違うんです。アーティストとオーディエンスのやりとりも活発だし、オーディエンスの反応も日本人と違うので、それを観ているだけでも面白い。日本では味わえないライブ体験が魅力ですね。OASISが出演した1994年は、ツアーにOASISファンが殺到して、参加者のほとんどがOASIS目当てという状態になったんです。フェスに行くというより、OASISを観に行くツアーになっちゃって(笑)。でも、そこでフェスの面白さに気付いて、OASISに関係なくリピーターになった人もいるんです。

ずばり、グラストンベリー・フェスティバルの魅力とは?

みんなで3日間暮らす、ということかな。12歳以下が無料なのでファミリーで来る人が多いし、子どもからお年寄りまでが一緒に生活しながら思い思いに楽しむ感覚があります。6月下旬は一番いい季節なんです。23時近くまで明るいし、イギリスにしては珍しく天候もいい時期。あちこちにあるパブでビールやサイダー(リンゴの発泡酒)なんかを飲んでるだけで、本当に幸せな気分になれますね。




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