アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#10 何をやっても“感じがイイ”。そこが彼らの偉大さ (庄司信也)

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1. 悩める若者たちに対し、“決してひとりぼっちにしない音楽”を紹介している自身の店舗に必ず置いてあるビートルズのレコード。店内には往年のロックミュージシャンたちのポスターがズラリと貼られており、常時彼がDJをしている。「ビートルズって、冬になると聴きたくなりますよね。ロンドンのイメージからなんでしょうね」とのこと。
2. 併設されたカフェには、庄司さんらスタッフの愛読書をノンジャンルで置く本棚がある。これはそのなかの1冊で、ジョンの伝記的写真集『イマジン:ジョン・レノン』。その他、DVD『ザ・ビートルズ・アンソロジー』も。

 僕は“若者文化屋”という名目で、レコード店とカフェを併設した店舗を経営しています。その信条が「ビートルズみたいな若者に来てほしい」なんですね。それは“イイ感じの若者”ではなく、“感じのイイ若者”。例えば、家にイギー・ポップを連れて来たら母親に怒られそうだけれど、彼らなら好かれそうじゃないですか(笑)?
 イギリスには買い付けで2年前に初めて行きました。典型的な音楽オタクでロンドンに憧れていただけに、正直拍子抜けしたんですよね。都市部はそれこそ渋谷にいるのと同じ感覚だったから。ただ、夜ひとりでパブに出掛けて、ビートルズが流れてきた瞬間は感動しました。その後“ココだけは!”という思いで、アビイ・ロードに行ったんです。そうしたら、モッズコートにモジャモジャ頭だった僕の風貌が珍しかったのか、「ここで一緒に写真を撮ってくれ!」と逆に現地の人たちの人気者になってしまって…。「憧れのアビイ・ロードでオレ、何をやってるんだ?」という苦い思い出です(笑)。
 “毎日が戦争”みたいな状況にある今を生きていると、他人に何を言われようとも気にせず、絶対的にシンプルだったジョンの生き方を羨ましく思います。普通に人間臭くて、大スターなのにウチの母親にまで好かれてしまいそうな、その小気味良さ。実際には7年間の活動で様々な紆余曲折があったわけだけれど、彼らのそんな存在感こそが、僕のなかで人生におけるひとつの理想の基準になっているのです。

取材・文/小堀真子(バイオレンジ)

庄司信也
Youth Recordsオーナー・総合司会


'78年生まれ。ファッションブランド「ミスターハリウッド」のプレスを経た後独立、原宿に現在の店舗を構える。日々店頭に立ちながら、音楽や映画など様々な分野でデザイン・執筆活動なども行っている。カフェ「KITCHEN Waltz」を併設した店舗の情報はHPにて。
http://www.youthrecords.com


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