アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#18 自分の中で自然と消化されていった空気みたいな存在 (田中 了)

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1.ビートルズのアルバム「Abbey Road」と、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアルバム「THE ABBEY ROAD E.P.」。レッチリが'88年に発表したEP盤で、多くのパロディ作品が存在するビートルズの中でも特に有名な1枚。「決して自分の中ではビートルズだけじゃないっていうのがあって。はっきり言ってどっちのバンドに影響受けたかって言ったら、僕はレッチリの方ですからね(笑)。だからレッチリってバンドがこうあるんだっていうのが、やっぱりビートルズの偉大さなのかなって感じるんですよ」と田中氏。

 音楽に興味を持ち始めたころ、僕の場合パンクっぽいムーブメントから入っていったんですね。クラッシュとか、セックス・ピストルズとか。だからビートルズ=イギリスって感じは特にないんですよ。ただ全体的にイギリス寄りなものが好きで、シャープというか、クールな感じというか。アメリカにはない、イギリスの繊細さみたいなものに惹かれますね。
 パンクが好きだったので、僕の考え方としては、イエス、ノーで言うところの否定的なところから始まってるんです。でも歳を重ねていくごとに、否定したり壊したりするだけでなく、作り上げていくことが大事なんじゃないかって意識に変わってきて…。それから、そんなに興味のなかったビートルズのことが、すごく理解できるようになってる自分がいたというか。ビートルズって開拓してきた人だし、そういう部分ではやっぱりすごいなと思いますし、だから曲どうこうっていうよりは、彼らの生き方的な部分に共鳴しますね。
 “自分”っていうのは、自然と出来るものじゃないですか。いちいち何かをインプットしていくのではなく、なんとなく形にすることで浮き出てくるというか。何かが刺激になったり、教えてもらったことはあるにしろ、最終的にはそれを消化して自分なりのスタイルを作っていかないとダメなんですよね。で、そこには今まで聴いてきた音楽だったり、中にはビートルズもあったなと。そういう意味では、ビートルズっていうのは僕にとって空気みたいな存在なんですよね。

取材・文/野上瑠美子

田中 了
ファッションデザイナー


'97年「S.T.A.F.」スタートをし、03-04年AWよりコレクションライン“SATORU TANAKA”を発表。05-06秋冬より「BOYCOTT」クリエイティブディレクターに就任。07-08AWより、“POLITELY SATORUTANAKA”を立ち上げ、'08年1月には、恵比寿・アメリカ橋に会員制VIPサロンをオープンする。
http://www.satorutanaka.net/


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