アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#57 最初に録音したのは「ヒア・カムズ・ザ・サン」でした (高野 寛)

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1.「僕はコレクションする癖がなくて、どちらかというとモノを持ちたくないほうなので、大したお宝もなく手前味噌になりますが……。96年に発売した僕のシングル「KAORI」は、「リアル・ラヴ」のエンジニアとしてクレジットされているジョン・ジェイコブズにミックスしてもらいました。仕上がりは今でも気に入っています。ビートルズと直接つながっている人と仕事できたのが嬉しかったです」

 多分中1のときに日曜のお昼くらいにやってた番組の中で三ツ矢サイダーのCMが流れて、それで「ラヴ・ミー・ドゥ」とか「プリーズ・プリーズ・ミー」を聴いたのが、ビートルズとの出会いでした。そのあと放送委員になって、給食の時間に放送室からレコードをかけてたんだけど、その棚の中に『アビイ・ロード』が1枚あったんですよ。他はクラシックとかサントラとかばかりなのに。それが第二弾の出会い。そして高校1年のときにジョンが亡くなって、追悼番組とかでラジオでビートルズがよくかかるようになって、有名な曲以外とも出会いました。どれもいい曲ばかりだっていうことに気づいて、そこから系統だてて聴くようになりましたね。

 いちばん好きな曲は「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」かな。僕はあまり音楽を分析しながら聴いたりするほうじゃないんだけど、あの曲は研究してコピーしました。でも自分のお葬式で流してほしい曲は「グッド・ナイト」かもしれない(笑)。そういえば初めてスタジオでデモテープを録った曲って、実は「ヒア・カムズ・ザ・サン」なんですよ。まだデビュー前で、バンドで行こうかソロで行こうかっていうのも決まっていない頃に、なんとなくレコーディングしてみた。でも発表はしていない。お蔵入りですね。カセットで今でも家にあると思う。聴きたいなぁ、今日帰ったら聴いてみよう(笑)。

 4人の中ではジョージが好きですね。特に『クラウド・ナイン』は本当によく聴きました。僕の1stアルバムと2ndアルバムは、間違いなく『クラウド・ナイン』のエッセンスからできている。ビートルズ的なものを最新のサウンドでやる、今そういう人は結構多いけど、当時はあまりいなかった。でもクラプトンと一緒に来日したライブには行きませんでした。自分に影響を与えた人から離れたい時期ってあるじゃないですか。ちょうどそういうときだった。

 ロンドンには仕事や他の人のライブのサポートで何回か行ったことがあります。アビイ・ロードの横断歩道も、撮影はしなかったけど(笑)、ちゃんと渡ってきました。白線が昔と違ってたのが残念でしたね。

 ビートルズは僕にとってルーツです。木の幹、木の根という意味のルーツ。すべてここから始まっていますから。

取材・文/佐々木美夏

高野 寛
ミュージシャン


1964年12月14日生。静岡出身。88年シンガーソングライターとしてデビュー。トッド・ラングレンのプロデュースによる「虹の都へ」「ベステンダンク」などのヒット曲で知られる。90年代後半からはギタリスト、プロデューサーとしても活動を始め、現在はナタリーワイズ、GANGA ZUNBA、 pupaなどさまざまなバンド・ユニットで活躍中。2008年11月19日にはソロデビュー20周年記念リリース第一弾としてシングル「LOV」をリリースする。
オフィシャルサイトHAAS


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