アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#26 職場がジョン・レノン・ミュージアム。ジョンに毎日元気づけられています (水沢順一)

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1.現職に就いてから幾度か訪れたリバプール。水沢氏の思い出の品は同市の観光局スタッフから贈られた市制800年記念メダルだ。「リバプールは古くから芸術が盛んな街。リバプールでは、ビートルズは特別じゃなくて、近所に住んでいた少年が、世界のスターになったという身近な存在なんですよ」

 私がビートルズと出会ったのは20代の時。ベンチャーズ、プレスリーといったアメリカン・ポップスを体験した後に突如現れたのが彼らだったんです。鮮烈でしたね。音楽はもちろんですが、僕が何より驚いたのは、彼らがリバプールという街で暮らす友達同士だったり、顔見知りだったり、そんな4人が好きな音楽に取り組み、チャンスをつかんで世界に羽ばたいた、というストーリーですよ。
 私はもともと大成建設の社員で、4年半前に大成の文化事業として運営しているこのミュージアムに転籍しました。ですから普通のビートルズ・ファンでは済まされない、館長としてビートルズをより深く知らなきゃならなくなった(笑)。なんとなくビートルズの音楽が好きだった私にはとまどいもありましたが…。それはともかく、ジョンの生きざまを見るとね、ミュージシャンとしての偉大さというよりも、一人の男の生き方として、なかなかやるじゃないか、よく頑張ったじゃないか、といった印象を受けるんです。先にも話したように、私は有名になる前の彼らに興味があった。特にジョンですよね。彼の不遇な少年時代を知ると、ヨーコに惹かれる彼の気持ちが理解できる。つまりどこにでもいる普通の男なんだと。そんな男がビートルズとして頑張ったんだ、と。このミュージアムも、そんなジョンという男の一生を辿る構成になっていますから、来館者も見学後は「ジョンの人生と自分をダブらせた。自分だって頑張っているよなあ」って帰られる方が多いんですよ。
 私はね、夫婦や恋人同士、行き詰まりそうになったり喧嘩したり、また疲れた時にはジョン・レノン・ミュージアムにいらっしゃい、って勧めているんです。(水沢さん御自身は奥様連れで来館されることは?)え、私ですか? しょっちゅうですよ(笑)。いやね、元ゼネコン社員が畑違いの博物館館長を務めるというんで、妻が心配で時々見に来ているんですよ。差し入れ持参で(笑)。

取材・文/森澤郁夫

水沢順一
ジョン・レノン・ミュージアム館長


大成建設入社後、広告・宣伝、営業推進などの部署を経て現職。ビートルズをテーマにした博物館は、リバプールにあるビートルズ・ストーリーと、さいたま市のジョン・レノン・ミュージアムの2館のみ。海外からの来館者も多い。
ジョン・レノン・ミュージアム
http://www.taisei.co.jp/museum/


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