#67 どうやって「ブラックバード」ができたんだろう (堀込泰行)
1.「ピンバッジは友達の海外土産です。古着屋で買ったらしいんですけど、昨日電話してどこの国だか訊いたら"忘れた"って(笑)」
2.「マグカップももらいものです。キリンジをやる前にレコードの卸でバイトしてたんですよ。輸入して各地の中古屋に送る倉庫で働いてた。そのときに販促グッズかなんかで入荷したもので、"もらっていいすか?"って(笑)。ペン立てにしたり本棚に飾ったり、ずっと持ってます」
曲作りで参考になったのはポールのソロですね。『タッグ・オブ・ウォー』はよく聴いたし、「ヒア・トゥデイ」「ジャンク」の路線が好き。あのへんのクラシックっぽい感じをよくコピーしてました。コピーしがいがあるというか、シンプルな進行なんだけどすごくきれい。ポールって基本的にはロックンローラーだと思うんですよ。でも「マイ・ラヴ」みたいな曲を書くことができてしまうっていうだけで、すごい期待されちゃうっていうか、そっちを求められてしまう感じはしますよね。でも基本的にはあまり深く考えない、パーティー音楽としてのロックンロールが普通に好きな人なんだろうなぁ、と思って見ています。もちろんジョンの曲も好きだけど、日本では"「イマジン」の人"になりすぎてて。あまりそうしないほうがいいのに、っていうのはありますね。
ビートルズは、4人のキャラの立ち方がすごい。そこが格好いい。バッドフィンガーやパイロットとかとは違う。4人とも格好いい。すごいめぐりあわせですよね。難しいことをやってないのにすごく音楽的なところも素晴らしい。「マーサ・マイ・ディア」のサビとか全然古くならないですもん。「ブラックバード」もどうやってできたんだろう、って思います。ギターを爪弾きながら、コードを押さえて作ったっていうよりは、あのプレイ・スタイルで遊んでるうちに出来たんじゃないか、あの弾き方を覚えてすぐ作っちゃったんじゃないか、って勝手に思ってるんですけど。出来た瞬間はどんな気分だったのかなぁ。会えたら訊いてみたい気もするけど、あんまり真面目に教えてくれないと思います(笑)。本人に会いたいとかってあんまりないんですよ。会わないほうがいいような気もする。
兄と同じく、イギリスに行ったことはないですね。自分から海外旅行をしようとは思わないタイプなんで。キャバーンとかに今行ったら案外しらけるんじゃないかとも思うし、アビー・ロードも白線の感じが昔と変わっちゃってるし。フレディ・マーキュリーが死んだときにちょっと行こうかなとは思いましたけど(笑)。僕もまだ20歳くらいだったんで、花でも手向けようかなと思って、ファンクラブにお墓の場所を問い合わせる手紙を送ったんですよ。でも入会案内の紙が来ただけでした(笑)。
取材・文/佐々木美夏
堀込泰行
ミュージシャン
1972年5月2日生まれ。埼玉県出身。98年に兄・高樹とともにキリンジとしてデビュー。その洗練された楽曲とハーモニーは多くのミュージシャンからもリスペクトされている。デビュー10周年を迎えた08年12月10日には新曲「星座を睫毛に引っかけて」を含む2枚組ベスト・アルバム『KIRINJI 1998-2008 10th Anniversary Celebration』(COCP-35308~9)をリリース。「順番に聴くと、歌がどんどんうまくなってる。最初の頃は自分たちが作る曲にスキルが追いついてなくて頭でっかちな感じもするけど、だんだん自然になってきてるところが聴きどころかもしれない。ビートルズは最初からそれができていたからすごいですよね。デビュー前からさんざんライブをやってたし、偉大なプロデューサーがついてたっていうのも大きいと思いますけど」
オフィシャルサイト
http://www.naturalize.jp/






