アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#35 ビートルズは世界のどこにいても追いかけ撮りたい存在 (福岡耕造)

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1.アビイ・ロード・スタジオでご自身のバンドでレコーディングを行った福岡さん。ギターはポールと同じ1962年製エピフォン・カジノ。
2.アビイ・ロード・スタジオは録音した音源をこのようなDVDかオープンリールのテープで送ってくれる。
3.近著『ビートルズへの旅』共著のリリー・フランキーとは5年くらい前からのつきあいです。写真の方は、今まであまり世の中に出ていないようなものがあります。カスバ・クラブの細部の写真や、アビイ・ロード・スタジオの内部の写真です。例えば、ジャングルピアノと呼ばれる調律を変えてあるピアノがそのまま残っていて、ビートルズファンにはたまらないでしょうね。また、ジョンとポールが出会った現場に居合わせたおじさんがいて、その人の写真も載っています。今回はイギリスだけにしぼったので、一カ所に何ページも使った深いものができました。

 撮影でほとんど世界中を旅していますが、どこへ行ってもビートルズ関連のものを探すんです。インドのレコード屋でインド盤を買うとか、中国なら中国盤を買うとか、ビートルズに関連するものをいつも探している感じですね。ビートルズに関するチラシやポスター、レコードだろうがCDだろうが、いつも追いかけて、とにかく写真に撮りたい。「ビートルズとは?」と聞かれても一言では答えられないんですが、そういう存在です。まさにビートリーライフという感じです。
 ビートルズファンがリバプールに初めて行くなら、まずはマージー河のほとりを散歩するといいと思います。マージー河に落ちる夕日は本当にきれいです。ツアーコースの中のジョンとポールの家は、写真ではなく実際に見なければわからないすごさに感激すると思います。ミミおばさんの家の入り口に小さいポーチがあって、そこでジョンとポールがギターを弾いてコーラスの練習をしていたというようなことをガイドさんが説明してくれますが、実際そこへ行くとエコーが気持ちよくかかって、声がよく響くんですよ。ポールの家は、『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード』(2005年)のジャケットになった裏庭がそのまま再現されていて、ポールがいつも見ていた風景がわかります。
 リバプールのマニアックな場所なら、ジョンが通ったパブ「イー・クラック」の裏庭の、夏だけ解放されるらしいスペースがおすすめです。みんな昼間から酒を飲んでいて、ビートルズ抜きでもそこが一番気持ちいいですね。ジョンが通った店ではフィルハーモニック・パブも、イー・クラックとは全然違う、いかにもヨーロッパらしいゴシックで荘厳な造りがいいです。
 ロンドンへ行くならまずアビイ・ロードですね。アビイ・ロード・スタジオの近くではリージェント・パークや、動物園もあります。ハイド・パークなど公園も多く、気持ちいいところはいっぱいありますよ。ロンドンは新しいビルがどんどん建ったり、ものすごく変わってきているのが寂しいですが、「ヘリテージ(遺産)」といって、残さなければならないものは法律で守られています。アップルビルなどもその指定がされていて、ビルのオーナーが変わっても中は変えられないんです。
 イギリスに行くなら初夏、5月から7月あたりをおすすめします。気候が良く、自然もきれいですから。ビートルズは当然イギリスの寒くて暗い冬も過ごしているわけですから、それを知るためには冬も行かなければいけないんですけどね。

取材・文/佐藤義文

福岡耕造
写真家


1960年長野県生まれ。東京造形大学デザイン科で写真を学び、イギリス放浪の旅へ。帰国後、フリーの写真家として活動を開始。広告、雑誌を中心に第一線で活躍している。また、音楽への造詣も深く、十数年にわたり世界中のビートルズ所縁の地を撮り歩いている。 2008年4月、リリー・フランキーとの共著『ビートルズへの旅』(新潮社)発売。
オフィシャルサイト http://www.fukuokakozo.com/


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