#27 やっぱりジョンのヴォーカルですね、僕にとってのビートルズは。 (稲垣潤一)
1.「お宝と言えるようなものは持ってないけど…」と言って取り出したのは、中学2年の時に初めて買ったビートルズのアルバム『HELP!(4人はアイドル)』。このオデオン盤の裏ジャケットは、US盤に使用されたものと同じカラー写真。このアルバムに収録されている曲は全部好きだとのこと。もっとも、ビートルズに嫌いな曲はほとんどないとか。マーク・ルウィソーン著『ビートルズ/レコーディング・セッション』は、何月何日に録音して、マスタリングして…というのが全て書いてあるデータブック。レコーディングの方法論などを学べるだけでなく、「デビュー当時からトライ&エラーを繰り返して、あそこまで革新的なサウンドを創り上げたというのがわかる」という。「それにしても、よくこんなに記録していたなあ」と改めて感心。
バンドを初めて組んだのは中学3年の時で、ビートルズもたくさんコピーしました。メンバーの一人の家をスタジオ代わりに、当時は譜面もろくにないから耳コピで練習しましたね。ビートルズが来日したときは武道館には行けなかったけれど、もちろんテレビでは観ました。動いているビートルズが観られる機会なんてそうそうないから、テレビに釘付けになりましたね。
今でもビートルズは聴くし、ミュージシャン仲間と飲んだりする時も、ビートルズの話題はしょっちゅう出ますよ。『Let It Be...Naked』が発売されたときなんか、伊豆田(洋之)クンや杉(真理)クンと、オーケストラを除いたバージョンよりオリジナルの方がいいとか、これはこれで良さがあるんだ!とか…。
ビートルズがどうして好きになったのかって考えると、やっぱりジョン・レノンのヴォーカルだったんですね、僕は。当時の日本の60年代の歌謡界にはいないタイプの、非常にメリハリのある歌。ビートルズのコピーをする人はたくさんいるけど、最終的にはあのヴォーカルが真似できないんですよね。ジョンとポールの声が混ざりあったときにビートルズの音楽が生まれたと思うんです。
イギリスには行ったことがないんですよ。アメリカには何度も行っているんですが、ヨーロッパ圏はなぜか縁がないみたいで…(笑)。もしイギリスに行くことがあれば、リヴァプールのストロべリーフィールズやポールの生家とか、やっぱり観てみたいですね。
取材・文/相場晴雄 写真/田頭真理子
稲垣潤一
ミュージシャン
'53年生まれ。28歳の時に「雨のリグレット」でデビュー。「ドラマティック・レイン」('82)、「クリスマスキャロルの頃には」('92) 他、数々のヒットを送り出した日本を代表するAORシンガー。日本レコード大賞ほか受賞多数。'07年にはデビュー25周年を記念した初のDVD BOX「EDGE OF TIME」を発売。今年2月6日には、ユニバーサルミュージック移籍第2弾シングル「サヨナラからのメッセージ」をリリースした。
公式サイト
http://www.j-inagaki.com/






