2009.11.17UP
10月18日(日)
登りと下りが違うルートで、どちらかに急な坂がある場合、筆者とパートナーは基本的に急坂を登る方を選ぶ。筆者は幸運にもそういう経験をしていないが、一緒に登った人が膝などをおかしくするのは必ず下りのときだ。登りは消耗するだけだが、下りは不自然な体勢をとって膝に負担がかかる。
奥多摩三山で最も高い三頭山(1531m)は、奥多摩湖からのルートに急坂があるので、こちらから登り、数馬に下ることにした。奥多摩駅から小菅行きのバスに乗り、小河内神社で下車。奥多摩湖にかかる浮橋(ドラムカン橋)で対岸に渡る。橋の上から東に目を向けると奥多摩三山の御前山がよく見える。


奥多摩周遊道路を経て登山道に入り、尾根上に出ると急な登りが始まる。いつもならこのあたりですでに気分が高揚しているところだが、奥多摩周遊道路はバイカーに人気のルートでもあり、エンジン音が尾根まで響いてくるため、下界に引き戻されることを覚悟しなければならない。エンジン音が届かないところまで来ると、静けさに包まれる。だから、どんぐりが枝ではね、尾根を転がり、谷に落ちていく音が、不思議なくらい大きく響く。

途中のピーク、ヌカザス山まで急な登りがつづき、そこからはアップダウンを繰り返し、さらにオツネの泣坂と呼ばれる急登が待っている。確かにこの登りは楽ではないが、妙に気持ちがいいのは天気がよいせいばかりではない。この山は江戸時代に「御留山」(林産物や動物をとることを禁じられた山)であったため、ブナなどの大木が残り、自然林に近い。しかも、ヌカザス山を過ぎたあたりから、紅葉が目立ちだし、実に心地よい空間になる。


入小沢ノ峰を過ぎると次第に傾斜が緩くなり、巨岩の間を抜けると、御堂峠の分岐に出る。三頭山の山頂は、東峰、中央峰、西峰の三峰からなり、この十字路から左の道を進み、まずは中央峰〜東峰に向かう。東峰の奥からは展望台がせり出していて、9月に登った大岳山がよく見える。そこからテーブルのある中央峰に戻り、ゆっくり昼食をとる。

予定では15:42数馬発のバスに乗るつもりだったが、ゆっくりしすぎたために、もう13:20になっていた。西原峠を経て数馬までは、標準タイムで2時間半。まだ西峰からの展望も見ていないのにあわてて下山するのは寂しいので、コースを変更し、三頭ノ大滝を経て都民の森に下ることにする。そこからは数馬で接続するバスが出ている。
西峰に移動し、まずは南側の展望が開けた場所に向かう。気温が上がっているので残念ながら富士山は見えない。と思ったら、予想したよりも上の位置に薄っすらとではあるが、ちゃんと見えていた。写真では見えにくいかもしれないが...。それから今度は北側が開けた場所に向かう。鷹ノ巣山、そして石尾根をたどって雲取山がきれいに見えた。


西峰からムシカリ峠を経て三頭ノ大滝に通じる「ブナの路」も、紅葉が青空に映え、ほれぼれするような巨木に出会える気持ちのいい道だった。三頭ノ大滝の向かいには、滝を見るためだけの滝見橋が備え付けられている。滝の周辺の木々も色づきはじめていた。


