INTERVIEW QUEEN+PAUL ROGERS 13年ぶりの新作『ザ・コスモス・ロックス』を語る!
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高野裕子(たかの・ゆうこ)
英国在住。大学時代より洋楽雑誌の編集、レコードの対訳などを行い、1980年に渡英。82年に一時帰国(徳間ジャパン・レコード勤務)。82年ニューヨークへ渡り、元セックス・ピストルズ、当時PILのジョン・ライドン、キース・レヴィーン、ジネット・リーに独占取材し話題に。83年より再び英国へ。ラジオ、テレビ、雑誌、コーディネーションなど、様々なメディアで英国音楽シーンの最前線をリポートしている。



the cosmos rocks/ザ・コスモス・ロックス QUEEN+PAUL ROUGERS/クイーン+ポール・ロジャース
■スンダード・エディション
9月17日(水)日本発売(イギリス発売:9月15日(月))
TOCP-70615  EMIミュージック・ジャパン ¥2,500(税込)
1. Cosmos Rockin'
2. Time To Shine
3. Still Burnin'
4. Small
5. Warboys
6. We Believe
7. Call Me
8. Voodoo
9. Some Things That Glitter
10. C-lebrity
11. Through The Night
12. Say It's Not True
13. Surf's Up ... School's Out !
14. (small reprise)

■スペシャル・エディション(限定発売)
10月08日(水)日本発売
<2CD> TOCP-70634  EMIミュージック・ジャパン ¥3,500(税込)
※スタンダード・エディションにクイーン+ポール・ロジャースの2005年の日本ツアー“スーパー・ライヴ”で収録された15曲を収録した2枚組みCD
<DISC1>
※上記スタンダード・エディションと同じ
<DISC2>
1. eaching Out
2. Tie Your Mother Down
3. Fat Bottomed Girls
4. Another One Bites The Dust
5. Fire And Water
6. Crazy Little Thing Called Love
7. Teo Torriatte
8. These Are The Days Of Our Lives
9. Radio Ga Ga
10. Can't Get Enough
11. I Was Born To Love You
12. All Right Now
13. We Will Rock You
14. We Are The Champions
15. God Save The Queen
※『SUPER LIVE In Japan(2005年10月27日 さいたまスーパー・アリーナ)』より


 13年ぶりにクイーンが新作アルバム『ザ・コスモス・ロックス』を発表した。91年のフレディー・マーキュリーの死の衝撃は大きく、95年にはベーシストのジョン・ディーコンが引退。以後残されたブライアン・メイとロジャー・テイラーは、クイーンの名前でチャリティー・コンサートや特別イベントに数回のライブを行ったり、ゲスト・ヴォーカリストと共に数曲レコーディングしたりしたものの、バンドとしては実上空中分解の状態だった。ところが3年前にポール・ロジャースとライブ活動を再開、クイーンの名曲をひっさげ世界を回り、日本では埼玉スーパー・アリーナで公演、多くのファンを喜ばせてくれた。このツアーで水を得た魚のように音楽への活力を取り戻した二人が、ここに届けてくれたのが『ザ・コスモス・ロックス』なのだ。正確にはクイーンの新譜と言うよりポール・ロジャースとの共作アルバムだが、20年間世界中から愛されてきたあのクイーン・サウンドとポールのブルース・ボイスが合体したサウンドは絶妙。現在精力的にヨーロッパ・ツアーも行なっている。

 クイーンと言えば70年代後半、世界中に先駆け日本で人気が爆発。スタジアム・バンドとして世界制覇をなした後も日本で愛され続け、今だ彼らの楽曲がCFやドラマの挿入歌などの形でお茶の間に流れたりする。日本のクイーン・ファンは幅も奥行きも深いのだ。個人的には彼らの初来日公演を日本武道館で体験しているが、正直なところ記憶はおぼろげ。多分私が見た初の外タレ(死語?)ライブだったかもしれない。以後2,3度彼らに取材しているが、目の前にいるフレンドリーで気取りのないブライアンやロジャーの実像と、武道館で見た華麗なクイーンの虚像を一体化するのは、年月が流れれば流れるほど難しい。

 今回取材をするにあたり、家の近所にあるジョージ・ルーカス・スタジオ(70年代『スター・ウォーズ』が撮影された映画スタジオ)で彼らのリハーサルを見せてもらった。アリーナ・サイズのステージをそのまま再現、カメラも入れての本格的リハーサルだったが、観客席なしで巨大なステージがスタジオに所狭しと陣取り、それをかぶりつき状態で見る、とても奇妙な体験だった。

取材と文:高野裕子
Interview with Brian May
——13年ぶりに新作を作った感想からまず教えてください。

ブライアン・メイ(以下BM):ときには興奮したし、ときには新たな挑戦だと思ったし、また落ち込んだこともあったし。新作アルバムを制作するということは、人間の様々な感情の旅を体験するみたいなものなんだ。それなしに深みのあるアルバムは作れないから。年もとり、経験も積んだが、昔との最大の違いといえば、このバンド以外にいろんな事をやっている別の人生があるという点だろう。だからアルバムを作るために、スタジオに缶詰になるという作業は、そういったほかの人生について考えるのを中断しなければならなかった、という点で難度が増したとも言えるだろうね。

——これはクイーンのアルバムなのか、クイーンのアルバムでないのか、レコーディング中どう感じていましたか?

BM:あまりそういったことは意識しなかった。他の二人のミュージシャンと音楽を作っているんだ、って気持ちだけだったし。どう呼ぶかというのは、それほど重要なことに思えなかった。ただ人が聞いて僕らだとすぐわかる名前にしたかった、という事以外は。まあグリーン・オニオンズなんて名前にしても良かったんだよ。新しいグループなんだから。過去の経歴が反映されているのは確かだが。ただ情報のあまりない一般の人には、新しい名前を使った場合、これが僕らなんだという事実を発見するのに時間や手間がかかると思った。クイーン+ポール・ロジャースって響きは決してよくないけど、でもそれ以外わかりやすい名前は考えられなかったんだ。

——レコーディングでは3人がいろいろな楽器を試したそうですが、ギターのほかにどんな楽器を弾いたんですか?

BM:僕が弾いたのは主にギターだったけれどね。いつもピアノを少々弾くので、今回もピアノを弾いた曲もあるし、ベースもかなり弾いたかな。ベースを弾くのは楽しいね。ロジャーもベースを弾いたし。“サーフス・アップ”は明らかにロジャーのベースだよ。ポールがベースを弾いている曲は多分“タイム・トゥ・シャイン”だったと思うな。僕とポールが二人で交代して弾いた曲も2曲ほどあるかな。楽しかったね。

——取材陣の前で昨日演奏したのは楽しかったですか?

BM:楽しかったよ。最初この話が出たときは、まだ完全にツアーの準備ができてるわけじゃなくて気が重かったけど、それでもやる気を起こすきかっけになったんだ。ツアー開始までそれほど時間があるわけじゃないから、気を入れてやろう、って気持ちになったしね。おまけに声援もかけてもらったんで、凄く良かったよ(笑い)。

——現在の音楽にフレディーの陰が感じられると思いますか?

BM:どうだろう。それは僕らよりも聞き手が判断することではないかな。聞いてそう感じるのなら、そうなんだろうし。僕の心境的には、フレディーがいつも身近なところにいるように感じているんだ。以前と同じように感じるというか、不思議に響くかもしれないが・・。ずっと彼と一緒に音楽作りをしてきたから、スタジオの隅を振り向くと今でもフレディーがいるような気持ちになるんだ。そして今やっている曲にどんな反応をしたかな、なんて思うんだよ。今では彼の死を克服できたと思うし、一時期は非常に悲しみに打ちひしがれた時期もあったが、まあ両親を失うのと同じで、悲しみの時期を乗り切れば、彼らが生きていたころの多くの思い出を祝福でき安堵感にひたることもできるんだ。だからこそフレディーとの思い出が現在の僕らの大きな糧になっていることは確かだよ。


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