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2010.03.10UP

『バッド・ルーテナント』が妙に心を捉える。

『バッド・ルーテナント』が面白い。ゆるく、ユーモラス。リメイクもへったくれもなく、ただただゆるく、そこが最高である。ゆるさは、ひとえに監督ヘルツォークのゆるさであろう。ワニ、巨大イグアナに屋外、室内で手持ちキャメラが接写で捉えるが、メイキング映像担当者が遊びで撮った映像を使用したかのようで、なんかモゾモゾと動物が画面を支配しつづけドラマをさえぎる。これに呼応して、破産が伝えられるニコラス・ケイジもどこか虚脱した感じ、いつもの熱演、力演を外してそこいらに投げ捨て、ヒョロヒョロしている。軽く、実にいい感じなのだ。

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『バッド・ルーテナント』(C) 2009 LIEUTENENT PRODUCTIONS,INC. 配給:プレシディオ 恵比寿ガーデンシネマ ほか公開中

 ハリケーン・カタリーナ以降の壊滅したニューオリンズ周辺での撮影だが、ケイジにとっては処女監督作『ソニー』でカタリーナ以前の街並みをロケ撮影したことがあっただけに、思いは格別であっただろう。

 思えば、前に書影を載せたバリー・ギフォードのセイラー&ルーラ・シリーズの第七話The Imagination of the Heartもカタリーナ後のニューオリンズにセイラーとの過去を懐旧するルーラ(80歳)を描いていた。
 
 
 先日、『映/画,黒片 クライム・ジャンル』の入稿スケジュール打ち合わせ。ようやく軌道にのったが、遅れはひとえにワタクシの不徳のいたすところであります。

 ツイッターやりましょうよ、という誘いを頻繁に受けるが、始めると収拾がつかなく、アタマがばらけるのではないか、という恐怖が。ばらけるのは相手か? PCのパソコン機能だけ利用している情報遮断の現況がオレにはおそらくあってるネ。外界の出来事に興味はほとんどない。

 突然始めるかも。

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滝本誠(評論家)
1949年京都府生まれ。東京藝術大学卒業、専攻美学。「キネマ旬報」誌3月下旬号より新連載<セルロイドの画集 シネマ・アート・ランダム>開始。『映/画、黒片 クライム・ジャンル』刊行は5月初旬予定。
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