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2009.12.22UP

映画と音楽ベスト10 2009

 今年も残すところ10日足らず......映画や音楽のファンにとっては1年間の総決算ともいうべきベスト10の結果が気になるシーズンでもある。

 映画ならキネマ旬報、音楽ならミュージック・マガジンから投票の依頼を受けるのが、もう10数年以上も恒例となっている。そこで早速我がベスト10を公表させてもらおうと思う。

 まず映画──本来なら第1位から10位までを順にあげるべきだが、キネマ旬報の発表が年を越してからという事情を考慮して、ここでは僕が選んだ10本を公開順にリストアップすることにしたので、悪しからず。

 「悲夢」(キム・ギドク監督)
 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(デイヴィッド・フィンチャー監督)
 「グラン・トリノ」(クリント・イーストウッド監督)
 「バーン・アフター・リーディング」(コーエン兄弟監督)
 「ミルク」(ガス・ヴァン・サント監督)
 「グッド・バッド・ウィアード」(キム・ジウン監督)
 「リミッツ・オブ・コントロール」(ジム・ジャームッシュ監督)
 「アバンチュールはパリで]」(ホン・サンス監督)
 「イングロリアス・バスターズ」(クエンティン・タランティーノ監督)
 「倫敦から来た男」(タル・ベーラ監督)


 順位はキネマ旬報をご覧いただくとして、ここでちょいとばかり心情を吐露すると......

 上位作品に関してはかなり悩むことになった。気高い信念を格調高く描いた作品か、それとも作り手の情念が熱く燃えたぎる作品か? 具体的には「グラン・トリノ」や「ミルク」が前者、そして「グッド・バッド・ウィアード」や「イングロリアス・バスターズ」が後者である。外国映画監督賞にタランティーノを選んだことを付け加えておくが、第1位に選んだのは彼の作品ではない。といえばもうお分かりだと思うが......

『グッド・バッド・ウィアード』

『グッド・バッド・ウィアード』(©ワーナー・ホーム・ビデオ Blu-ray&DVD2月10日発売)

 どうしても心の底から感動はできなかったが「母なる証明」(ポン・ジュノ監督)も加えて、韓国映画の底力を改めて実感させられた年でもあった。


 そして音楽──[特集 ベスト・アルバム2009]と表紙に謳われたミュージック・マガジンがちょうど発売されたばかりで、すでにごらんになった皆さんは気がついたことと思うのだが、この雑誌では音楽が細かくジャンル分けされて、それぞれの分野ごとに3人の評論家が合議制でベスト10を選出したものになっている。いわゆるトータルなベスト10とはいささか趣が違うのである。

 それとは別にこの雑誌では[音楽評論家/ライター、ミュージシャンが選ぶ2009年のベスト・アルバム10枚]というページを設けて27人の選者のリストを、順位なしで掲載している。僕が参加するのはこちらの方だ。
 という訳で、以下はアーティストをアルファベット順に並べた我が10枚である。


 アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ/クライング・ライト(CD)
 アーケイド・ファイア/Miroir Noir(DVD)
 ディヴェンドラ・バンハート/ホワット・ウィル・ウィー・ビー(CD)
 ダーティー・プロジェクターズ/ビッテ・オルカ(CD)
 ザ・ドラムズ/Summertime!(CD)
 マリアンヌ・フェイスフル/イージー・カム・イージー・ゴー(2CD+DVD)
 オヴ・モントリオール/スケイリタル・ランピング(CD)
 ルーファス・ウェインライト/ミルウォーキー・アット・ラスト!(DVD+CD)
 スコット・ウォーカー/30 Century Man(DVD)
 ヤー・ヤー・ヤーズ/イッツ・ブリッツ(CD)


 この10枚の中から1枚だけジャケット写真を指定するのだが、実質的にはそれがその年の我がナンバー1・アルバムというニュアンス──僕が選んだのはダーティー・プロジェクターズである。

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ダーティ・プロジェクターズ『ビッテ・オルカ』(ホステス)

 去年のナンバー1・アルバムのTV・オン・ザ・レディオに続いて、今年もN.Y.ブルックリンのバンドが首位となった。TVOTRの余熱さめやらず、どころかダーティー・プロジェクターズを筆頭にヤー・ヤー・ヤーズ、ザ・ドラムズ(日本盤未発売)などに、僕のリストからは洩れたが、グリズリー・ベアやアニマル・コレクティヴらを加えて、ブルックリンは今本当に勢いを感じさせる。

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今野雄二(映画・音楽評論家)
1943年生まれ。北海道出身。国際基督教大学(ICU) 卒業後、出版社勤務を経て評論活動へ。「11PM」など数々のTV、ラジオ番組で映画、音楽を紹介。「週刊朝日」の星とり評を連載中。

Title Photo:Tsuyoshi Harikae
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