アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#51 みんなにわかりやすく ♪きのう〜、♪助けて〜!と歌ってました (王様)

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1. 「1967年7月7日の7歳の誕生日に、近所に住む大学生のお姉さんが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』をプレゼントしてくれました」。日本盤は同年7月5日に発売されたばかりで、盤が赤だった。
2. 今も大切にしているプレゼントされた『サージェント・ペパー』。「無人島に持っていくとしたら、迷わず第一にあげるのがこのアルバム。王様が大人になってからは、曲作りの教科書となりました。ビートルズの影響でいえば、このアルバム全体に曲作りのエッセンスがつまってます」
3. ビートルズの初期のカバーを直訳したアルバム『カブトムシ外伝』。収録曲は「ひねってワオ!」「お願い郵便屋さん」「踊るベートーヴェン」「君に首ったけ」「リジーにクラクラ」「月光おじさん」「長身サリー」「男子」「ゼニー」「米とげ、ザ〜ッと」「Hey 柔道一直線」「カブトムシキングメドレー」。

 7歳上の兄王様の影響で、幼稚園時代からロックに目覚め、英語の歌をカタカナで口ずさんでいたので、「王子様は英語で歌を歌っておられる」と近所で評判になりました。当時王家にあったドーナツ盤か4曲入りのコンパクト盤の「シー・ラヴズ・ユー」や、アルバムは『ウィズ・ザ・ビートルズ』『ハード・デイズ・ナイト』などを聴いていたのを覚えてます。王子様時代は、ジョンのヘビーな曲よりも、ポールのポップロックが子ども目線で作ってくれたような気がしてお好みでしたね。

 中学校でロック友だちができはじめて、アコースティック・ギター大全集の楽譜に載ってた「ヒア・カムズ・ザ・サン」「ブラックバード」「マザー・ネイチャーズ・サン」がレパートリーになりました。70年代に入りアフター・ビートルズのソロ・アルバムが出はじめた頃だったので、仲間どうしで分担して買うことになりました。「王様くんはギターもうまいし、ジョージかな」みたいな流れで、いきなり高価な3枚組『オール・シングス・マスト・パス』の担当になってちょっと困ったんですけど。

 直訳ロックを本格的に始めたのはサンプラザ中野くんの深夜番組に出たのがきっかけで、その後テレビや商店街でみんなにわかりやすいビートルズをつかみで使わせてもらって、♪きのう〜とか、♪助けて〜!と歌ってました。

 2005年にはビートルズがカバーした曲を集めた直訳集『カブトムシ外伝』を出しました。初期の頃の曲ですから、入る音もギター2本、ピアノ、ドラム、ベース、あとは手拍子かタンバリンでシンプル。その代わり歌やコーラスにはこだわりをもって、普通ならひとりで全部やっちゃうところを、いろいろな方に手伝ってもらいました。ビートルズの味わいは、ジョン、ジョージ、ポールの声の入りまじったコーラスにありますからね。リンゴは手数の多いテクニシャンじゃないけど、「そうだよね!」っていういい感じのリズムを繰り出すので、ベテランのドラマーを頼みました。王様は、オールドとかのいいギターじゃなく、スタジオに入る1週間前に買ったグレッチのエレキ・ギターとヴォックスのアンプで、ジョージのギターを青々しく弾いてみました。ちょっとハシったりモタったりの揺れも、若い頃のビートルズらしさだと思ったので、自分なりのテンションをセットして。リッケンバッカーのショート・スケールは借りました。

 王様はイギリスは訪問していません。日本を留守にしたのは一度だけで、ロサンジェルスにグランド・ファンク・レイルロードのマーク・ファーナー氏を訪ねて、王様の『めっちゃ陽気な鉄道伝説』のためにギターを入れてもらったんです。氏は一時期リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドでもギター弾いてましたよね。ギターを弾いてる姿が衝撃的で、「グルーブってこれか!」と思いましたね。今後イギリスを訪れる機会があったら、いちご畑養護施設を訪ねてみたいですね。

取材・文/吉野由樹

王様
ミュージシャン


1960年7月7日、リンゴ・スターと同じ日に生まれる。95年直訳ロックCD『深紫伝説』でデビュー。レコード大賞企画賞受賞。英文和訳とギターのテクニックを駆使し、全国各地でライブ活動を展開中。2008年7月4日CD『くりそつ伝説』、DVD『銭湯伝説』同時発売。再発版CD『鋼鉄伝説〜金の巻・リベンジ!』を2009年新春発売予定。
オフィシャルサイト「王様のROCK'N'ROLL TOWN」


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