- 2010.03.11Thursday
- 山田監督、小百合、鶴瓶が外国人記者の質問に苦笑い
第60回ベルリン国際映画祭で「おとうと」がクロージング上映された山田洋次監督、主演の吉永小百合、笑福亭鶴瓶が3月11日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。山田監督が、同映画祭の特別功労賞にあたるベルリナーレ・カメラの受賞を記念したトロフィーを持参して登場すると、盛大な拍手で出迎えられた。
同映画祭には山田監督と吉永が出席したが、鶴瓶はスケジュールの都合で渡独がかなわなかったため、3人が顔をそろえるのは1月30日の公開初日以来となる。この日は、外国人特派員と外資系企業に勤務する同協会会員など約150人が参加。外国人記者からの質問の内容に、ときに苦笑いを浮かべながらも誠実に答える3人の姿が印象的だった。
スウェーデンで役者経験のある記者が、「日本人は有名人を崇拝する傾向があるように思う。それについて負担を感じることはあるか?」と質問。山田監督は、「もし崇拝されているのなら、とても困ったことだ。僕は一市民として、誰とでも話し合いたいと願っている」と話した。
鶴瓶も、「ある日、道を歩いていたらおばさんが1000円札を持って近寄ってきて『くずれない?』と聞いてきた。500円が混ざっても構わなければ大丈夫と答えたんです。それくらい僕はすごく近い位置にいるつもりです」と答えると、多国籍で構成された場内は爆笑に。それでも、「こちらの気持ちの持ちようだと思う。いかに普通でいるかが大事なんじゃないでしょうか」と真摯に訴えていた。
また、山田監督の撮る作品には希望のメッセージが込められている気がする、という指摘の声も。これには山田監督自らが、「今の日本社会を見ると未来は暗いなあと思う。そんな時代にあって、絶望するフリをするのは簡単なこと。むしろ、希望を抱くことのほうがはるかに難しいんじゃないでしょうか。僕の作品を見てくれた人の気持ちが、映画を通じてつながってくれればうれしいです」と生真面目に語った。
さらに、別の記者は日本映画のラインナップにリメイク作品が多いことを憂えた。山田監督は、これにも「リメイクが多いのは日本だけじゃなく、ハリウッドはもっと多い。企画力の貧困、作り手の想像力の欠如が原因でしょう。黒澤明作品のリメイクが続いているけれど、黒澤作品を超える作品ができるわけがない」と一石を投じた。また、同作を見た演歌歌手の吉幾三が感銘を受け、鶴瓶のためだけに作った楽曲「姉ちゃんへ」を初披露。鶴瓶は、「僕のためだけに作ってくれはったんです。出演してみて、その影響をそこかしこで感じます」と笑みをたたえながら話す姿に喝さいがおくられた。
松竹配給の「おとうと」は、観客動員165万人を突破し上映中。
(eiga.com)
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