アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#20 ビートルズを見られなかった。だからこそ、追い続ける (本多康宏)

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1. 1963年、イギリス中に熱狂的なファンを生み、ビートルズ旋風を巻き起こした時代の直筆サイン。
2. 1964年ロンドンで開催されたイベント時に、報道関係者が直接貰ったという直筆サイン。プロモーションカードの“表側”にサインをしたものは極めて少ないそう。
3. 1965年、「Ticket To Ride」のプロモーション映像の撮影を行った、まさにそのときの直筆サイン。台本に書かれた貴重なものだ。
どれも非常に貴重な4人揃い書きの本物。年に何度も現地イギリスに足を運び、その時代を追い求め、確かめて手に入れたものばかり。数え切れない偽物が存在するというビートルズの直筆サインだが、本物は研究を重ねた人にしかわからない「匂いでわかる」と同氏は語る。

 活動期間自体はたった7〜8年間に過ぎないのに、未だに影響を与え続けているのは、ビートルズが“文化”だからだと思うんですよ。それまで「若者は大人の言うことを聞いていればいい」という考え方が主流だった時代に、「若者でも、やりたいことをやりたいスタイルでやっていける」ということを証明したのがビートルズ。音楽だけではなく、ファッションや政治的な発言も色んな意味でビートルズがやり始めた。活動期間中、毎回違うものを提供し、常に裏切り続けた彼らは“優等生”どころか、すごくラディカルだったんです。
 イギリスに行くと感じるのは、彼らが歌っていたのは、本当に身近なものだったんだということ。子供の頃、遠い国のお伽噺のように感じていた「In My Life」に出てくる「よく憶えている場所がいくつもある…」という歌詞も、リバプールの街角のことを淡々と歌っていただけだったんだなとか。
 僕にとってビートルズは人生そのもの。ビートルズがなくなったら、自分自身が消えてしまうぐらいの存在です。僕らの世代は、生のビートルズを日本武道館で見られなかった。でも、ビートルズは現役世代だけのものではないと思います。彼らが“永遠”なのは何百万人、何千万人という人が語り継いでいるからこそ。切り口は様々だけれど、僕の場合は、彼らが創った文化の源になっている作品やアイテムなどを通じて、その魅力を語り継いでいきたい。ビートルズウイルスをばら撒いて、感染させるのが仕事のようなものですね(笑)。

取材・文/島影真奈美

本多康宏
「ビートルズ研究所」主宰


ビートルズ鑑定士。全世界に数人しかいないと言われる、責任鑑定ができる唯一の日本人。本物を求め、世界を駆け巡る。直筆モノの鑑定力は世界でも認められており、海外の競りでは同氏の動向を見て真似をする人が多いほど。お宝コレクション・ハウス「ビートルズ研究所」(℡03-3366-5661)主宰。


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