ttle_cinema02.jpg

webマガジン e-days(イーデイズ) >  映画 >  映画コラム >  滝本誠 夢のヒント、悪夢のピント  > 2月18日 本木雅弘さんのスピーチはすばらしかった!

2009.02.18UP

2月18日 本木雅弘さんのスピーチはすばらしかった!

キネマ旬報ベストテン受賞パーティでの本木雅弘さん(『おくりびと』で主演男優賞)のスピーチはすばらしかった! うまく再現できないが、苦しいことがほとんどの人生にあって、受賞がもたらすつかの間の幸福感について、いずれ自分が<おくられる>日まで簡潔に語り、その語りの知性がオレをキックした。

石井隆監督の日本のクライム・ムーヴィの最高作『GONIN』、そして題名を失念したが、サイコパス演技が新鮮だったTVシリーズとオレの中で本木さんのイメージは以前から高い。クソ、TV題名思い出せない。申し訳ない。是枝裕和監督『歩いても、歩いても』で助演女優賞受賞の樹木希林さんも会場にいて、義理の息子として本木さんも緊張したかも。また、小泉今日子さんのスピーチも前向き感が全面にでていて、やはりキョンキョンだ。彼女には緊張して近づけない。


なぜ、そんな場所に、一度もでたことがない授賞式にオレがいたか。実は当日夜のエリック・クラプトン武道館公演をチケット紛失で断念、自分にむかついていたら、キネマ旬報編集長、明智さんより、あまりに近い場所だから来ませんか、のお誘いがあったからだ。

確かに近い。

勤務先から150メートルの中央区管轄のホールで第82回キネマ旬報ベストテン&個人賞の表彰式が催されていたのであった。授賞式の司会進行はフジテレビ朝番組「とくダネ!」司会の笠井氏(氏にはパーティの時、もうすぐおめでたで司会を降りる佐々木アナにメッセージを託した)、笠井+佐々木のコンビは無類の映画好きで、佐々木さんとは以前、BSフジ<デイヴィッド・リンチ特集>で接点があり、その後何度か試写などでお会いした。リンチは苦手のようでした(笑)。出産前に『イレイザーヘッド』を観てはいけないことは確か。

出産といえば、小学生の妊娠を扱った『コドモのコドモ』で新人女優賞受賞の甘利はるなちゃんがかわいく会場を行き来していて、紹介してもらおうかな、と不埒な思いも浮かんだが、彼女の映画を観ていないのにあまりに失礼な態度と思い断念した。可愛い!

かねがねオレのファン第一号を公言しながら口の悪さも第1級のアスミック・エースのプロデューサー谷島正之がおっさんお久しぶり! とやってきて、この前のキネマ旬報の原稿、凡庸でしたねと大声でホザきやがった。まったく無駄にハンサムな嫌み野郎である。

でもいい奴だし、彼の女房に免じていつも許しているのだ。お前もなんでここにいるんだ? と返すと彼が制作担当の作品『グーグーだって猫である』が小泉今日子に主演女優賞をもたらしたからである、とのけぞりながら言った。なにかオレが賞を獲らしてやったと言わんばかりであった。

<PREV  NEXT>  

img_profile_cinema02.gif

滝本誠(評論家)
1949年京都府生まれ。東京藝術大学卒業、専攻美学。「キネマ旬報」誌3月下旬号より新連載<セルロイドの画集 シネマ・アート・ランダム>開始。『映/画、黒片 クライム・ジャンル』刊行は5月初旬予定。
ページ上部へ
新着紹介のRSS ラガー音楽酒場のRSS ラガー音楽酒場 e-days プレゼント&インフォメーションのRSS e-days プレゼント&インフォメーション